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【書評/要約】らく速読(ヨンソ) 脳科学的に正しい「がんばることを手放す」速読術。脳のリソースの無駄遣いをやめる簡単な方法とはー

【書評/要約】らく速読(ヨンソ) 脳科学的に正しい「がんばることを手放す」速読術。脳のリソースの無駄遣いをやめる簡単な方法とはー
らく速読」要約・感想
  • 「らく速読」は、脳科学的に正しい「がんばることを手放す」読書術
  • 多くの人がやりがちな黙読(脳内で文字を音声化して理解)は脳に負荷が大きい。集中して読書するとさらに脳に負荷。結果、脳のリソースが無駄に使われ、結果的に、集中して読書したつもりが、覚えていない結果となる
  • らく速読は、❶「体」「心」「目」をほぐす×❷「視読」でリラックスして読書。五感をフル活動でさせることで、右脳を活性化して、、読書のスピードアップを実現する

★★★★★ Kindle Unlimited読み放題対象本 Audible聴き放題対象本

目次

『らく速読』ってどんな本?

Kindle Unlimited対象本

これまで、何冊の速読本を読んできただろうかー。それでも、速読本を手に取るのは、何か一つは気づきがあって、私の読書スピードを高めることに役に立っているからです。つまり私のスピード読書は我流。いろんな本の自分に合ったところだけを取り入れて、スピード読書に役立てています。

今回、手に取ったのは、速読スクールを運営するヨンソさんの『らく速読』。

表紙の装丁もゆるめですが、本作で紹介する速読術も、「がんばることを手放す」のがポイント。集中して文字だけを追う読み方は脳への負荷が大きい。そこで、脳に負荷をかける読書をやめて、脳の使い方をシンプルにすることで、脳を活性化して読むのがミソです脳をリラックスさせ、脳の情報処理効率を図ることで、読書のスピードアップを実現します。

おそらく、速読本を手に取っている方は、自己研鑽に熱心な方。過去にも、別の速読法を試してみて、挫折してしまった経験がある方も多いでしょう。

では、なぜ、これまでうまくいかなかったのかー

それは、あなたが「がんばりすぎていた」からです。ヨンソさんは、「がんばりすぎ」は速読ができない一番の原因だといいます。

らく速読の理屈は非常にシンプルです。本の表紙にある「世界一カンタン」という文言には疑問符「?」ですが、「ふむ🤔なるほど」と思える気づきがある本でした。読書スピードを高めたい方には、おすすめです。

こんな方におすすめ
  • 読書量を無理なく増やしたい方
  • 過去、速読術に取り組むも、挫折してきた方

らく速読とは

らく速読とは

早く読む、基本の理屈

どんな速読法に限らず、本を早く読むには、以下の2つのマスターが必要です。

  • 【目】速く視る
  • 【脳】速くわかる

速読というと【目】の訓練だけにフォーカスしがちですが、【脳】で理解できないと意味がない。「集中して丁寧に読んだはずが、頭に残っていない」という残念読書は【脳】の処理の問題です。

まずは、この2段階があることを理解することが大事。「らく速読」は【目】【脳】の使い方を改善し、さらに【体】をリラックスさせることで速読を図ります。

【目】読むスピードを上げるのは「音読」でなく「視読」

私たちは本を読むとき、声に出さなくても、頭の中で「音声化」して読むのがクセになっています。この「音読」が、読書スピードが上がらない大きな原因です。

早く読むために必要ななのは「視読」。「視読」は、その漢字通り、文字を読まずに、文字そのものを「視る」だけの読み方です。パッと見てわかってしまう読書です。

「視読」のイメージは、街中で看板を見かけたとき、わざわざ音声化しなくても一瞬で「マクドナルドだ」「スターバックスだ」と脳が意味を理解する感覚です。この方法で、「文字を音に変換する」という工程が省かれるので、読書が早くなります。

【脳】「集中読書」は脳に多大な負荷。記憶力低下を引き起こす

なぜ集中して読んだのに、内容が頭に残らないかー。それは、脳には記憶限界があるからです。

脳は得た情報を一時的に「ワーキングメモリ」に保持します。その記憶保持には上限があり、容量を超えて覚えることはできません。つまり、集中して読もうが、いい加減に読もうが、ワーキングメモリの容量以上は記憶できないのです。

さらに、訓練ををしていない人が集中して読書するときは必然的に「音読」です。文章を「音」に変換するので、その分、ワーキングメモリを過剰消費します。

つまり、「覚えようとして集中読書」することが、逆に脳にメモリ不足を引き起こさせるのです。これは、スマホでアプリを多数起動させて、動きが遅くなったり、固まったりするのと同じです。脳内が情報過多になると、脳疲労が蓄積し、さらに読書スピードを遅らせます。

では、どうすればいいのかー。集中状態の反対、「リラックス状態」で読めばいいのです。リラックスで脳への負荷が軽減し、視野でとらえた文字の意味を高速で理解できるようになります。さらに、直感が働きやすくなるので、文字を音声化しなくても「先読み」して早く読めるようになります。

【らく速読】「体」「心」「目」をほぐして読書する

「らく速読」でが、リラックス状態を作り出すために「体」「心」「目」をほぐすメソッドを使います。

  • 体をほぐす(背中や肩まわりの筋肉をほぐす体操、自律神経を副交感神経優位へと導く腹圧調整
  • 心をほぐす(オープンマインド・リーディング)
  • 目をほぐす(眼筋ストレッチ、高速パラパラ、非音声化リーディング)

「体をほぐす」のが先なのは、心と体は密接につながっているためです。心をリラックスさせるには、まず体をリラックスさせる必要があります。本を読む前に、背中や肩まわりの筋肉をほぐすだけでも、脳への血流が増え、それだけで、読書スピードや理解度は上がります。

以下では、❷について紹介します。❶❸については、図付きで解説されているので、そちらを確認ください。

【実践】オープンマインド・リーディング

オープンマインド・リーディングとは、「左脳のブレーキを解除して、右脳のアクセルを踏む」読み方です。

音読グセのある方は、脳全体負担をかけて読んでいます。思考ノイズや脳疲労が邪魔をして、右脳が閉ざされています。オープンマインド・リーディングでは、閉ざされた右脳を「開いて」、右脳の力を開花させます。

以下では、具体的な方法を見ていきます。

「らく速読」は脳の全体を刺激して読む

オープンマインド・リーディングでは、脳を構成する4つの部位(前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉)に同時に刺激を与えることで、脳全体を活性化。従来の左脳寄りで脳の負荷が大きい読書から、右脳中心の無駄を省いたシンプルな読書法に切り替えることを目指します。

刺激を与える部位方法
視覚を司る「後頭葉」⓪(準備)眼筋ストレッチ、高速パラパラ
「視読」非音声化リーディング
空間把握を司る「頭頂葉」❷本のページ全体を視野に入れて読む
❸読書している部屋(風景) 全体を意識しながら読む
聴覚を司る「側頭葉」❹聞こえる音に耳を傾けながら読む
ミュニケーションや記憶力などを司る「前頭葉」❺会話しながら読む
❻ひとりごとを言いながら読む
触覚や嗅覚、味覚などを司る脳の深部❼衣服や気温、においや味に注意を向けながら読む

上記方法で、五感をフルに使いながら読書すると右脳が活性化します。すると、左脳寄りの読書でありがちな「思考ノイズ」が沈静化。結果、脳メモリーが解放されて脳負荷が減り、リラックス状態(ある種の「瞑想状態」)で読むことができます。

最新の脳科学の研究で、脳が瞑想状態(脳波がリラックスしているときに示すシータ波の状態)になると、情報処理の効率が上がり、高速で入ってくる情報を無理なくキャッチできるようになると報告されています。

⓪、❶~❼の具体的な方法が図付きで丁寧に解説されています。

多少の訓練は必要。ただし、「気楽にがんばらない」で実践

上記方法を見て、本以外に意識を分散させると、読書の質が落ちるのではないか?と疑念を抱いたかもしれません。

しかし、「左脳への過度な集中で負荷をかけすぎない」のが「らく速読」のポイント。あえて、意識を軽く分散させ、五感で右脳を刺激するが狙いです。

例えば、喫茶店は騒々しいはずが、読書が進みますよね。知らず知らず、聴覚(雑音)と嗅覚(コーヒーの香り)、空間把握(ちょっとだけ周りが気になる)などが働いて、「らく速読」を実践しているのです。

1つずつ意識して実践すれば、無意識で複数を同時並行で行えるようになります。合言葉は、「気楽に」「テキトーに」「がんばらない」です。(⓪は別途、訓練が必要)

【上級編】メタ認知で読む

ヨンソさんは、オープンマインド・リーディングを実践すると、「メタ認知」で本を読んでいる感覚があると言います。本のみに意識を集中させるのではなく、「認知している自分を俯瞰的に見る」感じ。「もう一人の自分が、読書をしている自分を見ている」イメージです。

このような「メタ認知読み」をすると、おのずと自分自身や世界を見る目が俯瞰的になってくると言います。

これは、右脳的な感覚なので、実践によって感覚をつかむしかありませんが、反対にいうと、この感覚がつかめたとき、あなたは右脳を活用した読書ができていることになります。

私は、今までこのような感覚を持って、読書をしたことはありありませんでした。ちょっと実践して、マスターしたいと思います。

最後に

今回は、ヨンソさんの『らく速読』のポイントを紹介しました。

私は、Kindle UnlimitedAudibleなど本の読み放題サービスを利用するようになって、各段に読書スピードが上がりました。その理由の一つが、「この本、自分とフィーリングが合わない」と思ったら、さっさと読書を中断するからです。

自分に合わない本はストレス。これは、「らく速読」の最も大事な合言葉「気楽に」「テキトーに」「がんばらない」に反します。しかし、1冊1冊購入すると「元を取りたい」という欲深さが邪魔をして、読んでしまいがちです。

本選びで失敗していては、「らく速読」以前の段階で失敗しています。まだ、本のサブスク読み放題の魅力を味わったことがない方は、試してみて下さい。はじめてなら超格安で試せます。

ちなみに『らく速読』はKindle Unlimited対象です。

どちらがいいか判断突かない方は、以下も合わせて確認を!

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