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【書評/要約】コスパの経済学 (浅見陽輔) 誰も教えてくれない「正しいお金と時間の使い方」がわかる本

【書評/要約】コスパの経済学 (浅見陽輔) お金と時間の使い方がわかる本。幸せのつかみ方が明らかに!
コスパの経済学」要約・感想
  • コスパは安ければいいというものではない。コスパに大事な観点は「満足度」。これを制しないと、本末転倒に
  • コスパの経済学』は、うまく説明できない「料金と満足度の関係」を明文化「実生活にどう活かすか」、「お金と時間をどう使うか」、人生のコスパ&タイパを高める戦略をわかりやすく提示
  • コスパ戦略上、大事な経済理論は、❶限界効用選識の法則、❷情報の非対称性、❸比較優位の原則。この3つで、「お金と時間の使い方」がクリアに見える

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目次

『コスパの経済学』ってどんな本?

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コストパフォーマンス、略してコスパ

コスパは「料金」「労力」に対する「満足度」を図る軸です。。しかし、多くの人は、「料金と満足度の関係」を言葉で説明できるほど、明確に理解していません。また、タイパ(タイムパフォーマンス)も考慮すべきですが、これらを総合的に考えて、コスパ・タイパのよい選択・行動ができているとは言えません。

浅見陽輔さんの『コスパの経済学』は、料金/労力に対して、満足度がどのように影響するかを教えてくれる1冊。そのうえで、「実生活にどう活かすか」、「お金と時間をどう使うか」、人生のコスパ&タイパを高める戦略をわかりやすく提示してくれます。

あなたの人生を導いてくれるのは、3つの経済理論を提示。理論と言われると難しそうですが、実は簡単な「使える経済学」を教えてくれます。

  • 限界効用逓減の法則:「量と幸せ」を考える理論
  • 情報の非対称性  :「情報里価格」を考える理論
  • 比較優位の原則  :「全体の生産性」を考える理論

本作では、これをもとに、タイパ戦略も教えてくれます。

お金と時間の使い方」が明確になると、必然的に、成功や幸せが近づきます。行動指針が見えてくる、そんな1冊です。

こんな方におすすめ
  • お金の使い方、時間の使い方を最大化したい方
  • 商品の選択肢があるとき、どれを買ったらいいかわからない方。なんとなく選んでいる方
  • 収入を増やすために、とにかくスキルアップをしなくてはと思っている方

限界効用逓減の法則:「モノの量」と「幸せ」

限界効用逓減の法則:「モノの量」と「幸せ」

限界効用選識の法則は、「量と幸せ」を考える理論です。モノが多いほど、幸せを感じますが、ある量を超えてしまうと、量が増えても満足度が高まらないという理論です。

この理論が示すのは、幸せを追求するには、コスパ(単価を下げる)より満足度が大事と言うことです。

缶ビールは135ml缶を買え

私たちは、コスパを気にして「大袋/大缶」を買います。

しかし、これ。本当にコスパのよい買い物をしていると言えるでしょうか?例えばビール。最初の一口の満足度は高くても、ビール量と満足度は高まらなくなります。この関係を示すのが、「量と満足度」の関係を表した限界効用逓減グラフです。これが示すのは次のこと。

  • 0ml~135mlのゾーン:満足度が上がりやすい
  • 350ml~500mlのゾーン:満足度が上がりにくい

基本的に、どんな買い物でも、容量が多いほど単価が下がり、コスパはよさそうです。しかし、満足度も加味するなら、ミニ缶を買った方がコスパがよく、実際にかかる費用も安く済みます。さらに、食品なら肥満防止にもなります。「単価」に騙されない購買行動をとることが大事です。

この法則を実生活に役立てるヒント

大事なのは、「値段だけで損得を決めない」ことです。「満足度」上げる消費に切り替えましょう。

  • 食べ放題では、「自分の好きなもの」を選ぶ
    • お金だけを考えるなら、原価率の高いモノだけ食べればいい
    • 原価率が低くなっても、自分が好きなものを一口ずつ食べた方が満足度は高い
  • モノを買うとき、「中間価格帯」を選ぶと失敗しにくい
    • 価格を意識し、低価格帯を選ぶと、満足度は上がらない
    • 高価格帯を選んでも、費用増分に見合う満足度は上がらない
  • 年収が一定額以上になったら、あえて仕事量をセーブすることで、より幸せになれる
    • 年収の満足度は800~1,000万円を超えると上がりにくいことは、様々な満足度調査から明らか
    • 仕事量をセーブし、「仕事以外の時間」に目を向けた方が、満足度が上がる可能性が高い

なお、「趣味」はこだわりの世界。コスパを考えるとつまらなくなります。以下の戦略がベターです。

  • 続けられるか不明⇒まずは、低価格帯商品でず試す
  • やっていて本気で続けられそう⇒思い切って高価格帯商品に切り替える

情報の非対称性:騙されないために

情報の非対称性  :「情報里価格」を考える理論

情報の非対称性は。「情報里価格」を考える理論です。消費者であるあなたは常に不利な立場にあります。

買い手側は、情報量が少ないことににより不利益を被る場合があるからこそ、正しい判断力が必要です。

この法則を実生活に役立てるヒント

  • 誰かに商品をオススメされたとき
    • 売る側は、手数料収入を得るためだけに商品を紹介しているかもしれない
    • 「これを買うと、目の前の人(売る側)が得をするか?」を判断基準にする
    • 「利害関係のないプロ」から得られる情報が最も信頼できる
  • 目利きができない高額商品”には、手を出さない
    • 特に中古市場は危険。高額な買い物ほど、リスクが顕在化した際のリカバリーが難しい
  • 保険は、自分のリスクに見合った価格かどうか考える
    • 保険は「不幸の宝くじ」。健康を害する確率が高い人は、加入が合理的な選択
    • ただし、健康リスクが高い人の加入が多いため、保険料も高くなる
    • さらに、保険加入への安心が、日ごろからの健康意識を低下させる問題も孕む
    • 日ごろから健康に気を付けるのが最も安上がり

比較優位の原則:自分を「商品」として考える

比較優位の原則は、「全体の生産性」を考える理論です。ここでは、自分を「商品=労働力」として見て、「自分の“労働市場における価値”を高めるためには、どうすれば良いか?」 を、経済学的な観点から考えます。

「完璧」でなくても、自分の価値は高められる

【比較優位の原則】は、国家間貿易の理論です。自由貿易の下では、自国が生産している財の中で比較して得意 (優位)なものを輸出して、不得意 (劣位)なものを輸入したほうが、自国にとって有利な貿易を行うことができるという原則です。

この法則は、個人にも当てはまります。「自分の中で得意なこと」を行うことが効率的。たとえ、その能力が他者より劣っていたとしても、個々人が得意なことに集中した方が個の価値は高まり、全体としても価値が高まります。

この法則を実生活に役立てるヒント

  • 「得意なこと」は、ナンバーワンである必要はない
    • 人と比較せず、自分の能力を比べる
  • 得意なことが見つからない人は、まず「好き」に目を向ける
    • 最初は“下手の横好き”でも、続けるうちに”得意”に変わっていく
    • 得意を使える場所を探す
  • 好きなことが見つからない人は、まず手数を増やす
    • 少しでも興味を持てそうなモノはとりあえず手を出してみて、続けられそうか判断する

コスパ&タイパ戦略:お金と時間の使い方

人生は「タイパ」だけ考えても、幸せにはなれません。タイパ、つまり時間の使い方も考える必要があります。

お金で「タイパ」も制する

お金で得られる効用は、❶幸せ、 ❷スキル・経験、 ❸時間、❹情報 があり、1つが欠けても「人生のコスパの最適化」は叶いません。ただし、最も大事なのは「❸時間」です。

優先順位は 【❸ 時間 >❹ 情報 > ❶ 幸せ= ❷ スキル・経験】

ある程度の「時間」を得たら、次に人生にとってプラスとなる「情報」を得、その後、「幸せ」や「スキル・経験」を追い求めていく…… これが、“人生のコスパ”を最適化するためのロードマップです。

  • 日常生活で幸せを感じることが少なく、
  • 仕事や副業、趣味などを通じてスキル・経験が得られておらず、
  • 常に時間に追われており、
  • 人生で必要な情報が得られていない

こんな人は、とにかく「時間をつくる」ことからです。ビジネスマンは❷のスキル・経験から着手しがちですが、これは間違い。どのようにスキルアップするかは、まず時間に余裕ができてから考えればいいのです。

4つの効用のポイント

  • 幸せ
    • 「自分はコレで満足できる」というラインを超えて、無理に求める必要はない【限界効用逓減の法則】
    • 満足ラインが引き上がると、満足しにくい体質に…
    • 収入が増えた時に、むやみに高価なものに手を出さない。
  • スキルと経験
    • お金を得るためのベース
    • 増えた収入でゼイタクを求めず、「スキルと経験」「金融商品」に投資すべし
  • 時間
    • まず最初に、「時間をつくる」ことが大事
    • 「自由に使える時間を増やしたい」悩みは、ある程度お金の力で解決できる
    • 身の回りのことをすべて自力でやろうとしては、いつまでたっても「毎日が忙しすぎて、スキルを磨く・活かす時間ができない」
    • 時短家電などへの自己投資で、「自分が得意なこと」にかけられる時間を増やせる【比較優位】
  • 情報
    • 情報への投資(学ぶこと)は、①判断コストを下げる、②情報集約コストを下げる 効果がある
    • 以下を優先的に学ぶとよい
      • 税金など、知っておくだけで得する情報
      • 知らなくても生きていけるけど、知らないと損する情報

コスパの高い「時間への投資」

コスパの高い「時間への投資」

世の中には、とにかく「お金を使うことを嫌う」人がいます。しかし、それはコスパがいい生き方とは言えません。

例えば、毎日1時間かかっていた家事が、時短家電の力を使って10分で済むようになるとどうなるか?
家電の寿命が10年なら、得られる時間は、50分×365日×10年=3,041時間 =126日 

家電への投資で、10年で126日の時間が生み出されます。この時間を「得意でない=やりたくない家事」をやめて、「好きなこと、得意なこと」に振るわけるべきです。

時間を生み出す以下のような商品は、積極的に導入を検討すべきです。Amazonの売れ筋ランキングを掲載しておきます。売れているものは相対的にコスパも良いです。

コスパの高い「情報への投資」

時間に余裕ができてきたら、次にすべきは「情報への投資」です。コスパの高い情報は以下の通り。

  • 「健康」に関する勉強
  • 「仕事」で必要な勉強
  • 「税金」の勉強
    • どんなビジネスよりも確実かつリスクゼロで、自由なお金を増やす方法が、「税金を減らす」こと
    • 「収入を増やす」「儲ける」より、「支出/税金を減らす」方が簡単で成功確率が高い
  • 「金融資産投資」に関する勉強

最後に

今回は、浅見陽輔さんの『コスパの経済学』からの学びを紹介しました。

本記事では要点のみにとどまりますが、本書を読むと、より「自分のお金と時間の使い方」が明確になるはずです。

是非、本書を手に取り読んでみてください。

以下の本も、合わせて読んでみることをおすすめします。以下は、「リスパ=リスクパフォーマンス」に関する学びが得られます。「コスパ・タイパ・リスパ」の3つを意識すると、さらに、人生の成功・幸せが手に入りやすくなるはずですから。

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