いい本との出会いを応援!

【書評/あらすじ】刑事葛城 正義の銃弾(中山七里)|9/3発売!新警察ミステリーシリーズが始動。過去作にも登場の”葛城公彦”が事件を追う

【書評/あらすじ】刑事葛城 正義の銃弾(中山七里)|9/3発売!新警察ミステリーシリーズが始動。過去作にも登場の”葛城公彦”が事件を追う
刑事葛城 正義の銃弾」あらすじ・感想
  • 中山七里、新シリーズが始動!
    新主人公・葛城公彦。派手な推理や捜査で犯人を追い詰めるタイプではなく、柔らかな物腰で相手の言葉から違和感を拾い、じわじわと真相に迫る。実は過去作でも登場!ファンにとっては嬉しい再会。
  • 犯人が分かっていても面白い「倒叙ミステリー」
    歌舞伎町の銃撃戦で起きた警察官射殺事件。犯人は序盤で明らかとなり、そこから「なぜ犯行に至ったのか」を追う展開。物的証拠の乏しい事件を葛城がどう解き明かすのかが見どころ。

★★★★☆ Audible聴き放題対象本

目次

『刑事葛城 正義の銃弾』ってどんな本?

【Audible】30日間体験無料 ※いつでも解約可

中山七里さんの新たな警察ミステリーシリーズが始動!

刑事葛城 正義の銃弾』は、暴力団と匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる「トクリュウ」が歌舞伎町で銃撃戦を繰り広げるという、衝撃的な場面から幕を開けます。

中心となるのは、タイトルにも名を冠する警視庁捜査一課の刑事・葛城公彦
実は彼は本作が初登場ではありません。

静おばあちゃんにおまかせ」「TAS 特別師弟捜査員」では主要人物として活躍し、刑事犬養隼人 シリーズの「ドクター・デスの遺産」などでも脇役として存在感を示してきました。

これまで中山七里作品を読んできたファンにとっては、「あの葛城が、主役として帰ってきた!」という嬉しい再会となります。

葛城は、「凄腕刑事」タイプではありません。
平凡な外見に柔らかな物腰。何気ない会話の端々から相手の本音や違和感を拾い上げ、少しずつ真相へ迫っていく“人を見る刑事”で、その静かな観察力こそが、彼の最大の武器です。

中山七里作品の魅力の一つに、シリーズをまたいで人物や組織がゆるやかにつながっていく点がありますが、本作でも、中山七里作品ならではの“人物の再登場”は、ファンにとってはたまらないところです。

もちろん、中山七里作品を初めて読む方でも、単独で問題なく楽しめる構成です。

テンポの良い展開、緊迫感あふれる銃撃戦、そして「正義とは何か」という重いテーマ。

ミステリーとしての面白さはもちろん、読み終えたあとには事件だけでなく、人間の“正しさ”についても考えさせられる一冊です。

『刑事葛城 正義の銃弾』あらすじ

歌舞伎町で突然始まった、暴力団とトクリュウによる抗争。
新宿署の女性刑事・紅島雛多も現場に投入されますが、そこは日常の捜査とはまったく異なる“戦場”でした。

どこから弾が飛んでくるかわからない。
防犯カメラは破壊され、現場は混乱し、警察側の指揮系統も機能不全に陥る。
雛多自身も銃撃の恐怖にさらされながら、刑事として事件に向き合うべき使命と、生身の人間としての恐怖の狭間で揺れる。

その混乱のさなか、一人の男性警察官が額を撃ち抜かれて死亡。

状況だけを見れば、抗争に巻き込まれた殉職と判断するのが自然です。
捜査本部もその方向で処理しようとします。

しかし、その死にわずかな矛盾を見つけた人物がいた。それが、警視庁捜査一課の葛城公彦です。

あの銃撃戦で何が起きていたのか。
なぜ、彼は命を奪われなければならなかったのか。

戦場となった現場には犯人を特定できる物的証拠はほとんど残されていません。
暴力団やトクリュウのメンバーも混乱に紛れて逃走し、誰がどこへ消えたのかすら判然としない。

現場には、犯人を特定できる決定的な物的証拠が残されいない。
銃撃戦の混乱に乗じて逃走した暴力団やトクリュウのメンバーは、誰で、どこへ逃げたのかすら判然としない。

そんな中、葛城は銃撃戦を生き延びた紅島雛多と組み、事件の全体像を一から洗い直していくのです。

【感想】「犯人探し」だけでは終わらない警察ミステリー

序盤で犯人が分かる「倒叙ミステリー」

本作は、一般的な警察ミステリーのように「犯人は誰か」を追う物語ではありません。
というのも、物語の序盤で読者に犯人が明かされる“倒叙ミステリー”の形式を取っているからです。

実は本作では、序盤の段階で読者に犯人が明らかにされます。

犯人が分かっているのに面白いのは、
「なぜその犯行に至ったのか」
「事件が本当に意味するものは何か」
という核心へ向かう過程が、圧倒的にスリリングだからです。

なぜ、警官は射殺されるほど憎まれたのか。
犯人が抱えていた事情とは何だったのか。
物的証拠が乏しい状況で、葛城はどうやって真相へたどり着くのか。

“犯人当て”とは異なる角度から楽しめる、中山七里らしい心理ミステリーとなっています。

葛城公彦という「地味だけど、底が見えない刑事」

本作は、女性刑事・紅島の方がメインで進みます。
しかし、やっぱり、欠かせないのは、主人公・葛城公彦です。

警察小説の主人公といえば、
推理力抜群、行動力旺盛、犯人を追い詰め、上司にも物怖じせず、身体能力も高い——
そんな“ヒーロー型”を想像しがちです。

しかし、葛城はまったく違います。
平凡な外見、柔らかな物腰。 しかし、相手の言葉の端々に潜む矛盾を拾い上げ、静かに心理へ入り込んでいく。
自分がどこまで見抜かれているのか分からないからこそ、犯人にとっては怖い刑事なのです。

今後、彼がどんな事件と向き合うのか——シリーズの展開にも期待が高まります!

しかし葛城は違います。平凡な風貌で、柔らかな物腰です。
相手の話を聞きながら、言葉の端々にある矛盾を拾い上げ、相手の心理にじわじわと入り込んでいきます。

このタイプの刑事は、派手さこそありませんが、ある意味、非常に怖い存在です。
なぜなら、自分が何を見抜かれているのかわからないからです。

今後、彼がどんな事件に巡り合っていくのかにも注目です。

「普通の人」が一線を越える瞬間

タイトルにある「正義」。
言葉にするのは簡単ですが、実際には非常に難しい概念です。

自分にとっての正義が、他者にとっては悪になることがあります。
国家間の戦争も、互いが「自分たちの正義」を掲げて戦う構図がありますが、
そこでは、自分の国や家族を守るために相手を殺すことが、「正義」となり、
その中で人は簡単に一線を越えてしまいます。

そもそも、正義とは何なのでしょうか。
言葉にするのは簡単ですが、実際には非常に難しい概念です。
なぜなら、「正義」は誰にとっても同じものではないからです。

「正義だから許される」
この考えほど危ういものはないのかもしれません。
本作は、そんな“正義の危険性”を静かに突きつきつけてきます。

最後に

刑事葛城 正義の銃弾』は、葛城公彦という新たな刑事を軸に展開する、警察×心理ミステリーです。

トクリュウ、闇バイト、犯罪に手を染める人間の心理、正義と悪の境界——
社会と地続きのテーマが次々と立ち上がり、読み応えは十分です。

今後、本シリーズがどのように展開していくかにも注目!
サクサク、テンポよく読めるので、是非、あなたも楽しんでみてください。

Audibleなら発売したての本作が、聴き放題
利用がはじめてなら30日間無料✨利用しない手はありません。

※解約はいつでもOK

よかったらシェアしてね!

目次