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【書評/要約】生きのびるための事務(坂口恭平) 生きづらい人生を抜け出し、理想の未来を手に入れるために大事なのは、まさかの⦅事務 習慣⦆

【書評/要約】生きのびるための事務(坂口恭平) 生きづらい人生を抜け出し、理想の未来を手に入れるために大事なのは、まさかの⦅事務 習慣⦆
生きのびるための事務」要約・感想
  • 生きづらさから抜け出す第一歩は、「あなたの中」。ペンとノートで行う「事務」という小さな習慣「生きていくため」「生き延びるため」の事務
  • 事務を再定義:事務=「お金とスケジュール」の言語化×数値化
    抽象的な自分の夢や行動を文字と数字に置き換えて、具体的な計画・数字として見える化する技術
  • 悩み書き出し、整え、小さく実践する――この繰り返しが、あなた自身の「小さな革命」「生き延びる自信」につながる

★★★★☆ Audible聴き放題対象本

目次

『生きのびるための事務』ってどんな本?

「生きていくため」「生き延びるため」の事務がある

私たちは「事務」と聞くと、書類の作成や整理など、仕事に関する業務を思い浮かべがちです。しかし、人生において大切なのは、「生き延びるための事務」をしっかりこなすこと。これが、成功や幸せを手にするための重要な鍵だと気づいている人は意外と少ないのではないでしょうか。

坂口恭平さんの『生きのびるための事務』は、自分の理想の人生を勝ち得るために「やっておくべきこと」「やったほうがいいこと」を整理し、実行するための方法を教えてくれる一冊です。 日々感じている不安、なんとなく思い描いている夢をカタチにして、ずっと気になっていたに手をつけ、実行するきっかけを与えてくれます。

特に大切なのは、「お金の管理」と「スケジュール管理(人生管理)」。不安や悩みの多くは、この2つを後回しにしてしまうことから生まれます。

「仕事が忙しくて…」と言いたくなるかもしれません。しかし、他人のための仕事を優先し、自分の幸せにつながるタスクを1ヶ月、半年、1年と先送りしている限り、不安や悩みは増えるばかり。幸せはどんどん遠のいてしまいます。

本書は、著者の坂口さんが、自分の人生を立て直すために考え、実践してきたことを物語形式で紹介。主人公の「私」と、事務作業の達人である「ジム」との対話を通して、「生きのびるための事務」を学んでいくストーリーです。小説仕立てなので、考え方のプロセスがわかりやすく、読み物としても楽しめます。

日々の漠然とした悩みや不安を「事務作業」として具体的に落とし込むことで、少しずつ自分を変えていく。この「悩み解決を作業化する」プロセスは、私にとって大きな気づきでした。

誰にでも始められるけれど、確実に生きやすくなる方法が学べる本です。

こんな方におすすめ
  • もやもやした悩み、将来の不安がいっぱいの方
  • 今の自分を変えたいと思いながらも、何も行動できていない方
  • タスクの整理方法を学びたい方

自分を変える改革はココから始まる

【第1階層】独学のための「行為」:具体的な学び方

「生きづらい」と感じる時、人は大きな変化や劇的な解決策を求めがちです。
そして、答え探しに「成功者の教え」を本やググって探し求め、「その方法は自分には無理だ…」と諦めに至ります。

そんな人たちに坂口さんは、生きづらさから抜け出す第一歩は、「あなたの中」。ペンとノートで行う「事務」という小さな習慣にあると教えます。

悩みを整理し、事務作業のように解決する

生きづらさから抜け出すのも、自分の夢を実現するのも、自由に生きるにも、すべての最初の一歩は、ペンとノートで行う⦅事務から始まると坂口さんは言います。

悩み書き出し、整え、小さく実践する――
この繰り返しが、あなた自身の「小さな革命」につながる。

人の悩みの大半は、お金と見えない将来です。以下の方法で、今の自分を少しずつ整理し、具体的な行動に移すことが不安開所につながります。ここで役立つのが、「現状と未来を言語化×数字化するという事務」です(詳細後述)。

  • 毎日5分、ノートに悩みを書き出す
  • 【お金の管理】収入、支出、必要な金額を把握し、生活の見通しを立てる
  • 【スケジュール管理】未来の行動を書き出し、やるべきことをリスト化する
  • 落とし込まれた小さな作業を、日々、コツコツ実行する

小さな行動が積み重なり、現実が変わる

悩みを書き出し、記録し、行動する。最初は、シンプルなことから始めます。これを続けていくと、実際に生活に変化が見え始めます。これが、自分の人生を自分で整えていけるという「生きのびる自信」につながっていきます。

【実践】今日から始める「生きのびるための事務」

ここまで読むと、よくある自己啓発書だな…と思われたかもしれません。それは、私の要約がつたないせいです。
私が本書で最も大きな学びとなったのは、『事務は「量」を整えること』という気づきです。

「事務」を再定義する

私が最もためになったのは、以下の「事務の再定義」です。

「事務」の再定義
  • 事務=「お金とスケジュール」の言語化×数値化
  • 「事務」とは抽象的な自分の夢や行動を文字と数字に置き換えて、具体的な計画・数字として見える化する技術

【実践】今日から始める「生きのびるための事務」の手順とコツ

具体的には、以下を実行します。表内の❶~❺は、「現在」と「未来の理想」とのギャップを埋める手順です。

事務の内容現在(まずは量を知る)未来の理想
お金の管理❶1ヶ月の収入・支出を明らかにし、どう賄うかを考える❹未来の理想の自分の実現のために、どうやって稼ぐか、具体的な数字で考える
例)何を作って、何個売るか
スケジュール管理❷今の自分の1日のスケジュールを書き出す❸未来(たとえば10年後)の理想の1日のスケジュールを書き出す
現在と未来の理想のギャップを埋める❺ ❹で「未来の現実」を考えた上で、現実に戻る
現在から「未来の現実」が人生の直線状に並ぶようするにはどうするかを考える
  • いかに「具体化」するかー。これが「未来の理想」に近づくコツ
  • 完璧をめざす必要なし。まずは、ざっくり始める
  • 大事なのは、悩みを日々書き出し、やり方を考え、実行するの「継続

「事務」には失敗がない。どうせ最後は上手くいく

事務作業に「失敗」はありません。
うまくいけば、それは「やり方が合っていた」ということ。
逆に、もしうまくいかなければ、やり方を変えればいいだけです。「失敗した…」と落ち込んだり、自分を責めたりする必要はありません。

大切なのは「どうせ最後はうまくいく」と前向きな気持ちで、トライ&エラーを続けることです。トーマス・エジソンの名言に、「私は失敗したことがない。ただ1万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ」という言葉がありますが、その考え方を取り入れましょう。

これを継続するために大事なのは、「毎日楽しく続けられる事務的やり方」を見つけること。結局、人は好きなことしか続けられません。事務は、「自分は何が好きなのか?」を考え見つけるためのツールにもなります。

こうして積み重ねていけば、事務スキルも上がり、悩む時間が減り、すぐに行動できる力がつきます。これは、「生きのびる自信」を高めてくれると同時に、「理想の未来」に近づくことにつながります。

最後に

今回は、『生きのびるための事務』からの学びを紹介しました。

書き出し、整え、小さく実践する――その繰り返しが、あなた自身の「小さな革命」につながる

先にも記した通り、人は、「生きづらい」と感じた時、そこから脱出しようと大きな変化や劇的な解決策を求めます。しかし、そこに答えはありません。答えは「自分の中」。小さなその悩みを整理し、事務処理するかのように悩みを整理し実行していくことが、心の安定のみならず、理想の未来につながっていきます。

本書を読むと、さらに、その大切さが実感いただけると思います。

自己投資として、まずは、書き味のいいペンとノートを揃えましょう。実は、ペンとノート選びは非常に大事です。書きにくい、まとめにくいと、それだけで脳が不快にハックされてしまうからです。

書き心地のいいペン・ノートは以下で紹介しています。参考にしてみて下さい。


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