- 集中力は人生そのものを立て直す“土台の力”
集中力はただの「作業効率を上げるスキル」ではない
集中できれば、仕事も、勉強も、人間関係も、そして心の安定さえも手に入る。人生の質を変える。 - スマホは集中力最大の敵
スマホや通知が集中力を奪う元凶。時間も搾取され、意志力が弱い人をさらに依存に導く - 集中力は鍛えられる「技術」。天から授かりし「才能」ではない
集中力は環境・習慣によって高められるスキル。本書では、その実践的な高め方をわかりやすく紹介
★★★★☆
Kindle Unlimited読み放題対象本
『集中力がすべてを解決する』ってどんな本?
「やる気はあるのに、集中できない」「ついスマホを見てしまって、気がつけば一日が終わっている」。
そんな現代人にありがちな悩みを、精神科医でありベストセラー作家の樺沢紫苑さんが根本から切り込んだのが、著書『集中力がすべてを解決する』です。
作業効率アップのハウツー本? いいえ、それだけではありません。
集中力が高まれば、あらゆる問題が解決する
樺沢さんが本書を通じて強調するのは、集中力はただの「作業効率を上げるスキル」ではないということ。
本書が語る集中力とは、人生そのものを立て直す“土台の力”。
集中できれば、仕事も、勉強も、人間関係も、そして心の安定さえも手に入る
集中力こそが人生の質を左右し、あらゆる悩みを根本から解決するカギである——
そんな圧倒的なメリットが、理論と実践の両面から解き明かされていきます。
集中力が変われば、世界の見え方、人生が変わる

集中力がある人は、短時間で質の高い成果を出せる。
すると、時間に余裕が生まれ、心も安定し、自信がついてくる。
さらに、集中力を支える生活習慣(睡眠・運動・食事)を整えることで、よりメンタルが強化される。
樺沢さんはこう言います。
「集中力とは“今、ここにとどまる力”であり、“幸せな人生”の入り口」
つまり、集中力を高めることは、人生のベースを整えることそのものなのです。
「健康・人間関係・お金と成功」——人生の三大幸福は、実は集中力の上に築かれている。
逆に、これらに恵まれないと感じるなら、それは「集中力を奪われた生活」によるものかもしれません。
スマホは“集中力泥棒”——あなたの脳がハックされている

スマホを近くに置いているだけで、脳の認知能力は低下する——この衝撃の事実、ご存じですか?
本書では、スマホを“集中力最大の敵”と断言。
たった一度のスマホ操作でも、脳は15分以上、集中を回復できなくなるとされています。
プライベートでも、スマホは、便利で面白く、ドーパミンを刺激。意志力の弱い人を依存へと導きます。
あなたの生産性・人生を削っている犯人は…. ポケットの中にいます。
「集中できない」のは意志の問題じゃない ー集中力を奪う根本要因
集中力が下がるのは、意志の弱さではなく、「脳がそういう状態になっているから」です。
- 日々の疲れや生活リズムの乱れ
睡眠不足→仕事の効率低下→仕事遅延のプレッシャー→ストレス増
こうなると、ダムが決壊するように、一気に不調の波が押し寄せる - 慢性的なストレス・脳疲労
ストレスで集中力の制御に関わる前頭前野の血流が低下→ワーキングメモリが縮小→脳がすぐにオーバーフロー
こうなるとろくなことが起きない。
自己洞察力を高め、「疲れている」ことにできるだけ早く自覚し、対処することが重要
「集中力を鍛える」=「生活の質を底上げする」
生活習慣こそが、集中力を決める。本書で紹介される「生活改善テクニック」は非常に具体的です。
- 睡眠:脳のメンテナンスは睡眠中にしかできない。6時間以上が最低ライン
- 食事:糖質依存は集中の大敵。集中したいなら、血糖値を安定させる食事を
- 運動:脳を強化する「最強のブースター」——続ければ思考力も記憶力も向上
集中できる人は、総じて“生活が整っている人”。
仕事も、家庭も、自分の時間も、無理なく満たされている—— 会社で一目置かれる人の多くが該当しています。
ゾーンに入る9つのテクニック——集中は「再現」できる

「気づいたら何時間も没頭していた」というあの感覚。
本書では、意図的に“ゾーン”に入るための9つのテクニックも紹介されます。以下はその一部です。
- シングルタスク
- 時間に追われない状況を作る
- 雑念が入らない環境を整える(デスク整理 など)
- TO DOリストで迷いをなくす
- 「チョイ難題」に挑む(やさしすぎる課題では、ゾーンに入れない)
ポイントは、集中は“気合”ではなく、“環境と習慣”で手に入れること。
時間・周囲が気になること、気持ちがテンパることを排除。入力→思考→整理→出力という一連の「脳の処理の流れ」 をスムーズにすると同時に、朝時間の活用など、脳のワーキングメモリを効率的に使うことが大事です。
ワーキングメモリを鍛える9つの方法 ——さらに集中力を上げる
集中できる環境を整えるのと同時にマスターしたいのが、
・脳のパフォーマンスそのものを高める と同時に、
・脳のワーキングメモリの効率的な使い方をマスターする
ことです。本記事では割愛しますが、9つの方法が紹介されています。
【実践】集中力を高める私の習慣

私自身、これまで多くの集中力本を読み実践してきましたが、本書は特に“本質的”かつ“効果的”な内容が詰まっていると思います。樺沢さん同様、私も、集中力は気合いではなく、「環境と習慣」と考えます。
ちなみに、私が実際に行っているのは、例えば以下のようなこと:
- 仕事中はスマホを触らない
- 家をキレイを保つ
- 仕事道具は、モチベーションも作業効率も上がる質のいいモノを使う
(集中デスク、ノイキャンイヤホン、まとめやすいノート、書き味のいいペン など) - ジムに通い、運動・読書・入浴・サウナ・瞑想をする
まず実践しやすいのは❸。ペン1本でも、道具は大事です。書き味が悪いだけでも脳はハックされます。
❷の基本は「捨てる」です。捨てることを悩まず、バッサリ捨てる。捨ててしまえばモノに心を煩わされません。
最も効果を感じるのは❹運動です。「運動は最強の脳トレ」です。
まず、運動をすると「気持ち」が明るくなります。肩こりが改善されます。
さらに、脳の血流が増え、脳のワーキングメモリが強化され、注意力・集中力が上がります。
結果、記憶力、学習機能など、脳そのもののパフォーマンスが上がります。
ジムで、汗をかき、サウナ・水風呂で整い、体・心・脳のゴミのすべてを洗い流す——
このルーティンは、私の集中力と幸福の土台。
ととのう頃には、「う~ん、今日も幸せ🥰。生きし生けるもの、すべてに感謝!」と心から思えます。
【参考】運動で脳のパフォーマンスを上げるコツ
- 有酸素運動と筋トレの効果が最大化
有酸素運動:脳の神経を育てるBDNF(脳由来神経栄養因子)の分泌で、脳の神経回路を強化。
筋トレ:テストステロンや成長ホルモンの分泌を促進。やる気ホルモンで意欲・競争心・自信・集中力がアップ - 「継続」が大事
BDNFの分泌や神経ネットワークの強化は、3ヶ月以上の継続で本格的に成果が出る。
1回 30~45 分以上の中強度の運動を週に2・3回(合計2時間以上)を推奨。 - 運動後の「クールダウン時間」も脳に効く
運動後の入浴・瞑想・読書は、脳の情報処理・記憶定着に最適なタイミング。
運動で「脳の掃除」がされた後は、知識やアイデアがスッと入る状態になる。
最後に:集中力は才能ではなく「仕組み」でつくれる
今、集中できないのは、あなたの意志が弱いからではありません。
あなたの環境、習慣、脳の使い方が「集中できないように設計されてしまっている」からです。
今回紹介した樺沢紫苑さんの『集中力がすべてを解決する』は、そんな“現代病”に対する、科学的かつ実践的な処方箋となり得ます。
時間がない、やる気が出ない、いつも疲れている——
その根本原因に切り込み、「本来の力」を取り戻したい方は是非!
スマホとの付き合い方を見直したい方は、以下の本もおすすめです。