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【書評/要約】日本人でいるリスク(ひろゆき) 日本で生きると決めた人たちへ。日本の課題とリスク回避の処方箋。防衛し、幸福をつかむ方法

【書評/要約】日本人でいるリスク(ひろゆき) 日本で生きると決めた人たちへ。日本の課題とリスク回避の処方箋。防衛し、幸福をつかむ方法
日本人でいるリスク」要約・感想
  • 本作は、これまで「日本脱出」をすすめてきたひろゆきさんが、より現実的な方法として、日本人として「日本で」生きることを選択した人たちに贈る「ひろゆき流 人生設計論」
  • ❶政治・経済、❷ビジネス、❸生活、❹教育、❺人間関係 の5つのテーマに基づき、「日本人であること/日本で生きることのリスク」を明らかにし、現実的かつ合理的な防衛策を提示
  • 基本的な防衛策は、現状に依存しない、プランBを持つこと「日本人であること」に縛られず、「自分であること」に自信を持ちながら幸せに過ごすヒントがある

★★★★☆ Audible聴き放題対象本




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目次

『日本人でいるリスク』ってどんな本?

著:ひろゆき(西村博之)

日本は、日本人が思っている以上に「リスクが山積」

ひろゆきさんの『日本人でいるリスク』は、日本人として「日本で」生きることを選択した人たちに贈る「ひろゆき流 人生設計論」。これまで「日本脱出」をすすめてきたひろゆきさんが、より現実的な方法として、日本で生きるリスクと、その防衛策をまとめた1冊です。

執筆に当たり、ひろゆきさんは、海外での生活経験をふまえ、日本の社会問題や課題を正面から見つめています。本作では、❶政治・経済、❷ビジネス、❸生活、❹教育、❺人間関係 の5つのテーマに基づき、「日本人であること/日本で生きることのリスク」を明らかにし、現実的かつ合理的な防衛策を提示します。

実現が難しい「理想の姿」を追うのではなく、アクションさえ起こせば実践・実現できる「人生設計論」である点がポイントです。

物価が上がり、相対的に賃金が目減りし、リストラも激しくなり、しかし、税金や社会保険料は増加する日本でどう生きていくかー

基本的な防衛策は、現状に依存しない、プランBを持つことです。

日本にいると、井の中の蛙で、日本が正しく見えなくなります。「日本人であること」に縛られず、「自分であること」に自信を持ちながら幸せに過ごすヒントが見つかるはずです。

政治・経済:社会福祉に依存せず生きていく身をつけよ

日本人でいるリスク(ひろゆき) | 政治・経済:社会福祉に依存せず生きていく身をつけよ

最初の章では、日本人の生活の基盤とも言える、日本の社会保障制度が、どのように崩壊に向かっているか、また、その結果として、国民はどのような影響を受けるのかが明らかにされます。

  • 給与は下がる下がるのに、なぜ物価があがるのかー、なぜ、社会保障の縮小、税負担の増加するのかー
  • 問題の背景にある、政治家の票取りのための「高齢者優遇 / 若者不利益」
    しかし、この仕組みの永続持続は財源的に不可能。必ず崩壊
  • 自分の身を守る防衛策:制度を使い倒して投資する

今、日本を襲っているのが円安に伴う物価高です。物価が上がることは悪いことではありませんが、米国のように物価高とともに賃金高が起これば、むしろ好景気になります。しかし、日本を襲った円安は国力の低下。賃金が連動して上がらなければ国民は疲弊します。国力の低下は、経済・教育など他分野に渡る政策を間違えた結果の現れです。特に、長くデフレ脱却をできなかったことは大きいでしょう。

日本は、制度設計において「できない人」に基準を合わせます。これでは、どんどん世界から遅れをとるばかり。新型コロナ時も、他の先進国と比較して、IT技術の遅れが際立ちました。できない人に基準を合わせるやり方は、世界の競争から負けるやり方に他なりません。このまま進めば、益々、日本は先進国から取り残され、高い知識を持つ人は海外に流出し、国内格差さえ消滅し「国民総貧困」の道まっしぐらです。

このような国で生きていくことを決めたなら、自己防衛策として、自らお金・時間・場所に関する選択肢を増やし、社会保障制度に依存せず生きていく術を見つけなければなりません。そのためにも、まずは、NISAなど国の制度を利用して「投資」で資産を増やすことが大事になります。

株式市場で頻繁に株価をチェックをしなくても、NISAなどを利用して、低コストなインデックスファンドに毎月積み立てればいいだけ。毎月自動積立機能を利用して、世界全体にベットして、ほったらかせばいいだけ。やらないかはあなた次第です。

ビジネス:自ら自分の仕事を作る準備をせよ

日本人でいるリスク(ひろゆき) | ビジネス:自ら自分の仕事を作る準備をせよ

この章では、日本の労働市場がどのように変化していくか、また、その結果として、国民はどのような影響を受けるのかが明らかにされます。

  • 日本の労働市場は、まだまだ「雇用保障型」。スキルと対価が乖離
    • 【人間心理】雇用が迷われるなら、従業員がスキルを高めようとする意識は低下
    • 【優秀な人】もっと高給で雇ってくれる海外に流出する
    • ⇒益々、日本のビジネスマンの質は下がる⇒企業の競争力も落ちる
  • リストラが当然になる
    • グローバル化、デジタル化で企業の競争力・生産力がさらに落ちれば、そもそも雇用が維持できない
    • これまでは、低インフレ・賃金アップなしで乗り切ったが、今後はそうはいかない
    • 能力次第で、リストラ、減給が進む
    • 社員は、自分が「スキル不足」で市場価値がない→転職できないことに気づかされる
  • 物価は上がり、相対的に賃金が目減し、それでも、リストラは加速し、税金・社会保険料は増える
  • 自分の身を守る防衛策:「サードドア」を探す

これまで日本の企業は雇用を守ろうとしてきました。雇用を守ろうとすれば、成果を出す社員の給料は上がりません。行動力のある人は流出します。一方で、できない社員は会社にのさばり続けます。アニメ業界さえ、優秀な人材が高給な中国に流出しています。(日本が下請け状態。以下、書評参照)。

この先にある未来として、博之さんが危惧するのは、国内格差さえ消滅した「国民総貧困」です。

将来の雇用閑居いう変化への防衛策としてひろゆきさんが提案するのは「サードドア」の準備。正規・非正規といった労働市場に頼るのではなく、自分で仕事を作ることで、自らキャリアの選択肢を増やしておくことです。

3つ目のドアの開拓に必要なのは、「自分の得意なこと」「自分の好きなこと」「世の中のニーズ」の3つの要素を組み合わせて、自分だけの価値提案を作ること。ネットやSNSを利用すれば、自分のスキルを発信することは容易。そこから、仲間や顧客を見つける努力をしておくことです。

サードドアは「成功への抜け道」

「サードドア」を用意するという生き方は、米国で大ベストセラーになった「サードドア」で提唱された考え方です。

著者は人生には、❶多くの人が並ぶ正面入り口、❷VIP専用入口、❸自分だけに見つけられる抜け道「サードドア」の3つのドアがあると提唱。この「サードドア」の存在に気づき、上手に抜け道に出られるかが、精神的に安定しながら成功をつかむカギとなると述べています。合わせて読んでみるといいでしょう。

著:アレックス バナヤン, 翻訳:大田黒 奉之

生活:家を「将来資産」と見なさない

日本人でいるリスク(ひろゆき) | ビジネス:生活:家を「将来資産」と見なさない

この章で語られるのは、日本の不動産市場がどのように変化するか、そして、どのような影響を受けるか。ひろゆきさんが考える将来は、急激な地価下落です。

  • 地方の不動産は価値ゼロになる
    • 少子化による人口減少も加わり、不動産需要は減り、供給過剰
    • 景気が悪い時、仕事は人口が多いところに集まる。結果、都市部に人が集中
    • 地方は、人口流出で、益々過疎化が進み、地元の商売が成り立たなくなる
    • 日本は地震大国。海外勢から見て魅力といえるか?
  • 未だ根強い「不動産=資産」という日本人の意識
    • 今後も不動産が「安定した投資」と考えるのは誤り。マイホーム購入が人生の目標でもない
    • マイホーム=「自分の居場所」という感情と結びつけすぎ
  • 自分の身を守る防衛策:家を「将来の資産」と見なさない

防衛策は、住まいや資産に関する選択肢を増やすことで、不動産市場に依存しないことです。

家を「将来の資産」と見なさないために、「家の維持費や管理費や税金」などランニングコストも考慮して、「家賃とローンを比較」することです。また、居場所に縛られない「住居場所の柔軟性や自由度」も考慮に入れることです。マイホームがなければ、自分のライフスタイルやキャリアに合わせて住む場所が変えられます。これも「価値」として考えることです。

教育:自分で学べ

この章で語られるのは、日本の教育制度がどのように変化し、結果、個人・国は影響をどう受けるか。ひろゆきさんは日本の教育制度は「時代錯誤」「教育不足」と一喝します。

  • 日本の教育制度:古い知識や価値観が押し付けられている
    • 教育関係者が既得権益を守るために、教育改革に抵抗。時代錯誤な人が多い
    • グローバル化、デジタル化が遅れて、非効率な効率が未だ行われている
    • 良質な学びがないことで、学生は自分の興味や能力を伸ばせず、社会に出ても活躍できないという悪循環に
  • 自分の身を守る防衛策:自分で学ぶ

リスク防衛策は、自分自身で学習やキャリアに関する選択肢を増やすことで、教育制度に依存しないことです。幸いなことに、現在は、ネット環境があれば、学びの場はいろいろあります。そこには、自分が興味が持てることも転がっています。

学力は「将来の日本の国力」です。一個人の問題にとどまりません。国としてつまづくと、何をどう頑張っても、グローバル社会で勝てなくなります。

また、一個人としては、「単なる消費者で終わらない学び」も大事です。例えば、PCやタブレットをどんなに器用に使いこなせてもそれは消費者の域を超えません。アプリ・コンテンツを制作する側に回ることが大事であり、そうなるための学びを意識することです。こうした視点は、ますますAIが台頭してくる時代で必須です。

人間関係:危ない人から距離を取れ

人間関係:危ない人から距離を取れ| ビジネス:生活:家を「将来資産」と見なさない

この章で語られるのは、日本の人間関係がどのように変化していくか、その結果、世の中はどうなるか。ひろゆきさんは、日本は「危ない人」が増加していると指摘します。

  • 自分の利益や感情を優先する人、他人を傷つける人、正気でない人が増加
    • 感情的な人が増加
    • 社会・経済・教育などの環境悪化が、人々のストレスや不満・不安にも影響を及ぼし、悪循環を起こしている
    • この変化に気づかない人が多い。危ない人と知らずに関わってしまうリスク上昇
  • 自分の身を守る防衛策:危ない人とは距離を取る

人間関係でリスクを負わないためには、❶「危ない人の特徴や手口」を知り、❷「危ない人とは距離を取る」ことです。また、❸勧誘を「断る力」を持つことも忘れてはいけません。

日本人は「断り下手」です。また、「同調圧力」に弱い。世を見る目を養い、コミュニケーション力も高めておく必要がありそうです。

最後に

今回は、ひろゆきさんの『日本人でいるリスク』からの学びを紹介しました。

冒頭に述べましたが、大事なのは、現状に依存しない、プランBを持つことです。

日本人は、何か始めようとすると、ガチガチに物事を決めてからはじめたがります。しかし、変化の激しい現代ではこの方法ではアクションが遅くなります。ひろゆきさんの以下の以下の考え方は大事です。

軽い気持ちで何でもトライしてみて、嫌だったらとっととやめる。こうした三日坊主の繰り返しは、「自分に向いていないことをどんどん潰していく」という意味もあり、少しも悪いことではありません。日本人特有の「○○すべき」という発想から自由になって、幸せの総量を増やす生き方を心がけましょう。

普段から意識が高い人には、目新しいな人生攻略術は見当たらないかもしれません。しかし、自分の生活に密着する日本のリスクをサクッと総点検しておきたい方にはおすすめではないでしょうか。

著:ひろゆき(西村博之)
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