- 人生の最大の無駄は「後悔」。なぜなら過去は変えられないからー
それでも、後悔を繰り返すのは、「選択」に自信がない、つまり、「自分軸の選択」ができていないから - 人は、選択に正解がある、後悔は悪、選択はやり直せないと思っている。しかし、それは誤解。なぜ、誤解なのか理解することなく、選択上手にはなれない
- 勝間式 超ロジカル選択術のポイントは3つ。この選択術を実践するための方法が、9つの分野別(価値観/時間/お金/人間関係/知識/健康/感情/消費/環境(仕事))に解説される。超ロジカル✕シンプル✕実践的!
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Kindle Unlimited読み放題対象本
『勝間式 超ロジカル選択術』ってどんな本?
人生の最大の無駄は「後悔」。なぜなら過去は変えられないからー
しかし、それでも、後悔を繰り返すのが人間です。
では、なぜ後悔してしまうのかー。それは、「選択」に自信がないからです。
人生は「自分の選択」の結果の積み重ねですが、「自分の軸がない」と、選択(判断)の方向性が定まらないため、軌道修正⇒後悔が多くなります。
勝間和代さんの『勝間式 超ロジカル選択術』は、どうすれば最適な選択ができるのか、大事な指針を与えてくれる1冊です。最初に【結論】を述べますが、『勝間式 超ロジカル選択術』のポイントは3点です。
- 選択肢を増やす
- ベターな選択をしやすいように仕組み化する
- 常にバックアッププランを用意する
本書では、上記を実生活で実践するために、まずは、多くの人が持つ「選択に関する誤解」を明らかにしたうえで、具体的な方法が、9つの分野別(価値観/時間/お金/人間関係/知識/健康/感情/消費/環境(仕事))に解説されます。
ロジカルな選択が日常生活でできるようになれば、リスクをとれるようになり、選択することで経験値が増えていくので、さらに選択肢が増えていくという好循環が生まれます。また、何度でも選択をやり直せるようにするバックアッププランがあれば、たとえ失敗しても、後悔を最小化しつつ、学ぶ機会が増やせます。そして、より快適な人生につながっていきます。
過去に勝間さんの本を複数冊読んだことがある方は、本書で語られる内容は重複するかもしれません。しかし、「選択」というテーマに特化することで、過去の教えが「なるほど!こんな風にも活用できるのか!」と深まるはずです。
とにかく、ロジカル✕シンプル✕実践的です。私は過去に何冊も勝間さんの本を読んでいますが、それでも、大いに役立つ1冊でした。
選択に関する「3つの誤解」
私たちは、何かを決める際、とても悩みますが、そもそも、選択に正解はありません。
勝間さんは、まず最初に、「選択に関する3つの誤解」を正すことを提案します。
誤解 | 考え方の正し方 |
---|---|
世の中の選択には正解がある | 選択に正解ははない。唯一の最適解もない 「自分の軸」を持ち、選択せよ |
後悔イコール悪 | 後悔はするものと受け入れよ そのうえで、後悔を最小化ができる選択をせよ (事前に、リカバリー策を考えよ) |
選択はやり直せない | やり直しはできる |
【補足】選択に関する「3つの誤解」
❶そもそも、100%正しい選択はありません。理由は、「未来が不透明」であることに加えて、「リスクやリターンとするかが、人によって異なる」からです。しかも、時間の経過とともに正解(らしいもの)も変化します。
どの選択も不完全な部分がある故、「リスクとリターンの見極めできない」と悩み、「わずかなリスクも負いたくない」と判断・行動ができずじまいになります。だからこそ、選択・行動をしやすくするために「自分の選択の軸」が必要なのです。
❷後悔は「悪」ではありません。「次はもっとよくしたい」と考えることは大事ですが、これはつまり、「今がベターとは言えない」と自己認識しているからです。
だから、勝間さんは、後悔を受け入れた上で、「後悔最小化」するために、一定の確率で失敗することを見越して物事を組み立ておく(リカバリー策を講じる)ことの必要性を説きます。
❸ 多くの人は一発で正解にたどりつこうとします。しかし、この考えは捨てた方がいい。よりよくするには、トライ&エラーが必須です。たくさんの選択を重ねて、失敗や後悔を通じて、少しずつ軌道修正して、正解にたどりつきます。これはまさに、「やり直しの連続」です。
最もよくないこと「選択の先送り」
最悪なのは、正しい決断をしなければと思うあまり、選択を先送ることです。先送りは、選択肢を狭めます。何もしないことは、リスク回避にはなりません。変化・成長がないため、現状維持すらできずに沈みます。
人間は「変化したがらない生き物」です。私たちの意識には、変わりたくないという欲求が遺伝子レベルで刷り込まれています。今、それなりに生きているということは、最低限の生存環境がそろっている証です。そのため、非合理ですが、現在の得は3割増に見え、未来の得は3割減に見えるます。
しかし、「ただ生存」するのではなく「よりよく生きる」には現状維持バイアスを意識的に外す必要があります。
一度にすべて選択(決定)する必要はありません。むしろ、 小さな選択を少しずつ重ねていくほうが、失敗は減ります。自分が不完全であることを前提に物事を組み立てるべきです。
一つの判断方法として、「2年後に死んでも100歳まで生きても後悔しないように」という基準を持ってみるといいかもしれません。
【実践】分野別、超ロジカル選択術
選択とは、「限られた時間の中で配分を決めること」です。
勝間さんは9つのテーマを取り上げ、それぞれの分野で「どう選択するとよいか」、良質なアドバイスを与えてくれます。以下では、様々なアドバイスの中から、私が再び見返したいと思った内容の備忘録です。
自分軸をつくる【価値の選択】
- 私たちの行動は誰かに強制されたものではない
あくまでも自分の中にある「上質世界」に近づこうとして、最良とおもわれるものを選択している - 自分が選択できること、できないことを切り分けることが大切。後者で悩むのは、時間のムダ
選択できないこと:❶過去の出来事 ❷他人の行動や性格 ❸自分の感情
選択できること :❶将来の行動や考え方 ❷他人の言動の受け止め方 ❸毎日の習慣 - 「5つの基本的欲求」を知ることで「自分の軸」が明確になる
❶生存の欲求 ❷愛・所属の欲求 ❸力・価値の欲求 ❹自由の欲求 ❺楽しみの欲求
上記の内、どの欲求が満たされれば一番嬉しいか。これを基準に選べばよい
これで、他人の意見や世間の評価にも流されなくなる。
有限性を受け入れる【時間の選択】
- 私たちの一番大事なリソースは時間。よりよい選択には、時間の有限性を受け入れることが大切
- 1日を1000分の時間予算で考える。その時間に、自分にとって大切なものを振り分ける
- 時間を味方につける一番の方法は、「複利効果」を取り入れること
- 1日、0.2%の改善を続ける。昨日より今日、今日より明日のほうがよくなるように努める
- 末広がりになる人生のために、健康・体力が減価していくよりも速いスピードで資産を積上げる(先細り回避)
- 失敗したときは速やかに損切り
過去は変えられない。くよくよするのではなく、速やかに損切りして、失敗から得た学びを糧に、次に進む - 速やかに損切りする3つのコツ
❶「このままで大丈夫かな」は危険のサイン
❷バックアッププランを用意しておく
❸損切りは人生の糧と考える
時間割引率を理解し、目先の欲よりも将来の利益を選択できる仕組みをつくる - コスパ+タイパ=コスタイパ を意識する
人生において最もコスタイパの高い投資は、食事と睡眠。これほど手軽に幸福感を得ることができるものはない - やりたいことは前倒しで全部やっていく
変化のスピードが速い現代、我慢や地道な努力を積み重ねたところで、報われるとは限らない
実際にやれば、経験値が増える
最強のマインドブロック【お金の選択】
- 将来の選択の幅を狭めてしまうもの:お金
判断を狂わせてしまうもの :お金不足、睡眠不足、依存 - 投資と消費
投資:将来、プラスのリターンをもたらしてくれるもの。時間が経っても価値が消えないもの
消費:使ったらなくなるもの。数年で価値が消えてしまうもの - 無駄を省いたお金で、将来プラスのリターンをもたらす「資産(ストック)」にどれだけ投資できるかが鍵
これが習慣化できれば、お金は自然と貯まる - お金を使うときは機会費用を考える
値段の高い安いだけでなく、そのお金があったら他にどんなことができるのか考える
住宅ローンは最大の機会損失 - 節約したければ8時間睡眠
浪費の一番の原因はストレス。睡眠が十分ならストレス減。交感神経と副交感神経のバランスがとれ、幸福感UP
付き合う人で人生は変わる【人間関係の選択】
- 増やすべき人間関係は「弱いつながり」
よく知っている人同士では、バックグラウンドが似通り、新しい情報が得られる可能性は小さい
「弱いつながり」の人は、自分の知らない情報をもたらしてくれる可能性が高い - 相手を変えるのではなく「距離」を変える
人間関係の悩みの多くは、相手との距離を適切にコントロールできないところから始まる - 人間関係を築く上で一番大切なのは、利他的であること。利他とは究極的には他人のためではなく、自分のため
- 年下の友人を増やそう
狭い世界から抜け出す武器【知識の選択】
- 知識は選択の幅を広げる
- 知識を得る一番の方法は「経験」。次は「本」
- ニュースより知識(交通事故のニュースより交通事故統計)
- リスキリング(学び直し)のすすめ
- 結晶性知能を武器に!歳をとっても、学べば学ぶほど向上する
流動性知能:推論力や直感力に代表されるもの。 20 歳前後にピークを迎え、その後は低下の一途をたどる
結晶性知能:言語能力や理解力、洞察力など、長年にわたる学習や経験から獲得していくもの - 知識や経験を増やすことで、
バックアッププランを上手に準備できるようになる
予算や時間、気力・体力など、自分がもつリソースも見極められるようになる - 学習は失敗からしかできないという人間の仕組みを徹底的に利用する
絶対的最優先事項【健康の選択】
- 健康はすべてに勝る資本
- 健康で大事な選択は、「食事」「睡眠」「運動」
- 大事な選択は「寝てから」
- 副交感神経優位の時間を作る
- 健康的な生活には、お金はかからない。ジム・サプリより健康的な食事&ちょこまか活動
感情に左右されずに生きる【感情の選択】
- 感情はコントロールできないことを前提に、物事を組み立てる
- 間違っていると知りながら選択してしまうとき、一時的な感情に支配されていることが多い
特に起こっている時、悩んでいる時、私たちの認識は歪んでいる - 一時的な感情に支配されて、選択を誤らないためのポイント
❶感情と行動の間に一拍置く。感情に頭が支配されているときは、とにかく行動しない
怒りを感じたら6秒待て。怒りを司る大脳辺縁系ほど素早く、理性を司る前頭葉は動けない。
❷余裕を持つ。余裕がないと人は謝る - 相手の感情に巻き込まれない
- 時間にいつも遅れてくる人とは距離を置く
利己性が高く、時間管理力がなく、また、自己コントロール力も低い - 言語能力(前頭葉)を鍛えて感情に振り回されない
感情に振り回される人は、この部分が未発達。大脳辺縁系が司る感情や本能のままに行動してしまう
言語能力を養うことで、理性や思考力が強化。感情をコントロールできる - ネガティブな感情を否定する必要はない。ネガティブ感情の中に、生きるヒント。受け入れ、共存
- 内省の時間をもつ
自分が何をしたいのか、どんなふうに生きたいのか、自分自身に問いかける時間り、リスト化する - うらやましいと感じたら、具体的に何が羨ましいか、取り入れられる方法がないか考える
- やみくもに問題を解決しようとしない。まずは、問題を特定し、小分けにし、それぞれの解決策を考えよ
快適さと欲望のはざま【消費の選択】
- 広告は、無意識のうちに選択を歪ませる。見ないに限る
- 所有価値ではなく体験価値で選ぶ。地位財による幸せは長続きしない。非地位財による幸せは長続きする
- 荷物(所有物)を減らせ。荷物が重いほど行動範囲が狭まる
フットワークが軽いと、セレンディピティが増える。結果として選択肢が増える
私たちはどこへでも行ける【環境(仕事)の選択】
- 収入を決めるのは、環境9割、能力1割
業績が伸び悩んでいる会社にいる限り、どんなに優秀で努力を重ねたところで、給与は増えない - 環境要因があることを知った上で、自分の居場所・住む場所を戦略的に決めろ
- 世の中は少しずつ変化する。その変化を察知して、環境に適応せよ
もう一つ大事な「忘れる力」
- 挑戦して、失敗したら「忘れる力」で次に進む
- 忘れるには、新しい記憶で上書きするのがベター
- いやな記憶がリピート再生し、ネガティブな記憶を強化しないために「三毒追放」
「妬まない・怒らない・愚痴らない」が大事
最後に
今回は、勝間和代さんの『勝間式 超ロジカル選択術 後悔しない自分になる!』からの学びを紹介しました。
上記メモは、あくまで、”私”が記憶にとどめたいと思った箇所のみに過ぎません。本書にはまだまだたくさん、ロジカル✕シンプル✕実践的な考え方・行動の仕方が紹介されています。
読んで絶対に損のない1冊です。読んでみることをおすすめします。