- ビジネスも人生も、「これから」を病まずに幸せに生きるためには「捨てること」が大事。
「捨てる」ことは、自由を手に入れること。 - モノを捨てていくことが、本当に大切なモノにアクセスする手段となる。
モノ・お金・時間・人間関係・過去のしがらみから解放されると、人生は軽くなる。そして、本当に大切なことに集中できる。 - 堀江さんの「捨てること」「持たないこと」に対する思考は徹底。
ホリエモンの強さ・行動力はためらわず「捨てる」ことにあるとわかる1冊。
★★★★☆
Kindle Unlimited読み放題対象本
『捨て本』ってどんな本?

あなたは大切にしていた「はず」のモノで逆に心が押しつぶされそうになっていないかー
大事なモノだと一度思いこむと、その感情は、強く固定化してしまう。
良くも悪くも、人生長く生きていると、あるいは、一か所にとどまっていると、持ち物は重くなっていきます。
このまま続けても意味があるのか?と思うことも、資金・労力・時間等など、サンクコストへの執着が捨てきれずに、さらに損失・無駄を拡大してしまうことは、一個人であれ、事業であれ、よくあることです。
ビジネスも人生も「捨てる」ことからはじめよう。「これから」を、病まないで生きるために。
『捨て本』は、堀江貴文(ホリエモン)さんが「捨てる」ことを通じて、人生をシンプルにし、より自由で充実した生き方を提案する本です。物理的なモノだけでなく、固定観念や無駄な人間関係、時間の浪費など、あらゆる「不要なもの」を手放すことで、本当に大切なことに集中できると説いています。
堀江さんの「捨てること」「持たないこと」に対する思考は徹底しています。なぜなら、逮捕・収監を通じて、多くを捨てても生きていけること、逆に、持たない・ないからこそ見えた、人生の幸せをご存じだからです。
逆境にあっても未来を見据えながら、今を全身全霊で生きる。
そのために、捨てるべきものは何か。持っていなければいけないものは何か。
本書を読むと、堀江貴文さんの強さはためらわず「捨てる」ことにあることがよくわかります。
本当にそれは必要か?

捨てていくことが、本当に大切なモノにアクセスする手段となる。
後々になってからは「なんであんなものを大事にしていたんだ?」と、首を傾げてしまうようなものは意外と多い。それは、モノであれ、プライド・執着であれ、人間関係であれ、愛情であってもー
本書のメッセージを3点でまとめると次の通り。
- 「捨てる」ことは、自由を手に入れること
- モノ・お金・時間・人間関係・過去のしがらみから解放されると、人生が軽くなる
- 本当に大切なことに集中することで、より充実した人生を送れる
本書では、ミニマリズム的な考え方に基づきつつ、より行動的・実践的な「捨て方」が紹介されます。堀江さんのシンプルかつストレートな語り口が、「不要なものを捨てる勇気」(捨てる割り切り方)を与えてくれます。
以下では、その中からいくつかをピックアップして紹介します。
ホリエモン流「捨てる」「持たない」思考

所有欲:シンプルな生活が生産性を上げる
物理的な所有はリスク(管理の手間、失う不安)を生むだけであり、幸せにはつながりません。モノが多いと、それだけ、モノ・お金の心配に振り回される生活が待っています。モノを捨て、シンプルな生活をすることが生産性を上げます。
- 物が多いと管理に時間を取られる。「選択の回数を減らす」ことで、意思決定のエネルギーを温存せよ。
- モノを減らすと行動のスピードが上がり、人生のステージが高まる。
- 「大切なもの」は思い込み。本当に重要なのはモノではなく、そのモノに結びついた安心感や人間関係への執着。
- モノが捨てられないのは、欲しいモノが明確ではないから。
- 「所有」と「獲得」。この2つは似て非なるもの。決して混同してはならない。
思い込み・プライド・執着・あるべき に縛られず、自由に生きる
豊かに生きるためには、モノや他人への執着を捨て、自分の気持ちに正直に生きることが大切です。常識や理屈に縛られず、本当に必要なモノや価値観を見極めることが必要です。
- 「お金=幸せ」という思い込みを捨てよ。
- 苦しみの原因はプライドを捨てられないことにある。
- 「世間では」「日本人は」といった巨視的な視点で語る人は、自信がない証拠。
- 他人や社会のせいにしても未来は開けない。すべてを自分の責任と考え、主体的に生きることが本当の自信とアイデンティティを育てよ。
- 「時間」をおしめ!迷う時間もおしみ、やりたいことを先延ばしにするな。
- 捨てることを恐れず、必要なものだけを選び取ることで、自分の道を切り開け
人付き合い:刺激の賞味期限みたいなものがある
仕事や人間関係、触れる情報によって、人生のステージは変わっていきます。時間が経てば、興味対象が変わり、価値観が変わり、食事をする場所・遊ぶ場所も変わっていく。結果、友人・仲間にも、刺激の賞味期限が訪れ、話が合わなくなっていくのは、ごく普通の現象です。
堀江さんは、合わなくなった人たちを「捨てる」ことも大事だと力説します。不要な人間関係で時間を費やすのはムダです。それは、「捨てられたくない」側の人にも当てはまります。必死にしがみついても、結局、事態が好転することはあまりありません。
- 友人関係は流動的でよい。趣味や興味の変化とともに関係が変わるのは自然なこと。
- 「友達・仲間を作る」ことよりも、好きなことに没頭すれば自然と仲間はできる。
- 人付き合いはシンプルに。「行きたければ行く、嫌ならスルー」でいい。必要ならば関係を断つ。
- ビジネスはもちろん、プライベートでも、単なる慣れ合いではなく、目的を達成するために、幸せを追求するために、それぞれの時間とスキルを与え合うことが最重要。
- ビジネスパートナーとは利害が一致する間だけ付き合えばよい。
- 言いたいことは率直に伝え、妥協や「空気を読む」ことに縛られない。
- 人間関係で生じる怒りは正しい反応だが、原因を分析し改善に活かすべき。
- 「捨てる」痛みはゼロにはできない。だからこそ、痛みを感じないくらい忙しく、やりたいことに熱中せよ。
本当に捨てるべきは「恐れ」
本当に捨てるべきは「恐れ」。人間関係・自分の立間がまずくなる恐れ、プライドが傷つけられる恐れ、会社を辞めさせられる恐れ、お金を失う恐れ 等。ほとんどの人の行動を制限しているのは、このような「恐怖」です。確かに「防衛本能」としての恐れは必要ですが、我々は、過剰に反応し、自分の発言・行動を抑制します。
堀江さんは、『恐れを捨てるには、本音で生きるしかない』とアドバイスします。
- 「価値観や意見がバラバラである」こと自体が普通のこと。それが、社会全体の正しい姿。傷つくことを恐れて、空気を読み続け、言いたいことを言わずに生きるのはエネルギーの無駄。
- 価値観の違いを受け入れれば、仕事や人間関係はもっと楽しくなる。
- 過去の失敗や後悔にとらわれず、「今、この瞬間」に集中する。未来の不安を捨てて、行動し続けることこそ大事
- 未来は不確定で予測不可能。流れに身を任せ、目の前のことに熱中することで、自分に合った道が開ける。
人生で捨ててはいけないもの
人生において、絶対に捨ててはいけないもの。それは「自分」です。
人生を幸せに楽しく生きるために、絶対に捨ててはいけないのは「好奇心」です。
そして、一か所にとどまることなく、アウェイ(未知の環境)に飛び込む「挑戦」を続けることで、新たな経験とアイデアが得られます。そして、過度な自己評価を捨て、時にはくじけながらも、挑戦し続けることが「老い」をも防ぎます。
大切なのは、どのように時間を使うか? 何を持つか?ではありません
「自分の時間をどう生きるか」を意識して生きることです。 迷ったら時間の早い方を選ぶ。これが鉄則です。
最後に
今回は、堀江貴文さんの『捨て本』 からの学びを紹介しました。
冒頭でも述べましたが、堀江さんの「捨てること」「持たないこと」に対する思考は徹底しています。本記事では省略しましたが、家族・子供に関する考え方もドライです。しかし、それは、「愛がない」というものではなく、互いに時間を大事にするという発想がベースにあるように思います。
シンプルでさっぱりした「捨て方」の考え方は、特に、執着が多い人には参考になるはずです。また、自分が「好きなモノ」がわからない方にも、バサバサ切り捨てることで、「好きなモノ・大切にしたいもの」が見えてくるのではないでしょうか。
是非、本書を参考にしてみてください。