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【書評/要約】人は聞き方が9割(永松茂久) 人は話したい生き物。まずは「話す力」より「聞く力」。聞き方次第で、すべてうまくいく。しかも、簡単に!

【書評/要約】人は聞き方が9割(永松茂久) 人は話したい生き物。まずは「話す力」より「聞く力」。聞き方次第で、すべてうまくいく。しかも、簡単に!
人は聞き方が9割」要約・感想
  • 会話は「話す側」と「聞く側」で成立。にも拘わらず、多くの人が「話す」ことばかりにとらわれてしまい、「聞く」ということの重要性を忘れている。
  • 人は本来話したい生き物。そのニーズに応える方が、「聞く力」。説明力・交渉術+話すための知識・教養力の必要な「話す力」よりも、「聞く力」を身につける方が圧倒的に簡単
  • 「聞く」ために必要なのは、スキルよりメンタル。本作では、「聞き方上手」になるポイント、「会話で嫌われない」ポイントがわかりやすく解説される

★★★★☆ Kindle Unlimited読み放題対象本 Audible聴き放題対象本

目次

『人は聞き方が9割』ってどんな本?

Audible読み放題対象最初の2か月99円(2/4まで)
Kindle Unlimited読み放題対象最初の30日無料体験 ※対象者限定で2か月99円
※どちらもいつでも解約可能

話すのは苦手…。そんな悩みを抱えていませんか?

でも、大丈夫。ほんの少し「聞き方のコツ」を押さえるだけで、人間関係も、人生も、全部がよりよい方向に動き出す!そんな魔法の方法を教えてくれるのが、永松茂久さんの『人は聞き方が9割』。

会話は「話す側」と「聞く側」で成り立っています。そもそも、「人は本来話したい生き物」です。にもかかわらず、 多くの人が「話す」ことばかりにとらわれてしまい、「聞く」ということの重要性を忘れています。

確かに、「話すスキル」が高いと確かに頭がよさそうで、一目置かれる人材になれるかもしれません。しかし、弁がたつだけでは人と信頼関係を築くことはできません。人が集まる人材にはなれません。一方で、説明力・交渉術など「話すスキル」を伸ばすことは、容易ではありません。

しかし、「聞くスキル」なら、膨大な教養・知識は必要ありません。安心して話せる環境を作れると、人に好かれて、すべてがうまくいく環境を手に入れることができます。

説明力・交渉術を学ぶ前に、まずは『人は聞き方が9割』で「聞くスキル」を伸ばすことをおすすめします。

こんな方におすすめ
  • ビジネス、プライベートに関わらず、コミュニケーションが苦手な方
  • 商談などで、一生懸命説明しても、成約に結びつかない方
  • パートナーとの話がうまくいかない方

なぜ「聞く人」はうまくいくのか

なぜ「聞く人」はうまくいくのか | 人は聞き方が9割

【プライベート】「ねえ、聞いてる?」問題

女:ねえ、聞いてる?
男:聞いてるよ。

これは、世界中で日々繰り広げられるコミュニケーションの大問題です。この問題の原因は、「聞く」ことに対する解釈の違いです。

上記男性の会話の通り、「話を聞いてる」と言う人の多くは相手の「言葉」を聞き、内容の把握はしています。しかし、「話を聞いてほしい」人が求めているのは、その話の奥にある「感情への共感」です。

男(女)は言葉を理解するために聞く。女(男)は感情を受け止めてほしくて、安心したくて話す。

この「目的の違い」が「すれ違い」の原因となっていることに気が付くことが」大事です。

【ビジネス】なぜ、会議は面白くないのか、話しづらいのか

次は、ビジネス現場です。多くの人は会議で発言することに抵抗を感じます。それは、打ち合わせの場は、次のように話しにくい「環境」であることが多いからです。

  • 会議参加者の表情が暗い。場の空気も重い
  • 発言してもリアクションが薄い
  • 「真っ当なこと」「正解を言わなければならない」というプレッシャーがある

否定されるかもしれないという雰囲気では、人は安心して話せません。会議に限らず、合コンでも、聞く側のリアクションが話す側に大きな影響を及ぼします。何を言っても意見が受け入れられる雰囲気があれば、活発に人は発言できます。

人は安心したい、認められたい

上記2例のように、人・集団の間には様々な「思いのすれ違い」があります。人が最も必要としているのは「安心感」です。

マズローの5段階欲求に示されるように、第一段目の食べたい・寝たいなど生命維持のための欲求「生理的欲求」が満たされたうえで求められるのは、二段目の「安全の欲求」。安心感がなければ、より上位の欲求「所得と愛の欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」も満たされません。

誰もが持つ「話したい欲求」は、4段目の「承認欲求」です。相手の承認欲求を満たしてあげるためにも、まず最初に安心して話せる場を作ってあげることが大事です。

「聞く力」を磨くと、いいことがいっぱい

人は誰もが自分のことが一番大切であり、自分に一番興味があります。誰もが自分のことを認めてほしいし、自分のことをわかってほしいと熱望しています。それ故、人は自分のことをわかってくれる人のことを好きになります。

人は、安心したいし、認められたい。これを叶えるのが「聞くこと」です。

「聞く力」の効果は人から好かれるだけでなく、自分の知らないことを「知る」ことにもつながります。また、たとえ知っている事柄でも、相手の体験・感情・知恵を擬似体験できれば、あなた自身の人生の幅が広がります。「周りの人から学ぼう」という姿勢を持って聞けば、自然と、相手とWin-Win関係も築けます。

人に好かれる人の聞き方

人に好かれる人の聞き方

「聞く力」は「話す力」よりも圧倒的に取得が簡単です。ここからは、「聞き上手」になる具体的な方法を見ていきましょう。

安心できる空間をつくる

前節でもモべ増したが、なんでも話してもらえる聞き上手になるコツは、「安心感を与える」ことです。

「人に安心感を与える人になる」ことが、人に好かれ、あなたの人生が開く一番の早道です。

人は安心感がある相手と話すと、体がリラックスし、脳が活性化し、本来持っている自分自身の力をも発揮できるのがわかります。故、人は安心感をくれる人を好きになり、心を開きます。

魔法の傾聴:5つのポイント

では、どうしたら、人に好かれる聞き方ができるのか。大事なのは「傾聴」です。耳を傾け、目、体、心 など様々な感覚も使って、熱心に相手の話を聞くことです。傾聴 の5つのポイントは以下の通りです。

  • 表情  :まずは「笑顔の先出し」を意識
  • うなずき:うなずきに強弱をつける
  • 姿勢  :相手に身体を向ける。携帯は脇に置く
  • 笑い  :一緒になって笑う
  • 感賛  :感嘆し、称賛する。驚きを表現する。「わぁ」「へぇ」「ほー」「おー」など

難しいモノものは一つもありません。特に大事なのが❺感賛、相手の話に対する聞く側の驚きの表現です。「わぁ」「へぇ」という反応があると、人は話したくなります。相手に心を開きさえすれば、驚きの表現は口をついて出てきます。

嫌われない聞き方: 9つのポイント

好かれる聞き方がある一方、嫌われる聞き方もあります。
嫌われない聞き方のコツは、悪気がなくてもやってしまいがちな以下の9つを「やらない」ことです。

  • 違う意見の人を否定しない
  • 自分の常識を押しつけない
  • 話す相手と競わない 
  • 結論を焦らない
  • 答えや解決策をはじめから言わない
  • さえぎらない、話を変えない
  • 心を折るツッコミはしない
  • 干渉しすぎない
  • 「ここだけの話」は絶対、人に言わない

多くの人は、上記を会話の中でやってしまっています。特に、正論を突き付けて相手を否定したり、自分の常識を押し付けてマウンティングしてしまう行為は、やってしまいがちです。

上記をやらない一つのコツは、「否定語」を控えること。否定語が多いと場の雰囲気が悪くなります。

「また会いたい」と思われるために

「また会いたい」と思われるために | 人は聞き方が9割 |

聞く力に大事なのはスキルより「メンタル」

人の話を聞くに当たって、スキルはそれほど重要ではありません。大切なのはメンタル、つまり「聞く時の心の在り方」です。

社会的なポジションや損得勘定で、相手への態度を変える人がいます。こういう方は、利害関係がないと判断した人に敬意を払いませんし、関心を持ちません。これでは、絶対に聞き上手にはなれません。

どんな立場の相手にも「敬意」を払うのが基本。そのうえで、「好奇心」を持って接すれば、あなたの気持ちは相手に伝わり、心を開いてくれます。小さなことでも、好奇心を持てば自然とリアクションも生まれます。それが、より多くの会話を生み、気づきや学びにつながります。

また会いたいと思わせるキラーワード

「また会いたい」と思ってもらえる人になるためのキラーワードは、「そうだよね、わかるよ」という言葉です。つまり、「共感」です。

寄り添いの言葉は、ただ安心を与えるだけでなく、相手の心を開き、相手への好意=好きにつながります。

考え方が異なるときの伝え方

時には、心が通じた相手との会話で「意見の相違」が生じることもあります。こんな時、大事なのは、「相手を思う一言」です。

「貴重なご意見をいただきありがとうございます。いろいろ考えた結果、今回はこの方法で進めさせていただけませんか?」と一言添えるだけで関係悪化は防げます。相手が、目上の方なら、さらに続けて「ここからもご指導よろしくお願いします」と添えれば、礼儀正しさも伝わります。

一言の配慮があるだけで、あなたはしっかりと筋を通す信頼に足る人になり、周りを敵にせず、人間関係を円滑に進めることができます。

最後に

今回は、永松茂久さんの『人は聞き方が9割』からの学びを紹介しました。本書を読むと、あなたの聞く姿勢はより大きく変わるはずです。

「傾聴」と「ほんの少しの気遣い」が、ビジネスでもプライベートでも信頼される人へと成長させます。人を看破する交渉術より、安心できる関係が作れる「聞き上手」。まずは、今日、「傾聴」を意識してみませんか?いろいろ気づきがあるはずです。

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