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【書評/要約】アイデアのつくり方(松村真宏) アイデアづくりの3つコツは「情報収集」「情報の熟成」「化学反応」にあり

【書評/要約】アイデアのつくり方(松村真宏) アイデアづくりの3つコツは「情報収集」「情報の熟成」「化学反応」にあり
アイデアのつくり方」要約・感想
  • アイデアは整理・集中より散漫。散らかった情報からアイデアは生まれる。情報の想定外の出会いから新しいアイデアを生み出す、著者独自のテクニックを紹介
  • アイデアを生み出すには「情報の化学変化」が必要。3ステップで化学変化を起こせ
    • 【情報収集】とにかく、アイデアの元となる情報を集めるて、手書きでメモる
    • 【情報の熟成】寝かせて、並べる
    • 【化学変化】メモ帳の中で、情報同士を出会わせる(予想外の出会い)
  • メモは手書きで。メモの取り方のコツで、「記憶の定着率」が上がり、「情報の化学変化」を加速できる

★★★★☆ Kindle Unlimited読み放題対象本

目次

『アイデアのつくり方』ってどんな本?

Kindle Unlimited対象本

利益を出すには?
集客するには?
自分もみんなが幸せになるには?

クリエイティブな仕事に大事な「アイデア力」。残念ながら、デスクに座って頭を悩ませたところで、アイデアが降りてくることはありません。では、どうしたらいいのか?

アイデアは整理・集中より散漫。散らかった情報からアイデアは生まれるー

これは、著書『アイデアのつくり方』の著者・嶋浩一郎さんのたどり着いた答え。

広告制作の現場で、商品を売るアイデアを出し続ける仕事をしてきた著者は、どうやってアイデアをつくり続けているのかー。情報の想定外の出会いから新しいアイデアを生み出す、著者独自のテクニックは要チェック!モノを売る仕事に携わるビジネスマン必読のノウハウが学べます。

メモ活用でアイデアを生み出す3ステップ

メモ活用でアイデアを生み出す3ステップ

効果的なマーケティングアイデアを生み出し、形にするには、様々な要素が大事です。

マーケティングの成功に大事な要素

市場トレンドの把握市場の変化やトレンドを常にキャッチアップ
時代の流れ、もしくは、その流れをリードするアイデアを生み出すことが、マーケティングの成功につながる
顧客理解ターゲットとなる顧客のニーズや行動パターンの深い理解
顧客インサイトを得るたには、市場調査・データ分析・インタビューにより、彼らの課題や欲求を理解することが必須
競合分析競合他社の戦略や市場でのポジショニングを分析
差別化ポイントを見つけることが必須
他社が提供していない価値を提供できるアイデアを考えることが、競争優位性を確立する
クリエイティブな発想アイデアは新しい視点やアプローチから生まれる
異なる分野の知識やトレンド、異なる視点を持つチームメンバーやパートナーとの協力してアイデアを出し合うことが、より良い発想を生み出す
実行可能性の検討素晴らしいアイデアでも、実行可能でなければ意味がない
テストマーケティング、予算・時間・リソースを鑑み、実現可能なアイデアを選定することが必須

アイデアを生み出す「情報の化学変化」を起こすコツ

モノを売るために必要なアイデア。トレンドなどの市場分析はが大切ですが、理詰めで理屈を積み上げていく方法では、人を魅了するようなアイデアは生まれません。アイデアは、「情報の化学変化」一見、関係ないものが結びついた方が、斬新・新鮮なアイデアとなります。

このようなアイデアづくりに当たってのアドバイスは「情報を整理せずに、手書きでメモる」こと。以下の流れでアイデアを生み出します。

アイデアを生み出すステップ
  • 【情報収集】とにかく、アイデアの元となる情報を集めるて、手書きでメモる
  • 【情報の熟成】寝かせて、並べる
  • 【化学変化】メモ帳の中で、情報同士を出会わせる(予想外の出会い)⇒アイデアの誕生へ

【情報収集】情報は整理するな

【情報収集】情報は整理するな

何もないところからはアイデアは生まれません。そこで、日ごろから自分の感性にヒットした情報をメモ帳に書き留めます。ここで重要なのが、「情報を整理しない」ことです。

アイデア出しでは情報整理はNG

「書類・情報は整理せよ」と言われます。しかし、アイデアを出す場合、整理・分類はクリエイティビティを阻害する要因となります。

情報をキチンとファイルなどに入れて管理するのは、すぐに情報を引き出す(検索)ためです。しかし、クリエイティブに求められるのは、情報を目的をもって“引き出す”のではなく、カオスから新しい情報を“生み出す”ことです。

情報をのびのびと、ごちゃ混ぜに扱う。そうすることで一見まったく関わりのないように見える情報と情報とが結びつき、新しい視点・アイデア・ビジネスが生まれます。

なぜ、情報を整理してはいけないか

アイデア出しという観点からは、情報はファイルに入れた瞬間に死んでしまいます。その理由は2点。

  • ファイルに入れると、多くの情報は再び読み返される機会を失う
  • ファイリングという行為により、情報にレッテルが貼られてしまう

特に大事なのが❷です。情報には多面性があり、同じ情報でも、別の角度から見ると別物にもなります。しかし、一度、ファイリングでレッテルをつけてしまうと、私たち人間はなかなか見方を変えられません。これが、アイデア出しを阻害します。

アイデアのためのメモノートの作り方

アイデアづくりには、メモが必須。手書きがベターです。アイデアづくりに役立つメモの取り方は以下の通り。

こんな方におすすめ
  • 一軍ノート・二軍ノートの2冊を用意。普段は二軍ノートに書き留める
  • 後日見返したときに重要度の高いと感じた二軍メモは一軍メモに、再び書き留め直す
  • 一日の隙間時間を利用して一軍メモを見直す

手書きメモのメリットは、「一覧性」「携帯性」。さらに、❶~❸の習慣化で、「記憶の定着率」が上がり、【情報の化学変化】を起こしやすくなります。

なお、嶋さんおすすめのメモ帳は『モレスキン』です。後述しますが、方眼タイプが最もまとめやすいでしょう。

メモをとるコツ:情報ソースは明らかにする

情報をメモる際は、「情報源」も一緒に書き留めておくことが大事です。ここで大事なのは、その情報が本物なのか偽物なのかよりも、たとえば、インターネット総合掲示板「2ちゃんねる」でそう言われたという“事実”です。

【情報の熟成】なぜ、情報の熟成が必要なのか

【情報の熟成】なぜ、情報の熟成が必要なのか

1年前に読んだビジネス書と、今日読んだ小説。まったく関係ない話が、突然、頭の中でつながる(情報が交配する)ことがあります。これが、嶋さんがいう「情報の化学変化」のタイミングです。このような化学変化を起こすには、熟成期間が必要です。

二軍ノートの情報は1か月ぐらい寝かせてから一軍に書き写す

人は忘れやすい生き物です。メモをとっても1か月後に見返すと、「これなんだったっけ?」と思うことは多々あります。こんな時に、「もう一度思い出して、考えてみる」。このプロセスが非常に大事です。

思い出すという行為により、脳内のシナプスは結合され、記憶として定着されます。二軍ノートの情報を1か月ぐらい寝かせてから一軍ノートに書き写すすのがおすすめです。

一軍ノートに書き写す際に、追加で調べたことを書き込むと、より記憶に残りやすくなります。

考えをまとめやすいノート

情報や思考をまとめるための「ノート選び」は大事です。
外資系コンサルタントが、好んで使うのが「方眼ノート」。私も賢人に習い、方眼ノートを使っています。数百円の投資で仕事のパフォーマンスが上がると考えれば、とてもリーズナブルな自己投資です。
以下ではおすすめの方眼ノートを紹介しています。

【化学変化】アイデアを加速するには

【化学変化】アイデアを加速するには

情報の化学変化からアイデアを作り出すにはどうしたらいいか?

関係なさそうな情報に「筋」を見出す「異種交配」は有効なアイデアづくりの方法です。具体的には、着眼点を変えて「一つのコトバでまとめる」「上位概念を作り出す」を意識的に行います。

経験を積むと、そのうちなんとなく、「この情報とこの情報をくっつけてみたら一ひねりできるかも」というセンサーが働くようになります。

結びつける情報が乖離していればいるほど、企画にインパクトが出ます。ただ、単に奇をてらっても失敗します。企画にはキチンとした根拠と、緻密な計算が必須。企画の説得力、実効性を担保するためにもベースになる情報があることが前提であることを忘れてはいけません。

最後に

今回は、嶋浩一郎さんの『アイデアのつくり方』の要点を紹介しました。ここに紹介した以外にも、いろいろなアイデアづくりのヒントとなるコツが紹介されています。

アイデアづくりが必要なビジネスマンは是非、読んでみてください。

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