- 営業×殺し屋という異色設定の頭脳戦エンタメ
営業マンが殺し屋に殺されそうになる間際、“営業”を仕掛け、命を守る――斬新すぎる設定で一気に物語に引き込む物語。第71回江戸川乱歩賞受賞、本屋大賞2026ノミネート。 - 営業スキルが“生死を分ける武器”に
殺し屋の物語なのに、ビジネス書のようなコミュ日ケーション戦略が随所に。損失回避・交渉術・ロジックなど、ビジネステクニックがそのまま命がけの駆け引きとして登場。 - テンポの良さの中にも人間ドラマ
ノンストップの展開と、空虚だった主人公が変わっていく人間ドラマが、高い完成度で絡む。
★★★★★ Audible聴き放題対象本
『殺し屋の営業術』ってどんな本?

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「営業」と「殺し屋」——
通常、交わるはずのない二つの職業が出会ったとき、物語はここまで面白くなる!
第71回江戸川乱歩賞受賞、さらに本屋大賞2026ノミネート。
ミステリーの枠を軽やかに飛び越えた“異色のエンタメ小説”が、『殺し屋の営業術』です。
乱歩賞受賞作と聞くと、重厚な犯罪ミステリーを想像するかもしれません。
しかし本作の武器は――銃でもトリックでもない。
本書の武器は——営業トーク。
「交渉」を武器にした頭脳戦。億単位の目標を達成できなければ、待っているのは“死”。
そんな極限状況の中で、主人公は状況分析を行い、相手を見極め、
プロの営業として“勝てる交渉”を組み立てていきます。
命のやり取りすら「商談」に変えてしまうその姿に、
読者は驚き、笑い、そして気づけばページをめくる手が止まらなくなる。
こんなミステリー、読んだことがない!そう思わせてくれる、実に面白い一冊です。
『殺し屋の営業術』あらすじ
主人公・鳥井一樹は、営業成績トップを誇る凄腕営業マン。
同僚の嫉妬を浴びながらも結果を出し続ける一方で、どこか満たされない日々を送っていました。
そんなある日。
ホームページ経由の依頼を受け、客先へ向かった鳥井は違和感を覚えます。
どこかおかしい空気。
それでも営業として交渉を進め、自宅に上がり込んだその先で目にしたのは――
バラバラ遺体のある殺人現場。
そして、目の前にいるのは依頼主ではなく――殺し屋。
後ろ手を縛られ、口封じに殺される寸前。
その極限状態で、鳥井は驚くべき一手を打ちます。
ここで私を殺してもあなたにメリットはありません。
それどころか、多大な損失を被ってしまう可能性があります。
絶体絶命の状況で彼が選んだのは、自分を殺させないための—— “営業”。
殺すことで失うもの。
殺し屋たちが、目的の資金を場合に、彼らの先に待つ破滅。
殺し屋たちが抱える資金問題を逆手に、最悪の未来を突きつける“ネガティブクロージング”で畳みかけ、
ついには「自分を雇え」と売り込む。
こうして、鳥井は、殺し屋組織の“営業”として働くことになる。
しかし、課された条件はあまりにも過酷。
「2週間で2億円を稼げ」達成できなければ、待っているのは——死。
こうして、営業力だけを武器に裏社会で稼ぐ、前代未聞の“命がけの営業”が幕を開けるのです——
『殺し屋の営業術』:感想・読みどころ
圧倒的に強い“掴み”
まず特筆すべきは、導入のインパクト。
「営業マンが殺し屋に営業する」という設定は、一見ネタっぽいですが、斬新。
しかも、その後の展開がさらに上を行く。
営業力なく、論理性に乏しい感情的な殺し屋 × プロ営業マン。
この関係が生み出す緊張感とユーモアが絶妙で、第一章から一気に引き込まれました。
物語全体を通じて、一難去ってまた一難。テンポよく展開し、読者を一切飽きさせません。
“営業”がここまでスリリングになるとは
本作最大の魅力は、「営業」の物語への仕込ませ方。
- ヒアリング
- 課題分析
- 提案
- クロージング
この一連の流れが、そのまま“命の駆け引き”になる点が、なんともユニーク。
殺し屋の物語なのに、ビジネス書のようなクロージング術が随所に登場します。
- ネガティブクロージング(損失回避の提示)
- 「それを選ぶと損をする」と未来のリスクを提示
- 👉 人は利益より損失を避ける(ダニエル・カーネマン)
- 問題の可視化
- 相手自身が気づいていない問題を言語化
- 👉 殺し屋が“稼げていない構造”を指摘
- 仮説提案型営業(解決策の提示)
- 解決策と成功イメージを提示
- 数字・ロジックによる説得
- 👉論理で攻勢に出、自分の価値を提示する
- 立場逆転の心理操作
- 心理戦で、効果的に相手を上げたり、下げたりする
- 👉 弱者から交渉主導側へ転じる(フレーミング)
ミステリーというより、“極上エンタメ”。
トリックや謎解きではなく、キャラクターと話の展開の面白さで、ぐいぐい読者を引き込みます。
主人公の変化が物語に深みを与える
もう一つの軸が、主人公・鳥井の内面。
優秀でありながら、どこか人生に空虚感を持ち、生きる意味を見出せなかった彼が、
命がけの営業という極限状態の中で“生きている実感”を得ていく。
そして、自身の才能が“別の形で開花してしまう”。
この変化が、物語を単なるジェットコースターエンタメに終わらせず、深みある人間ドラマにしています。
まとめ | これは間違いなく面白い
『殺し屋の営業術』は、「営業力で生き延びる、異端の頭脳戦エンタメ」。
「殺し屋」×「営業」という強烈な組み合わせ。
そして、いわゆる本格ミステリーとは異なり、トリックや謎解きではなく、
キャラクター × 会話 × 展開で、冒頭から一気に読者を引き込み、そのまま最後までノンストップで読ませる——
そんな圧倒的な推進力を持った作品でした。
単なるアウトロー小説にとどまらず、
ビジネス的なロジック、人間の心理、そして極限状態でのドラマが見事に絡んでいる点も魅力です。
本屋大賞にノミネートされたのも納得。「売れる理由がはっきりわかる」作品です。
この面白さ、是非、あなたも体感してみてください。
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