- 「イヤな気持ち」は外的要因ではなく、脳内の情報処理の結果
怒り・不安・嫉妬などの感情は、現実そのものではなく、脳が「どう意味づけたか」によって生まれる。つまり“感情は選べる”という前提が出発点。 - 「コンフォートゾーン」を変えれば、感情も変わる
人は“慣れた状態=コンフォートゾーン”を維持しようとする。否定的感情を繰り返す人は、無意識にそのゾーンに安住している。自分の基準を上書きすることで、心の反応を再構築できる。 - 「イヤな気持ち」を抑えるより、“書き換える”
感情を抑え込むのではなく、「別の意味」に書き換えることで、脳は新たな現実を作る。苫米地式のアプローチは、“ネガティブ思考の再定義”によって、感情を根本からリセットする技術である。
★★★★☆
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『「イヤな気持ち」を消す技術』ってどんな本?
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もう、とにかく腹立つ!
イライラ・カリカリした感情が邪魔をして、仕事に集中できない——
そんな気持ちに悩まされた経験、ビジネスパーソンなら誰しもあるはずです。
では、どうすれば「イヤな気持ち」「イヤな記憶」に振り回されずに生きられるのか。
その答えを脳科学と認知心理学の知見から実践的に解き明かすのが、苫米地英人著『「イヤな気持ち」を消す技術』です。
本書が説くのは「感情の仕組みを理解し、自分を意識的に書き換える技術」。
単なるポジティブ思考の押し付けではなく、脳の構造や思考の癖に基づく“再設計”です。
苫米地氏の理論は一見難解ですが、根底にあるメッセージはシンプル。
あなたは、いつでも自分の感情を“選べる”
怒られた/怒らされた/落ち込まされた という被害者的な思考をやめ、自分の脳の中で「意味を書き換える」こと。
それが「ネガティブ思考の再定義」であり、本書が伝える「イヤな気持ちを消す技術」の核心です。
本書で、感情に振り回されずに幸せに生きる、一生役立つ技術を手に入れましょう。
「イヤな気持ち」は現実ではなく“認識のフィルター”が作る
苫米地氏は言い切ります:
「イヤな気持ちを作っているのは“外の世界”ではなく、“自分の脳”である。」
同じ出来事でも、怒る人もいれば笑う人もいる。
つまり、「現実」ではなく、「脳の意味づけ」が感情を決定しているのです。
さらに重要なのは、「感情は原因ではなく、結果である」 という視点。
私たちは「怒りの感情が生じたから、怒った」と思いがちですが、
実際には、「怒るという脳処理をした結果、怒りの感情が生まれた」。
この視点を得ると、「イヤな気持ちを感じる=自分の脳がそう反応した」と客観的に捉えられるようになります。
「自分=感情」ではなく、「自分は感情を見ている側」。
この一歩引いた視点(メタ認知)が、“感情に支配されない心”を作ります。
感情のメカニズムを知れば、冷静さを取り戻せる
私たちの脳の中には「感情を感じる場所」と「記憶を保存する場所」があって、それぞれが連携して働いています。
怒ったり、怖くなったりするのは「扁桃体」という感情センサーが反応してるから。
そして、そのときの記憶を「海馬」がしっかり保存してしまう。
だから、昔のイヤなことを思い出すと、まるで今起きてるみたいに気持ちがザワザワする——
それは脳の仕組みがそうさせているのです。
しかし、理性的な判断を下す「前頭前野」を活性化すれば、私たちは感情の嵐から一歩引いて、自分をコントロールできるようになります。
スコトーマ×コンフォートゾーンを変えれば、心は自然に変わる
心を自然に買えるキーワードは、苫米地理論でたびたび登場する「スコトーマ」と「コンフォートゾーン」。
✅ スコトーマ
心理的盲点。自分の価値観・信念・過去の経験によって、見えるものさえ見えなくなる“認知のフィルター”です。
イヤな気持ちをなくす第一歩は、このスコトーマを外し、「世界の見え方」を変えることです。
→リフレーミング技術を使う(次節で解説)
✅ コンフォートゾーン
脳が“安心できる状態”=「自分にとって普通」と感じる領域のことです。
たとえば「失敗する自分」が当たり前になっている人は、無意識にその状態を維持とします。
例)俺なんて、だめだ、だめだ、だめだぁ… と、自分で勝手に「ダメな俺」を増幅させていく
だからこそ、感情を変えたければ、「自分が“心地よい”と感じる基準そのもの」を変える必要があります。
その手段が、「ゴール設定」です。
苫米地氏のコーチング理論では、理想の未来を“当たり前の自分”として脳にインストールすることで、
現状のイヤな感情は“場違い”にし、心を自然に変えていきます。
「抑える」のではなく「書き換える」:リフレーミングの技術
怒りや不安を「我慢」しても、いずれ爆発します。
苫米地氏がすすめるのは、“意味づけ”そのものを変えるリフレーミングです。
たとえば——
- 「上司に怒られた」→「自分が成長する機会をもらえた」
- 「恋人にフラれた」→「新しい出会いを探す自由を得た」
- 「報われない努力」→「大変だったけど、経験という財産を得た」
現実は同じでも、「認知の枠組み」が変われば、感情も書き換わります。
認知を再構築することで、同じ現実でも「イヤな気持ち」は“存在しなくなる”のです。
これは心理学的にも“再評価”と呼ばれる効果的な技術です。
📌ブレない自分を作るためにも「リフレーミング」は役立ちます👇
苫米地式「イヤな気持ち」を消す実践ステップ
書中では、理論だけでなく実践的なワークも紹介されています。ここでは4つを抜粋して紹介します。
1️⃣感情に名前をつける
「私は今、怒っている」とラベリングするだけで、感情との距離が生まれる。
2️⃣ 出来事を言い換える(リフレーミング)
「なぜ自分はこう感じたのか?」を別の視点から言い換えてみる。
「相手が悪い」ではなく「自分の脳がそう解釈した」と再定義。
3️⃣ 理想のゴールを設定する
“心が安定している自分”をイメージし、その未来を「すでに達成している前提」で過ごす。
脳は現実をそれに合わせて再構築しはじめる。
4️⃣ 「嫌な過去」も書き換える
失敗を「笑い話」に変える。快の感情嬉しい、楽しい)で“アンカリング”し直す。
実際のワークを少しでも試すと、「自分の感情の正体が見える」瞬間を体験できます。
日常のストレス、人間関係のイライラ、不安や焦りに悩む人ほど、“感情のメカニズム”を知ることの強力さを実感できるはずです。
まとめ:感情を変えるのではなく、“自分を変える”
苫米地英人著『「イヤな気持ち」を消す技術』は、本書は単なる単なる「ポジティブ思考本」ではありません。
認知科学と脳機能学をベースにした、心の操作マニュアルです。
「イヤな気持ち」は敵ではなく、「あなたの脳が送るメッセージ」。
苫米地さんの方法は、そのメッセージを正しく“翻訳”するための技術です。
心の反応を、自分で書き換える。
この力を手に入れれば、ストレスに左右されない「自分の人生」が始まります。
本書は、感情の波に飲まれがちなすべての人に贈りたい、“思考の再起動マニュアル”です。
ぜひ読んでみてください。きっと、「心の扱い方」が根本から変わるはずです。
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