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【書評/要約】認知症世界の歩き方(筧裕介) 認知症の人にはこう見えている。介護だけでなく、”未来の自分”のために読むべき超良書!

【書評/要約】認知症世界の歩き方(筧裕介) 認知症の人にはこう見えている。介護だけでなく、"未来の自分"のために読むべき超良書!
認知症世界の歩き方」要約・感想
  • 認知症の人は「別の世界」を生きている
    認知症を「病気」ではなく、「本人にそう見えている世界」として描く。記憶や時間、空間、人の認識が変化した世界をガイドブックのようにわかりやすく解説。当事者の戸惑いや不安を実感でき、将来の自分にも役立つ視点が得られる。
  • 「困った行動」には必ず理由がある
     同じ質問、徘徊、被害の訴えなどは、わがままではなく、記憶の欠落や感覚の混乱から生まれる必然的な行動。行動の背景を知ることで、見方や対応が大きく変わる。
  • 正しさより「安心」。接し方がわかる
    正論で訂正するより、気持ちに寄り添うことが大切。共感を軸にした関わり方は、本人の安心感を高め、信頼関係を守ると同時に、介護する側の負担も軽くしてくれる。

★★★★★ Audible聴き放題対象本

目次

『認知症世界の歩き方』ってどんな本?

著:筧裕介, 監修:認知症未来共創ハブほか

📢 Audible聴き放題は3月16日まで

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認知症は、「いつか自分や家族が直面するかもしれない問題」です。

けれど私たちは、実際のところ—— 👉 本人がどんな世界を生きているのかを、ほとんど知りません。

本やネットには、医療や介護の視点から書かれた情報はたくさんあります。
しかし、「本人の目には、世界がどう見えているのか」「何に苦しみ戸惑っているか」を、丁寧に描いた本は、ほとんどありません。

「なぜ同じ話を何度もするのか」
「なぜ突然怒るのか」
「なぜ嫌がるのか」

その多くは、周囲から見ると“不可解な行動”にしか見えません。

認知症世界の歩き方』は、そうしたも問題に真正面から向き合い、
とにかく“本人の視点”で認知症を理解できることを目指してつくられた一冊です。

読むほどに、まるで本人の頭の中をのぞいているように、「なるほど、だからそうなるのか」と腑に落ちていきます。

重たいテーマでありながら、戸惑いながら進む旅行記風にやさしく書かれています。
楽しみながら学べるのも大きな魅力です。

本書からわかる、3つの大切なこと

認知症の人は「別の世界」を生きている

本書では、難しい専門用語はほとんど使われません。
代わりに、「本人にはこう感じられている世界」として描きます。

たとえば——

  • 記憶が消えていく世界 → やったことが途中で抜け落ちてしまう
  • さまよう世界 → 目的や道がわからなくなる
  • 人がわからなくなる世界 → 顔と記憶が結びつかない
  • 簡単なことが難しくなる世界 → 感覚や動作が乱れ、思うように動けない
  • 時間・空間がわからなくなる世界 → 時間感覚や距離感がつかめない

これらはすべて、約100人もの当事者への取材をもとに描かれています。
だからこそ、

  • 何がつらいのか
  • 何が怖いのか
  • 何に困っているのか

が、リアル、かつ、具体的に伝わってきます。

私自身にとって、とりわけ印象に残ったのは「言語にまつわるトラブル」でした。

抽象的な言葉や記号が示す意味を思い浮かべられなくなること。
固有名詞を目にしても、その背景やイメージが結びつかないこと。
さらに、文法や複数の単語の組み合わせが理解できないこと。
そして何より、自分の意思や感情をうまく言葉にできなくなること。

本書ではほかにも、「記憶のトラブル」「五感のトラブル」「時間・空間のトラブル」など、
加齢で認知や感覚が崩れて何が起こるのか、「将来の自分事」として知っておくべきことが多数紹介されています。

「困った行動」にも、必ず理由がある

介護の現場ではく、
同じ質問を何度も繰り返す/「盗まれた」と訴える/目的もなく歩き回る/些細なことで怒り出す
といった行動が「問題行動」とされがちです。

しかし本書は、はっきりと伝えます—— どんな行動にも、必ず理由がある。

本人の立場に立てば、それは「混乱した世界の中で、必死に自分を守ろうとする行動」です。

たとえば、「財布を盗まれた」という訴え。
「失くした理由がわからない」→「自分が失くすはずがない。ならば、誰かが取ったに違いない。」
「記憶の欠落」と「理由づけ」が結びついた結果、「盗まれた」と自然に考えたにすぎません。

これは異常ではなく、記憶の空白を埋めるための、ごく普通の思考です。
この「認知症の世界の仕組み」を知るだけで、見え方は大きく変わります。

「正しさ」より「安心」を大切にする

認知症の人は…
❌ 現実を歪めている → ×
⭕ 別の現実を生きている → ○

その人の世界の中では、すべてが筋が通っています。

だからこそ大切なのは、「正論で訂正」するのではなく、「気持ちに寄り添う」こと

具体的には——
❌ 「何回言えばわかるの」「さっき食べたでしょ」→ こうした言葉は、不安と混乱を強めるだけ。
⭕「そうだったんですね」「一緒に確認しましょうか」→ 共感し寄り添うことで、信頼関係は保たれます。

本書では、こうした対応のコツが、イラストと物語でわかりやすく解説されています。

この本から得られる3つの大きな学び

不可解行動が「理解できるもの」になる

これまで不可解だった行動が、「そう見えていたから、そうしたのか」と理解できるようになります。
理解できると、イライラも不安も、自然と減っていきます。

「できない」より「できる環境」をつくる

たとえば買い物。
❌ もう行かせない
⭕ 工夫して続けられるようにする

リストを作る、見える場所に置く、収納を工夫する——少しの工夫で、生活は大きく変わります。
これは「制限」ではなく、尊厳を守る支援です。

共感が、人間関係を変える

私が本書から受け取った本書最大のメッセージは、👉 理解しようとする姿勢が、安心を生む ということ。

本人は「説明できない苦しさ」を抱え、周囲は「わからないもどかしさ」を抱えています。
その溝を埋めるのが、想像力と共感です。
相手の世界に合わせて接すれば、トラブルは減り、介護者の負担が軽くなります。

これは、すべての人間関係にも通じる大事な考え方です。

最後に|「共に生きる」ための一冊

『認知症世界の歩き方』は、介護本でも、医学書でもなく👉 「人として向き合うためのガイドブック」。

本書が教えてくれるのは、「どう支えるか」以前に、 「どう向き合うか」とう姿勢。
認知症の世界を、「知らない世界」から「想像できる世界」へ変えてくれる一冊です。

家族のために。そして、将来の自分のために。

ぜひ一度、手に取ってほしい本です。

著:筧裕介, 監修:認知症未来共創ハブほか

いつでも解約可能

上述した通り、Audible聴き放題は3月16日まで。
これまでの経験から、支持される良い本ほど、Audible読み放題期間は限定される傾向があります。
是非、このチャンスをお見逃しなく。

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