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『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』徹底ガイド|あらすじ・人物相関・物語の魅力をわかりやすく解説 ―― 今村翔吾が描く 江戸火消し時代小説 & 2026年冬アニメ

【書評/要約】火喰鳥 羽州ぼろ鳶組(今村翔吾)
火喰鳥 羽州ぼろ鳶組」紹介
  • 元・江戸最強の火消が、崩壊した組織を蘇らせる再生の物語
    伝説の火消「火喰鳥」松永源吾が、政治と陰謀で壊れた“ぼろ鳶組”を率いて江戸を守る。命を懸ける男たちの姿と、史実に裏打ちされた世界観が胸を熱くする。
  • 落ちこぼれた男たちが、再び誇りを取り戻していく熱い物語
    居場所を失った者たちが、火事場で絆と誇りを取り戻していく姿に胸アツ。五感を揺さぶる圧巻の火事描写にも注目。
  • あらすじ・主要登場人物・魅力を紹介
    藩の闇や人物の過去の詳細まで、アニメで惹かれた人ほど、原作で世界が深まる。
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目次

『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』火と人情が交錯する、江戸の熱き人間ドラマ

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江戸の町を守る火消し――
その存在は、現代の私たちが想像する以上に、命懸けで、誇り高く、そして人間臭い。

火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』は、そんな火消しの世界を、圧倒的な熱量と濃密な人間ドラマで描き切った時代小説です。

火事が“日常の脅威”だった江戸において、火消しは町人たちの命と暮らしを守る最後の砦。
彼らは恐れられ、尊敬され、そしてときに命を捨てて炎に飛び込む――江戸のヒーローでした。

その中で、主人公・松永源吾が率いることになる出羽新庄藩の火消組は、崩壊寸前。
人員は激減し、道具は壊れ、士気は地に落ち、町人たちからは「ぼろ鳶組」と蔑まれる有様。

『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』は、そんな“ボロボロの組織”が、再び江戸の町に必要とされる存在へと生まれ変わっていく姿を、エンタメ性と歴史的リアリティを絶妙に絡めながら描き出していきます。

ページをめくるたびに、
火の粉が舞い、煙が鼻を突き、汗と熱気が伝わってくる――
そんな錯覚すら覚えるほどの臨場感が、この物語にはあります。

本作を手がけるのは、『イクサガミ』でも知られる人気歴史小説家・今村翔吾
本シリーズは2021年、「羽州ぼろ鳶組」シリーズとして第6回吉川英治文庫賞を受賞
さらに2026年1月からはアニメ放送も始まり、いま最も注目されている時代小説の一つです。

『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』:あらすじ

舞台は、明和七年(1770年、田沼意次政権時代 )。
元・江戸最強の火消「火喰鳥」松永源吾(30歳)が、
出羽新庄藩士・折下左門から、火消頭取として「崩壊した火消組を再建してほしい」と依頼されるところから始まります。

源吾は元・松平隼人家の定火消頭取。
「定火消御役、松平隼人家中に火喰鳥あり」とまで謳われた伝説の男でした。
しかし、過去のある事件をきっかけに失脚。炎が怖くなり、5年間、貧しい浪人生活をしていました。

そんな彼に提示された条件は――
禄300石、しかし火消再建費はわずか200両。しかも、「失敗すれば切腹」前提…

しかも、火消組の現状は、

  • 元定員110人のはずが、多くが組織を離れ、現存24人
  • 道具は壊れ、士気もゼロ

という崩壊状態でした。

火消組を蝕む、藩の闇

かつて新庄藩の火消は、誇り高く優秀な組織でした。
しかし、藩の財政難をきっかけに、すべてが歪み始めます。

藩政を牛耳る筆頭家老・北条六右衛門は、火消の実務にかかる費用を極限まで削る一方で、
幕府・江戸の町で目立つ存在であるために、「見た目」だけは豪華にしろと命じます。

これに反発した前頭取・眞鍋幸三は、北条と衝突し、自ら切腹。
後を継いだ鳥越新之助の父・蔵之介も、謎の火事で命を落とします。

この頃、江戸では、正体不明の放火魔――「狐火」が暗躍。
新庄藩火消は、政治と陰謀の渦の中で、完全に崩壊していたのです。

無理ゲーから始まる再建

あまりに無理ゲーな再建に、最初は当惑した源吾。しかし、源吾は北条に言い放ちます。
一年半で再建する。失敗すればどうなっても構わない」と——。

彼の再建方針は明快でした。

  • 火消は80人必要
  • だが精鋭は30人いればよい。初動の30人で火事消火の7割は決まる

しかし問題は金。鳶80人を雇うには本来240両以上かかる。
ところが源吾の使えるのは、再建費200両と左門が別途用立ててくれた30両を合わせた230両。

そこで活躍するのが、源吾の妻・深雪
彼女は驚異的な算術と交渉力で、283両の見積もりを155両まで値切ります。
なぜ彼女がそこまで金勘定に強いのか――それも、物語の重要な鍵となっていきます。

“ぼろ鳶組” 再生の物語—仲間たちとの出会い

こうして、金の手立てがついた新庄藩火消組の頭取・源吾と副頭取・新之助は、
火消しに絶対に必要な人材—— 壊し手、纏持ち、風読み 等 を “訳ありの男たち”から見出し、
寄せ集めの火消組「ぼろ鳶組」を作り上げていくのです。

夢破れたり、虐げられた経験を持つ者たちが、火事場で命を預け合い、信頼と誇りを取り戻していく。
それぞれのメンバーの経緯が、群像劇として明らかになっていきます。

そして、その過程で、

  • 嫁・深雪との出会い
  • 源吾がなぜ炎を恐れるようになったのか
  • 源吾の師とは
  • 長谷川平蔵との出会い
  • 狐火の陰謀

などが、少しずつ明らかになっていきます。
底には、悲しい過去や、政治を巻き込む陰謀が混ざりあり、物語を深く、かつ面白くしています。

【小説 VS アニメ比較】アニメ1話目を見て——

2026年1月から放送が始まったアニメ『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』。
第1話を観て感じたのは――火事場の迫力は、間違いなくアニメの強みです。

ただ、その一方で、どうしても避けられないのが「省略」。
アニメという尺のある表現では、

  • 物語の“骨格”になる部分
  • 史実・歴史背景
  • 登場人物の心の揺れ

などが、どうしても簡略化されます。
けれど――ここを知っているかどうかで、『火喰鳥』の見え方・深さは変わります。

只今、以下の通り、格安で楽しむことが可能。

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アニメで世界観に火がついた今、原作小説でその奥行きと人間ドラマを知る。
これほど贅沢な楽しみ方はありません。

小説:羽州ぼろ鳶組 (全11巻)
コミック:火喰鳥 羽州ぼろ鳶組

『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』主要登場人物一覧

名前立場・肩書人物像・能力物語における役割
松永 源吾元・江戸定火消頭取
新庄藩火消頭取
「火喰鳥」と恐れられた伝説の火消。
風と炎を読む達人。
右脚に故障を抱える
物語の主人公。
崩壊した新庄藩火消を再建し、“命を守る火消”を取り戻そうとする
鳥越 新之助新庄藩火消役人異常な記憶力を持つ。
気弱だが芯が強い
父の死の謎と藩の闇に迫っていく存在
松永 深雪(みゆき)源吾の嫁しっかり者で倹約家。
金勘定に強い。
資金面で火消組に貢献
折下 左門出羽新庄藩武士普段は慎重だが熱血漢火消組再建のため源吾を口説き落とす
北条 六右衛門新庄藩筆頭家老藩主13歳につき、政務を仕切る莫大な借金を抱えた反省の改革推進者
寅次郎元・怪力の力士怪力の持ち主
マメで優しい
火消の「壊し手」
彦弥(ひこや)江戸一の軽業師驚異の跳躍力
空を飛ぶような身のこなし
火消の「纏持ち」
加持 星十郎本職天文学者異国の血を引く赤毛火消の「風読み」
加持 孫一(親爺)火消の風読み(故人)天文学の天才
風と天候を読む
源吾の師。
火消に“理”を与えた人物
長谷川平蔵火付盗賊改方頭鬼の平蔵老中・田沼意次と通じる

『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』が“刺さる”理由

火事場の凄烈な迫力、江戸の町の息づかい、個性豊かな登場人物たち、そして一気読み必至の物語の推進力。
火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』は、それが高次で重なりあい、読者を物語の中心へ引きずり込んでくる”読ませる小説“です。

過去を抱えた男たちが再び立ち上がる物語

とりわけ心をつかまれるのは、ぼろ鳶組の面々が背負う「過去」とそこからの「再生」です。

彼らは皆、かつて社会の片隅に追いやられたり、誇りを失ったり、夢を諦めたりなど、後悔を抱えてきた人々。
そんな彼らが、源吾という男のもとで再び立ち上がり、“仲間”として新たな居場所を得ていく姿は、胸にじんと響く。

読み進めるほどに、彼らの再生が、「自分の居場所を見つけたい」「もう一度輝きたい」 と願う現代の私たちとも重なり、自然と彼らの活躍を応援したくなります。

五感を揺さぶる、圧倒的な火事描写

そして圧巻なのが、火事の描写です。
炎のうねり、爆ぜる木の音、煙にむせる喉、半鐘の響き、逃げ惑う人々――。
活字で読んでいるはずなのに、映像と音と熱が立ち上がり、没入しながら物語を楽しめます。

そこに今村翔吾さんならではの歴史的厚みが加わります。
江戸の火消の実像、町人文化、藩と幕府の力学――。
史実に裏打ちされた世界観が物語に深みと説得力を与え、「面白い」だけでは終わらない読後感があります。

なぜ、『イクサガミ』より心に残るのか

私は、Netflixで世界的ヒットとなった『イクサガミ』よりも、『火喰鳥』のほうが強く心に残りました。
その理由は明快です。
剣戟の”細かな所作や達人同士の間合い”よりも、
炎に呑まれていく江戸の町のほうが、活字から圧倒的な“映像”が立ち上がってくるからです。

構え、間合い、太刀筋――などの剣の動きは、ときに読み手の想像力を試します。
理解しようとするほど、文章を「解釈」する読書になってしまう。
シーンを脳裏によみがえらせようとするするほどに、物語への没入感がそがれる… 『イクサガミ』はこれに苦しみました。

しかし火事は違います。
赤くうねる炎、崩れ落ちる家屋、火の粉に染まる夜空、逃げ惑う人々の叫び——
「燃える」「逃げる」「助けを求める」という恐怖と混乱が、文字からでも鮮烈なイメージとして容易に浮かび上がるのです。

そして『火喰鳥』の火事場には、
「人を救うのだ」という熱い魂を抱いて炎へ飛び込んでいく者たちの魂が重なります。
だからこの物語は、説明を超えて読者の胸にまっすぐ届き、深く残るのだと思います。

最後に:江戸の熱気を、いま体感しよう

2026年1月からアニメ放送も始まり、『火喰鳥』はいま、まさに読むなら最高のタイミングを迎えています。

熱い人間ドラマ。
魂を揺さぶる火事場。
そして、再び立ち上がる男たちの物語。

『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』は、「胸が熱くなる読書体験」を求めるすべての人に、おすすめできる一冊です。
アニメでビジュアル、原作小説で史実とより深い人間ドラマ。
両面から楽しんでみてください。

小説:羽州ぼろ鳶組 (全11巻)
コミック:火喰鳥 羽州ぼろ鳶組

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