- コミュ力は、「相手に気持ちよく話させる力」
- コミュ力が高い「コミュ力お化け」たちは、一切特別なことをやっていない。相手に寄り添い、心を動かすことを徹底的に行う
- 紹介されているコミュ力技術は、日常生活ですぐに試せるものばかり。意識すれば、確実に人間関係は円滑になる!
★★★★☆
『超コミュ力』ってどんな本?
コミュニケーション力(コミュ力)の高い人は、「話が上手い人」だと思っていないでしょうか?
「コミュニケーションすること」と「話すこと」とは違うと教えてくれるのが、田村淳さんの著書『超コミュ力』。
プレゼンテーションで求められる力は人にうまく伝える「話す力」であるのに対し、コミュニケーションで大切なのは、人と心を通わせることです。
コミュ力は、一言で言えば「相手に気持ちよく話させる力」です。自分の話を強要するのではなく、相手の話に耳を傾け、理解し、共感することがコミュニケーションの基本。「この人といると、ついつい話してしまう」人になることであり、「話す技術」より、「聞く技術」が求められます。
本書は、タレント本だと侮ることはできない、とても良質なアドバイスが詰まった、読んで損なしの1冊です。コミュ力お化けのコミュニケーション方法がわかりやすく解説されます。紹介されている技術は、日常生活ですぐに試せるものばかりです。意識すれば、確実に人間関係は円滑になります。
- コミュニケーションがうまくいかない方
- 人ともっと深くつながりたい方
- 人脈を広げたい方
コミュ力お化けのコミュニケーション
田村さんは人間マニアで、好奇心から「コミュニケーション能力お化け」を長らく観察してきたそうです。その結果、気づいたのは、「コミュ力の高い人は一切特別なことをやっていない」という事実です。
コミュ力お化けが実践していること
- 相手を安心させる自然な笑顔をする
- 表情が豊か
- 上手にうなずく
- いいね!をよく使う
- 相手の話を取らない、遮らない、奪わない
- 話が広がる質問をする
一見、簡単そうですが、実は上記6項目を愚直に実践できている人は多くはありません。
繰り返しになりますが、コミュニケーションでは、「伝えること」より「相手と心を通じ合わせる」ことのほうが大事です。流暢に話すとか、腹がよじれるくらい人を笑わせるとか、そんな話力を磨いているわけではなく、少々話し方は不器用でも、相手に寄り添い、相手の心を掴み、心を動かすことを徹底的に行います。
コミュ力お化けは、人の上行く反応で対応する
❷:ミラーリング効果を活かしたコミュニケーションです。相手の言動やしぐさなどをマネることにより、相手に親近感を持たせたり好感を抱かせる心理テクニックです。コミュ力お化けは、相手の感情より豊かな表情で行います。嫌味にならないオーバーアクションで、相手以上に笑ったり、悲しんだりを自然と行います。
❸:コミュ力お化けは、うなずくタイミングが絶妙です。相手とテンポに合わせて、「話の句読点」で強弱をつけてうなずきます。相手は「ちゃんと話を聞いてくれている。共感してくれている」と安心しながら、気持ちよく話すことができます。
意見が違っても、まず「肯定」
❹:コミュ力の高い人は、積極的に「いいね!」という言葉を使います。ここに、「すごい」「なるほど」「そうなんだ」の3語も合わせれて用いれば、相手はそれだけで気持ちよく話せます。
❺:多くの人がやってしまいがちなのが、話の寸断です。「それ知ってる」といって、話を遮ります。相手はあなたの話を聞きたいのではなく、「自分の話を聞いて欲しい」。話を知っていても、時にはあえて知らないフリをするのも、コミュニケーションには必要です。
❻:コミュ力お化けと話していると話がどんどん盛り上がるのは、彼らの質問で、話が広がっていくからです。意見を否定せずに、ひたすら肯定し、質問し続けることで、「相手は気持ちよく話せる」のです。
相手の距離を縮める「質問力」
質問は、相手に興味があると示すサインです。では、相手との距離を縮めるために、どのような質問をすればいいでしょうか?
難しい質問は不要です。基本の「5W1H」でOK。特にwhy(なぜ?)を聞くと、相手との距離は縮まります。
質問すると有利になる
質問者という立場は一見受け身に見えます。しかし、コミュニケーションにおいて大きなメリットがあります。相手が話している間に、質問を考えることができ、時間的にも余裕が生まれるからです。
ずけずけ切り込んだ質問をしても嫌われない人がいますが、それは、「あなたの人生に興味があること」「知るために質問していること」が相手に伝わっているからです。きちんと向き合って話せば、嫌われることはありません。
「初対面で何を話していいかわからない」という悩みも、「質問者になる」と決めれば解決します。相手の夢ややりたいことなどの〈欲望のデータ〉を取るところから始めると、相手の興味・関心がわかり、その後のコミュニケーションは格段に楽になります。
人に質問するときに大切な4つのこと
- 自己開示
- 質問のハードルを下げる
- 必ず共感を入れる
- わからないところは「ちゃんと聞く」
結構ないがしろにされがちなのが❹です。「それってどういうこと?」と、わからないところはちゃんと聞かないと、相手の会話は薄っぺらくなっていきます。
人間関係がうまくいくコミュニケーション 4選
本書では様々なコミュニケーション術が紹介されています。4点をピックアップして紹介します。
損得勘定を否定しない
コミュニケーションで損得勘定を考えることに、罪悪感を感じる方は多いと思います。しかし、ほとんどの人間関係は損得関係です。利害があるから、人はコミュ力を使って相手と仲良くなるのです。
本当のよい人間関係は、本当の人間関係は損得関係にはじまり、「損得を超えたとき」に生まれます。
「嫌な感情」を伝えたい時
嫌なことをされたり、言われたりしたとき、やり過ごすのはよくありません。波風を立てることを恐れて自分だけが我慢しても互いのためになりません。大事なのは、ヘラヘラせず、相手の目をしっかりと見て、 「いまの発言は許せません」 「あなたのそういうところは嫌いです」とまっすぐ伝えることです。
大事なのは、この時、理由を伝えること。相手の人格を否定するのではなく、自分との価値観の違いを明らかにすることです。「仲良くなりたい/関係をよくしたい」という気持ちを前提に、「この部分が嫌い」と伝える。これで、人間関係が改善されることはよくあります。
「指摘」と「否定」は非なるもの
会話は「肯定」が基本です。
会話において相手を論破したり否定したりする行為には、相手とうまくやっていこうという気持ちは最初からなく、一方的にマウントを取ってやろうとする攻撃心が見え隠れします。「指摘」と「否定」は似て非なるものです。
「面白い」と「楽しい」の違いを知る
面白い話ができないと思っている人は、「『面白いこと』ではなくて、『楽しいこと』を追求していく」のがおすすめです。
「楽しい」は自分が起点で楽しむことから始まります。 「面白い」は技術がいりますが、「楽しい」は誰でもつくれます。まずは自分が楽しみ、そしてみんなに楽しんでもらうと考えれば、ハードルがぐっと下がります。
最後に
今回は、田村淳さんの『超コミュ力』 からの学びを紹介しました。
「コミュ力は、相手に気持ちよく話させる力」というシンプルな解は、とても心に響きました。本書には、日常のちょっとしたシーンで活用できる、今すぐ実践できる方法がさまざま紹介されています。ほんのちょっとした気遣いで、誰でも人間関係が改善できることに気づけると思います。
コミュ力を高めれば出会いが変わる。
コミュ力を高めれば笑顔が集まる。
コミュ力を高めれば毎日が楽しくなる。
コミュ力で楽しい毎日を手に入れましょう!