- 実は、努力で変えられる部分は極僅か。まずは、これを理解し、努力神話を捨てよ。
- 「1%の努力」で楽しく生きるために必要なのは、「思考」と「さぼる能力」
- 1%の努力で何をどうすればいいか?いわゆる成功本とは全く異なるひろゆき流生き方は、普段、ビジネス書を読まない人の心にも刺さる。生き方・人生観が変わる1冊
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『1%の努力』ってどんな本?
「働きアリ」は、任された仕事を一生懸命にこなす。 「働かないアリ」は、ダラダラと何もせず過ごし、 たまにぷらぷらと外を出歩く。 サボっているように見えて、たまに「バカでかいエサ」を見つけて、 巣に戻って報告をする。それを他のアリたちが運んできてくれる。(略)
そんな「働かないアリ」であれ。
「働かないアリ」のように、 お金や時間にとらわれない状態になると、チャンスが見えるようになる。
日本人は「努力を美徳」と考えがち。しかし、努力しても報われなければ単なる無駄。頑張りどころが分かっていれば、全てを頑張る必要はない。
本『1%の努力』は、最低限の努力で最大限の結果を出してきたひろゆきさんの人生哲学が凝縮された一冊です。
「1%の努力」とは、頭を使ってコスパの高い努力だけをすること。人生の目的は「幸せ」になること。頑張る場所選びや努力の仕方さえわかれば、無理することなく、マイペースでもっと楽しく幸せな人生を送ることは可能です。特に「サボる能力」と組み合わせることで、チャンス到来時にそれを見過ごすことなくつかみに行けるとアドバイスします。
- 努力信仰を捨てよ。「努力」よりも「思考」
- さぼる能力は大事。チャンスを見つけた時に動ける「余白」を作っておけ
本書には、人生を楽しむための考え方が散りばねられています。エビデンスに基づく解説より、ひろゆきさんの言葉は、より実践的で、普段ビジネス書を読み慣れていない方の心にもすんなり入ってくるはずです。本書1冊で、生き方・人生観が変わります!
- 少ない努力で効率よく結果を出したい人
- 努力はしているのに、成果が出ていない方
- 人生は苦痛の連続と思っている方
努力信仰を捨てよ。「努力」よりも「思考」
努力信仰が強い日本社会。しかし、実は、努力で変えられる部分はごく僅かです。まず最初に、この事実を十分理解することが大事です。
努力で変わる部分は、実はものすごく少ない
- たまたま、ソマリアでなく、日本人で生まれた
- 金持ちの家に生まれた
- 仮想通貨バブル前に仮想通貨を買った。運良く大儲けして、FIREできた
この2つに努力はありません。たまたま、ラッキーだっただけです。時代、社会環境、家庭、遺伝などが、たまたまラッキーだったかが、人生に大きく作用することを見過ごしてはいけません。
つまり、何かを成し遂げるとき、「どう頑張ったかが大事」と思われがちですが、努力で変わる部分は、実はものすごく少ないのです。
努力神話があるのは、そう思わないと、人生無理ゲーでやってられないから。さらに、声の大きい「努力できる人」は、「努力は報われる!努力しろ!」といって社員を働かせた方がメリットがあるからです。
しかし、無駄な努力は人を不幸にします。個々人、能力レベルは異なります。それぞれ、頑張りどころを見つけ、最小限の努力をした方が幸せです。
「努力」よりも「思考」、チャンスを掴むために常に余白を持て
発明家トーマス・エジソンは「天才とは、1%のひらめきと99%の努力」という言葉を残しています。では、ひろゆき流ではどう考えるか?「1%の努力」で最大の成果を得ることを考えます。
- 努力より思考
- スケジュールに「余白」を持つ。さぼる能力
- 努力する優先順位
- 「1%の努力」で徹底的に調べる
そのために大事なのが、上述の4点。
まず、必要なのは、「努力」ではなく「思考」。 常識に疑問を投げかけ、「やり方」を工夫し、スケジュールに「空きスペース」を作ること。そして、生まれたヒマ時間に、「何か」を心からやりたいことをやることです。ここで、「働かないアリ」であるため、ダラダラすることに罪悪感を感じてはいけません。
なぜ、スケジュールに「余白」が必要か。それは、チャンスは予告なく、突然やってくるからです。千載一遇のチャンスにキャパオーバーでは、それを掴むことができません。常に、チャンスをつかみにいけるよう「片手」を空けておくことがとても大事です。
チャンスを掴む練習より、いつでもチャンスを掴める状態にしておくことの方が重要なのだ。
まずは、努力する優先順位を決めよ
では、どのようにすれば、最小の努力で最大限の成果を発揮できるのか。
頑張りどころを見極めるためにも、まずは、努力する優先順位を決めることが先決です。
ツボにできだけ多くの岩・砂利・砂・水を入れるとき、最初に入れるべきは「大きな岩」。岩→砂利→砂→水の順で入れれば、後からでも入れられる。
これは、「有限な自分の人生の中で大切なもの(岩)の優先順位をつけ、その順番で取り組め」という教訓です。私たちはやるべきことが日々ありますが、できそうなこと(砂や砂利)から片付けがち。しかし、これでは、大切なこと(大きな岩)が未着手のままになります。
具体的な順位を考えるに当たっては、以下を考えてみましょう。
- 修復可能か:「今」しかできないことや、代わりの効かないものを優先
- 価値に変えられるか:取得したこと・経験を価値に転換できるか
1%の努力で、徹底的に調べよ
ひろゆきさんが「1%の努力」で実践していることが、様々なことに興味関心を持ち、調べまくることです。スマホ1台でなんでも調べられる時代に、調べない人は実に多い。働かないアリでいたければ、徹底的に調べるは必須の要件です。
博之さんは、「仕事だから調べる」「しょうがないから調べる」ではなく、「知りたいから調べる」を出発点にして、過程を楽しめる人になれ!とアドバイスします。自分の好きなことなら、楽しんで調べられます。
ここでも大事になるのが、「余白」です。時間・心に余裕がないと人は調べません。余裕があるからこそ、色々なことが気になる→調べる→知識の蓄積→博識の好循環ループが生まれ、チャンスがつかみやすくなります。
「働かないアリ」になるコツ
個人個人が頑張りどころを見つけ、最小限の努力をする方が、人生は幸せです。本書では、ひろゆきさんが、なぜ、そのような考えに至ったかを、7つのエピソードで語られます。
以下、7つのエピソードから「働かないアリ」になるコツで、参考になった考え方をまとめておきます。
❶前提条件:この人とは前提条件が違わないか?
- 世の中には、人生を豊かにしてくれそうなもので溢れている。しかし、それらの多くは「見せかけ」。あなたに必要とは限らない。
- この人とは『前提』が違うんじゃないか? 考え方が異なる人が現れたら、この言葉を思い出し、自分の頭で考えよ。偏見がインプットに変わる。 違和感を楽しめる思考や目の前のことを楽しめるスキルは、長い人生で役立つ。
- 「なんでそういう考えをしているのか」を予想してみよ。想像力を絶やしてはいけない。どんな人からも学べる。新しい考え方にも寛容になれる。どう受け止めるかで人生はけっこう変わる。
- 「理論的にわかっている」と「感覚的にできそう」は、似ているようで全然違う。
- 自分はどうなったらヤバいと感じるのか?守らなければならない世間体のラインを下げよ。生きるのが楽になる。
- 「お金がない。じゃあどうしよう?」 この思考が、脳をフル回転させる。
- ダメにもわけがある。 ダメなものから目をそらすより、ダメをダメとして直視したほうがいい。
- 覚悟を決めた人は、しぶとい。プライドを守るのが強者の論理なら、権利を守るのが弱者の論理。
❷優先順位:壺に何をどんな順序で入れるか
- 頭の中がぐちゃぐちゃになる理由の1つは情報が多いこと。捨てるモノを決めよ。
- 優先順位を決めるための思考法を持っておくと人生に有利。
- ランダムにいろいろな人と接する仕事は、早いうちにやっておいたほうがいい。「この人には、こういう対応をすればいい」というパターンがわかる。
- 世の中の仕事の大半は高校生レベルで成り立っている。世の中はチョロいし、意外とちゃんと回っていく。会社も学校も政府も、意外と適当に回っている。それを体験するだけで、ビジネスのハードルはぐんと下がる。
- 肉体労働や精神労働などでキャパオーバーを知れ!「自分にとってのストレスポイント」が分かれば、嫌なことから逃げられる
- 歳をとると男性は女性に比べて好奇心を失いやすい。新しい知識・考えに触れる習慣を失うな。
❸ニーズと価値:なくなると困るモノは何か?
- 好きなものは好き。だって好きだから。仕事にするかどうかは脇に置いておいて、好きなものが何かはハッキリさせよ。
- ニーズと価値を考えよ。「これがなくなったらイヤ」なモノ・体験にはニーズが隠れている。いくら技術が進歩しても、「使いたい」と思う人がいないとサービスは成立しない。これがなくなると困ると強く感じられるモノ・コトはなくならない。仕事にするといい。
- 仕事選択:「やりたいけど、できない」「できるけど、やりたくない」、どちらを選ぶか?
「やりたい」よりは「できる」ことから選んだ方がベター。「やりたい」と「できる」の間を徐々に埋めるとよい - 出すぎた杭は打たれない。物事は大きくなりすぎると、やがて『共存』する。
- 性善説を前提にせよ。やられたときだけ、やり返す が一番強い。
- 価値があるように見せよ。これでお金儲けができる。
❹ポジション:どこにいるかが重要
- 考え方以上に大事なのは、場所。考え方を変えるより、環境など場所を変えた方が効果的。
- 場所を提供できる人は強い。場所があれば、人は動き始める
- 「今、自分がどこにいるか」、ポジションを常に把握せよ。
- 上流から下流までを知っている第三者的なポジションが有利。そのためには、「現場のリアル」と「経営側の論理」と「コミュニケーションコスト」の知識と「逆張り思考」が必要。また、俺がえらいがにじみ出ている人は、そのポジションは取れない。
- いつだって、発信者は強い。本音を言う。間違っていたらちゃんと謝る。発言量も大事
- 意見を出すことのメリットは、「実作業が自分に投げられることがない」こと。 何も発言していない人は、心理的に「じゃあ、私がやります」となる。
- ユニークな人が生き残る。人が人を選ぶ基準は、優秀さではない。「面白いかどうか」だ。「変わっている」と、大勢の中の1人になれる。
❺努力:最後に得をするには?
- 努力はなかなか報われない。また、自由意思で人生を変えられる範囲もとても少ない。自分の実力以上に、環境などの方が大事。
- 社会でお金になるかどうかで、人は評価を変える。社会のニーズに合わせられる人の方が、成功しやすい。
- 組織で大事なのはトップの判断。上の判断がよければ、下がテキトーでもうまくいく。逆はない。
- ラクしたければ、競争のないところに張れ。
❻パターン化:明日やれる事は今日するな
- ダメな時は素早く諦めることは「1%の努力」には必要
- ゼロからイチを生み出すことはムズイ。ゼロイチ以外でできることは何か?改善・維持も立派な能力。
- 頑張る方向を見定める。「これははらない」と生き方を決めることも、戦略として正しい。ここにもポジションが関わる。
- 相手に認めてもらいたければ、「この人は何を求めているのか?」。この方向を一致させろ。
- 人生を楽しめているかどうかの指標は、この1週間で、『新しいこと』はあったか?「最近こんなことがあった」と語れるか。
❼余生:働かないアリであれ
- 「働かないアリ」は、パターンからはみ出す生き方を選ぶこと。「自分の興味のあることに没頭できる要素」は必須
- 世の中、すべてネタである。成功だけがすべてではない。自慢話で惚れさせるより、笑われて好かれる方法もある。
- 一般的に欠点だと思われていることを、あえてさらけ出すと、成功率が高まる。コンプレックスは、自分にしかない切り札に化けることがある。これは、まさに「1%の努力」の実践!
最後に
今回は、ひろゆきさんの『1%の努力』からの学びを要約して紹介しました。
世の中には「頑張れ」が溢れ、忙しいことが正義とされます。しかし、「努力は最低限の方がいいし、忙しくする必要だってない。むしろ、ヒマな方がチャンスがつかめる!」。
成功ノウハウ本とは真逆を行く考えですが、私は、ひろゆきさんの考え方の方が好き。より楽しく自由な人生を送りたい方は、是非、本書を通読してみてください。