- 脳はいとも簡単に騙される!脳を上手にダマして、人生を激変させる指南書
- 人は生まれたときは超ポジティブ!赤ちゃんには「できない」という概念がない。成長し、理屈で考えるようになり、ネガティブになる
- 脳科学の知見から、ポジティブ脳に書き換える具体的な方法が学べる
★★★★☆
Audible聴き放題対象本
脳科学
『錯覚の法則』ってどんな本?
あなたは、ポジティブとネガティブ、どちらのタイプですか?
前者は「肯定的錯覚」をする人、「否定的錯覚」をする人です。全ての人はこの2つのタイプに分けられます。脳の特性上、正反対の2つのことを同時に思考することはできないからです。
今回紹介の『錯覚の法則』は、脳を上手にダマして、人生を激変させる指南書。脳と錯覚の関係性を紐解きながら、脳を錯覚させる具体的な方法をわかりやすく手ほどきしてくれます。これまで「前向きになれば、成功できる」と述べる自己啓発書は散々読んできた人も、ご安心!スピリチュアルな精神論にとどまることなく、脳科学の知見から、具体的な実践法が紹介されます。
脳はいとも簡単に騙されます。実は、脳が正しいと思っていることのうち99%は錯覚です。しかも、脳の機能そのものに、ほとんど個人的な差はありません。
問題は、脳をどう使うかー。ビジネスで成功している人の多くは、「自分は運がいい」と思い込んでいるから、ポジティブに前進し、成功を勝ち取ります。
ネガティブなあなたがやることは、「否定思考のソフト」に侵された脳コンピューターを正常化するためにも、「肯定思考ソフト」をインストールすることです。本書で、脳の働きについて学び、それを活用して、自分の夢や目標を達成させましょう!
- スピリチュアルにとどまることなく、脳科学の知見から、ポジティブな自分を手に入れたい方
- 自分の人生を変えたい方、成功したい方
- 脳科学に興味のある方
脳はいとも簡単に騙される。錯覚のメカニズム
そもそも、錯覚はどのように起こるのでしょう。そのためには、簡単に脳の3層構造を知る必要があります。
脳と錯覚
脳は三層構造でできています。
大脳新皮質 | 知性脳 | 一番外側の新しい脳。ロジカルに考える理屈脳。右脳、左脳 |
---|---|---|
大脳辺縁系 | 感情脳 | 食欲・性欲などの本能、欲望、怒り不安などの感情を司る |
脳幹 | 反射脳 | 自律神経やホルモンをコントロール。生命維持を司る原始的な脳 |
3層の脳の基本的な働きは入力と出力です。入力(問いかけ)に対して出力(応答)する。
「どうしてできないんだろう」と考える(入力)すると、脳は「できない」理由ばかりを探し、「できない」とフタタに脳に入力します。つまり、脳は「私はできない」というマイナスの錯覚を繰り返していると、マイナス思考に支配されて前向きな努力を放棄。自ら「できない私」を作ってしまうのです。
人生を決める脳:IRA
私たち人間は大脳新皮質「知性脳」が極端に肥大化した動物です。だからこそ高度な文明を築くことができました。しかし、行動そのものを決定するのは、大脳辺変形と脳幹を合わせた動物的な古い脳(IRA:Instinct Reflex Area)です。「理屈」ではなく、「感情」と「無意識は反応」で行動します。「理屈ではわかっているけど…できない」のはこのためです。
IRAにポジティブな記憶を刷り込むことが大事です。IRAは「現実と想像」、「自分と他人」「過去と未来」のいずれも区別できません。つまり、「いい思い込み」を刷り込めばOKなのです!
人は、超ポジティブに生まれてくる
赤ちゃんは超ポジティブ思考です。「できない」という概念がありません。何度転んで泣いても立ち上がって歩こうとします。実は、人間誰しもポジティブだったのです。それが、成長する過程で「理屈」で考えてネガティブになってしまうのです。
ちなみに、私たちの記憶の大半は、経験ではなく「想像」です。成功者が経験がなくても新しいことを実現するのも、「できない」と考えないからです。
成功者は上手に錯覚を操る
「成功している人」と「成功できない人」は、生まれつき、能力差があるわけではありません。
違いは、よいイメージを持てるか、良い錯覚ができるか。ただそれだけのことです。
俺は優れている!「優越の錯覚」
成功者は、自分のことを「普通の人より優れている」と錯覚しています。これが「優越の錯覚」です。客観的に見て優れているかどうかは関係ありません。「俺、超デキる!」と思えば、自信がでてきます。
「優越の錯覚」の持主は、自分の短所を深刻に悩んだりしません。劣等感に苛まれたりしません。自分に自信があるので、前向きに改善策を講じるたり、あるいは、短所も愛嬌と他人が思ってしまうぐらい長所を伸ばします。
成功に欠かせない「3感力」
社会的にも人間的にも成功したければ、身につけたいのが「3感力」です。
運感力 | 根拠がなくても「私はついてる!」と思える力 ついていると思うことが、運がいい人/コトを引き寄せる |
---|---|
喜感力 | 喜びを感じる力 人を楽しませることで運が回ってきたり、辛いことも乗り越えることにメリットを見出し、前に進める |
恩感力 | 恩を感じる力 素直な心で感謝し、人のためになることが進んでできる。器が大きい人は間違いなく持っている力 |
まず最初に大事なのは「運感力」。運感力がある人は、物事の考え方が「自責的」です。起こることのすべては自分自身の将来の糧になると信じているので、問題は自分にあると捉えて解決策を考えます。
一方、運感力がない人は、物事の考え方が「他責的」で問題が起こると思考停止します。状況をよくするためにどうすればいいかを考えないので、いつまでたっても問題は解決できません。「運」とはいわば、周囲の環境のことなので、「おかれた環境が悪い」と他責な考えをします。こうなると、怒り・妬みをも湧いてきます。こうして、負のフィードバックがかかり、ますます運に恵まれなくなってしまうのです。
【実践】脳をその気にさせる思考習慣・行動習慣
さて、それではどのように「脳をその気にさせればいいでしょうか。ここからは具体的な方法を見ていきます。
感情脳を「快」に戻す能力を磨く
脳は、「快」と「不快」を常に揺れ動いています。真のプラス思考になるには、感情脳が「不快」に振れても、すぐに「快」に戻せる能力を磨くことです。
このために、使えるテクニックが、ご機嫌になれるキーワードを用意し、感情が不快に傾いたら、おまじないのように唱える方法です。
最強キーワードの一つが「ありがとう」。
自分にとって辛いこと・苦しいことも、「私に乗り越えるべき壁を作ってくれて、ありがとう」と考えるのです。
言葉以外にも、イメージ(妄想など)、ボディーランゲージ(腕組みなど、自信のある態度)でも、感情脳を「快」に戻すことができます。
劣等感の改善に「長所の書き出し」
劣等感が強い方は、「劣等感を捨てなさい」と言われても捨てられません。そこで行うのが、「自分の長所を5つ書き出して、自分に言い聞かせる」ことです。
「この点については人よりも優れている!」と脳に錯覚を起こすことが、成功への第一歩です。長所が伸びると、「劣等感という錯覚」から逃れることができます。そして、人に褒められたら、素直に喜びましょう。
負のマインドコントロールに毒されていないか点検
世の中には、いろんなマインドコントロールが溢れています。よく耳にする以下もマインドコントロールです。
- 有名だから、学歴があるから凄い
- 貧乏人は性格がよく善人、金持ちは性格が悪く悪人
誤ったマインドコントロール状態のまま、日々判断していては、いい方向に向かうはずがありません。いわゆる「常識」を疑いましょう。
大きな目標は、小さな目標に細分化する
夢があっても、大きな目標では、具体的な行動につながりません。具体的な目標を立てて、「よしやるぞ!」と行動に移せるようにすることが大事です。
- 今ある前提条件を分析。強みを徹底的に分析し、方向性を決める
- しっかり予見をしたうえで、目標を決める
※しっかり予見をすれば、頭の中に鳥観図ができる。ミスをしても、リカバリーが早くなる
※明確な目標・目的は、苦労を楽しむ力となる - 行動、試行錯誤、修正を繰り返す
「相手になくて、自分にあること」を考える
私たちはすぐに、自分と他人を比較します。そして、「相手にあって、自分にないもの」を見つけては、ひがんだり妬んだりします。この考えを失くすには逆転の発想「相手になくて、自分にあること」を考えることです。
この考えで自分に自信がつくばかりか、人・環境に感謝できます。例えば、日本人に生まれただけで、飢えることなく、戦争のない社会で生きていられます。しかし、世界を見渡せば、マズローの5段階欲求のうち、「生理的欲求」「安全欲求」さえ、満たすことができない人が大勢います。それを思えば、自分の環境に感謝できるはずです。
最後に
今回は、西田文郎さんの『錯覚の法則』からの学び・活かし方を紹介しました。
やることは、脳を騙すだけ。費用も不要で、今すぐできます!本書には、ここで紹介した方法以外にも、なるほどと思える具体的な方法が紹介されています。「自分を変えたい」という人は、騙されたと思って、この機会に一読を!