いい本との出会いを応援!

【書評/要約】君は誰と生きるか(永松茂久) 「成功には人脈が大事」っていうけど、本当に大切なことを見失っていないか?人生が変わる、人間関係再考本

【書評/要約】君は誰と生きるか(永松茂久) 「成功には人脈が大事」っていうけど、本当に大切なことを見失っていないか?人生が変わる、人間関係再考本
君は誰と生きるか」要約・感想
  • 「人生は出会いで変わる」というけれど、本当に大切な人を見失っていないか?
    世間一般に流れている人脈神話に疑問を投げかけ、本当に大切な人と生きることを提案する人間関係の再考本
  • 人脈を求め歩いても、「あの人の所に行けば何か良いことがあるはず」と自分本位な考えで出向いて、そこにつながりは得られない。大事なのは「与える側」となり、今、目の前に居る人がどうやったら喜んでくれるのか、笑顔になってくれるのかを考え実践すること
  • 本書は僕と師匠と対話を通じて、❷の大切さが語られる。対話の随所に「心に響く言葉」がちらばり、あなたの心を揺り動かす!

★★★★☆ Audible聴き放題対象本

目次

『君は誰と生きるか』ってどんな本?

Audible読み放題対象最初の2か月99円(2/4まで) ※いつでも解約可能

「人生は出会いで変わる」というけれど、本当に大切な人を見失っていないか?

永松茂久さんの『君は誰と生きるか』は、世間一般に流れている人脈神話に疑問を投げかける1冊。本当に大切な人と生きることを提案する人間関係の再考本です。

私たちは、SNSなどを通じて、人類史上、一番簡単に人と繋がれる時代を生きているにもかかわらず、いやだからこそかもしれませんが、人と深くつがれない寂しい人が増えています。また、昔に比べて、お金さえあれば人に頼らずとも生きられる世になったため、自分本位になり、手っ取り早く入手できる情報・テクニック・仲間を求めるようになりました。

本書はそんな生き方に疑問を投げかけます。

人生に大事なのは、人間関係の「質」。プライベート・仕事に関わらず、普段一緒にいる人とのつながりを大切に生きること。

本作は、「僕」「師匠」の対話形式で、ストーリーが展開していきます。その対話の様々な個所に、心に響く言葉がちりばめられています。それらの言葉が、あなたの人とのつながりを見直す、大きなきっかけを与えてくれます。

出会いを無理に広げようとする現代人

人脈を求める現代人

SNSで簡単に人とつながるようになり、人は「つながりの数」にとらわれるようになりました。自分と友人のフォロワー数を比べては「つながりに焦り」を感じ、エゴサをしては心無いコメントに心を痛め、また、友人のキラキラ発信に妬みを感じています。

一方、ビジネス書を開けば、「ビジネスの成功には人脈が大事」との教え。結果、多くのビジネスマンが「人生を開くチャンスを与えてくれそうな人」を捜し求めて、ビジネス交流会などに時間・お金を使って足を運んでいます。

しかし、よく考えてみて下さい。「あの人の所に行けば何か良いことがあるはず」と自分本位な考えで出向いて、そこにつながりは生まれるでしょうか?「相手から何かを与えてもらう」ことばかり期待している限り、よい出会いなど訪れるはずもありません。

人が外に出会いを求めがちになる理由

では人は、なぜ、外に出会いを求めがちになるのでしょうか?今までにいい出会いがないからではありません。

自分にとって本当に大切な人が誰かに気づいていない(見えていない)からです。病気をして「健康の大切さ」に気づくように、今そこにある「大事なこと/人」は気づきにくい。大切な人の存在がわからないが故に、外に出会いを求めてしまうのです。

売れる営業マンが、顧客に行っていること

ビジネスで結果を出す人ほど、人を大切に考えます。彼らは、商品を買ってくれたお客さんがさらに喜んでくれることを考えます。つまり、お客さんのさらなる感動を追求します。

するとどうなるか?人は感動すると他の人にその感動を伝えたくなる生き物です。つまり、そのお客さんが勝手に営業してくれるようなことになるのです。だから、売れる営業マンの新顧客は紹介が多くなるのです。

ビジネスも人間関係も同じ。人脈や新規顧客の数を無理に広げようとするより、今いる人にもっと喜んでもらう方が結果として口コミで感動が放射状に広がっていきます。仕事ができる人たちはこのことを無意識に実践しているのです。

人間関係の簡単にうまくいく3つのこと
  • 笑顔でいること
  • 相手の話に興味を持って耳を傾けて聞くこと
  • 思いやりを持って相手に温かい声をかけること

人間関係に大切なこと

すぐそばにいる人を大切にせよ

繰り返しになりますが、人間関係で大事にすべきは、量より質。遠くの人と無理につながることではなく、あなたのすぐそばにいる身近な人を大切にすることです。

「与える側」となり、今、目の前に居る人がどうやったら喜んでくれるのか、笑顔になってくれるのか、を地道に考え積み重ねていくことです。どんな人と生きるかを深く突き詰めていくと、最終的には「どんな自分で生きるか」、つまり、「自分自身の生きる姿勢」に行きつきます。

好きな人、尊敬する人、大切にしたい人との関係をよくすることにフォーカスすると、自然とモチベーションが上がり、パフォーマンスが上がります。また、必然的に「嫌いな人」と過ごす時間は減り、イライラしたり、自分の心に嘘をついて悩む時間も減ります。

つまり、まわりまわって、自分自身の幸せも増えます

自分の幸せも真剣に考える

人のことを考えることは素晴らしいことです。しかし、それと同じぐらい、自分が幸せになるためにどうしたらいいかをもっと真剣に考えた方がいいと師匠は言います。

そもそも、人は自分が幸せでゆとりがないと、他人の幸せを考えることはできません。逆に、他人の幸せが許せなくなるのが人間です。

喜ばれる人になることと同時に、自分自身もどれだけ一緒に喜べるかー これが「人生の価値」となります。

君は誰を引き寄せるか「引き寄せの法則」

アダム・グラントさんの『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代 』は、成功における「Giver(ギバー)」の力を説く名著です。しかし、一方で、「最も成功する人」と「最も失敗する人」の両方にギバーが含まれており、失敗者側にならないためには、他人を助けながら自分自身も成長させるバランスが必要であると説いています。

このことを、本書の師匠は、次のような言葉で示し、「自分のために与え続けよ」と説きます。

  • もし与えても何も返ってこなかったら、それは与える人を間違えただけ
  • もし、何も返ってこなくても、筋トレと同じく、あなたの与える力「フォー・ユー筋肉」は大きくなっていく
  • もし与えたもの以上のものを返す人と出会った時、与える力が大きければ、より大きな力が返ってくる
  • 与え続けていく人は、いつか必ず、倍返しで与えてくれる人ととめぐり逢う
  • 故、もし与えても何も返ってこなくても、トレーニングだと思えばいい

あなたが与える側の人間になった時、一番身近に集まってくるのは間違いなく同じ考えの人。つまり、与えたい側の人です。結局、「与える人」には「与える人」が引き寄せられてきます。

引き寄せの法則」は単に願えば叶うというものではありません。
さて、今のあなたは、誰(どんな人)を引き寄せそうですか?

人間関係がガラリと変わるとき「別れの法則」

私たちはみんな「引き寄せの法則」の中で生きています。対で知っておきたいのが「別れの法則」です。

人生には、人間関係がガラリと変わるときがあります。それは、「人のステージが変わる」ときです。

「別れ」は、その人自身の人生が急激に進み始める直前に起きる現象です。去っていく人がいるのであれば、互いのベクトルが変わっただけで、どちらが悪いということではありません。

別れのタイミングで、苦難・抵抗はありますが、「自分の新しいステージの始まりの合図」と受け止めると、自分の心の置き所がしっかり、悩みを減らせます。

君は誰と生きるか:その他の気づき

【書評/要約】超訳 ニーチェの言葉 | 己について

本書の魅力は、僕と師匠の対話の中に、「琴線に触れる言葉」がちりばめられている点です。
以下は、本書のメインテーマからはそれますが、自分の心にとどまったフレーズを2つ紹介します。

「人脈」という言葉に対する違和感

私はね、あまり『人脈』という言葉が好きじゃないんだよ。どうしてもその言葉には、仕事でも人生でも、自分を有利に導くための下心を感じてしまうんだよ。

私も「人脈」という言葉が好きではありません。この言葉で、その理由がわかった気がします。私が感じていたのは、「人脈」という言葉の裏にある「打算」でした。

師匠は「人脈」ではなく、「つながり」という言葉を使うと述べています。「つながり」にはそこに「あたたかな心」があるように感じられます。ちょっとした言葉の使い方ですが、人と交流するうえでは、とても大事な姿勢ではないかと感じた次第です。

本との出会いは、人との出会いを超える

本はいいよ。本との出会いが、人との出会い以上に人生に大きな喜びを連れてきてくれることだって往々にしてあり得ることだ。(略)なぜなら本は、その人のエッセンスの集合体と言える。だって、著者はそこに全力を注ぐんだから。(略)

どんな人と生きるかって、つまりはどんな本と生きるかってことにもつながるんだよ。人との出会いもいいけど、本の出会いも君の人生を大きく変えてくれることになるよ。

かつては本を読むより、講演会に行く方が貴重な情報が得られると思って出かけていました。しかし、本書でも述べられていますが、講演会で聞けるのは「本の抜粋」程度にすぎません。

今わかるのが、「有料公演でも出る価値があると感じていた理由」は、単純に、会場の「熱気」でモチベーションが高まったように感じていただけのこと(似非のモチベーション)。事実、会場から出た後はモチベーションが高くても、次の日以降につながることはあまりありませんでした。多読する今はそれがわかります。

ビジネス講演会・交流会に出かけることに多くの時間とお金を投じている方は、一度考えてみて下さい。

最後に

今回は、永松茂久さんの『君は誰と生きるか』からの学びを紹介しました。

本書の内容はよくある話かもしれません。本記事を読んで、「まあ、よくある自己啓発書だね」と思った方は多いかもしれません。しかし、自己啓発書で大事なのは、心が動かされ、自分が変わるきっかけとなるかです。

本書には、あなたの心の琴線に触れる言葉がちりばめられています。是非、本書を手に取り読んでみてください。幸せな人間関係を築くための考え方を示してくれる貴重なガイドとなるはずです。

以下の本も松永さんの本です。多くの人に支持されるベストセラーです。

よかったらシェアしてね!
目次