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【書評/あらすじ】月収(原田ひ香) みんなどう稼ぎ、どう生きてる?月収4~300万円まで、人生と幸せのリアルを描く”お金の小説”

【書評/あらすじ】月収(原田ひ香) みんなどう稼ぎ、どう生きてる?月収4~300万円まで、人生と幸せのリアルを描く"お金の小説"
月収」要約・感想
  • お金=生き方を描いた連作小説
    月収の違う6人の女性を通して、「どう稼ぎ、どう使い、どう生きるか」を問いかける物語。月収4万円から300万円まで、稼ぎ方・使い方・価値観が全く異なる女性を通じて、「幸せな人生」を考えさせる。
  • 世代別のリアルが“自分事”として共感を呼ぶ
    若者・働く世代・シニアまで—。誰でも「これは自分の話だ」と感じる共感設計。
  • エンタメ×マネー教養のハイブリッド
    物語として楽しめる一方で、節約・投資・人生観まで自然と学べる“気づきの一冊”。バラバラの人生がつながる構成も秀逸。

★★★★☆ Audible聴き放題対象本

目次

『月収』ってどんな本?

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みんなどう稼ぎ、どう使い、どう生きているのか。

お金の話は、親しい相手でも踏み込みにくい。それでも私たちが、最も知りたいテーマのひとつです。

原田ひ香さんの小説『月収』は、6人の女性の“お金との向き合い方”を描く連作短編小説です。
登場するのは、月収4万円から300万円まで—— 収入も年齢も異なる6人の女性たち。

節約、副収入、不動産投資、NISA。
特別な誰かの話ではなく、同じ社会に生きる“私たちの延長線上”の物語です。

そして彼女たちは、それぞれの収入と向き合いながら、
「どう稼ぐか」「どう使うか」そして、“お金では買えない大事なこと”を見つけていきます。

物語は、単なるオムニバスでは終わりません。
物語はやがて交差し、バラバラだった人生が緩やかにつながる——
この連作構成が、深い味わいとなっています。

小説としてのエンタメ性を備えながら、「お金との向き合い方」と「生き方」への気づきを与えてくれる一冊です。

『月収』あらすじ|6人の人生とお金の物語

登場する6人の年齢・月収は様々。
【月収4万円/66歳】の“生きるための工夫” と、【月収300万円/52歳】の“富の稼ぎ方と使い道” 。
この両極端の中に、 4人の人生が配置されています。

【月収4万円/66歳】
年金暮らし。貯金を切り崩す日々。
「あと数万円あれば」という切実な現実の中で、新たな収入の可能性に出会う。
👉 老後不安のリアル

【月収8万円/31歳】
売れない小説家。
執筆に集中するため、不動産投資税金と生活コストを下げる“戦略的貧困”を選択する。
👉フリーランスの不安定さと覚悟・生き方戦略

【月10万円投資/29歳】
薄給会社員。母と自分の老後に備え、新NISAで資産形成を開始。
少ない収入から投資資金をねん出するために取ったのは、超節約生活だった。
👉若い世代のリアルな不安

【月収100万円/26歳】
パパ活で稼ぐ女性。目標は若いうちに1億円。
若さと容姿を武器に、“稼げるうちに稼ぐ”という合理的な選択の裏にあるジレンマ・孤独。
👉楽して「稼ぐ」ことの光と影

【月収300万円/52歳】
夫の遺産+株式投資で暮らす未亡人。
お金はあるのに満たされない——「使い道」と「生きる意味」に向き合う。
👉富の先にある問い

【月収17万円/22歳】
元介護士。生前整理ビジネスで起業を志す。
収入は少なくても「やりたいこと」で生きる道を選ぶ。
👉 これからの人生をどう作るか。夢の実現と人のつながり

一見、交わらない6つの人生。
しかし、読み進めていくと、ひょんなことでゆるやかにつながり、やがて一つの物語へとまとまる構成が見事です。

『月収』 感想 | なぜ刺さるのか

世代別のリアリティ。“共感設計”が秀逸

人生、お金の価値観は人それぞれ。誰一人同じではありません。しかし、世代・年収によって、特徴があります。

  • 若者 → 貯金できない・将来不安・とにかく早く稼ぎたい
  • 働く女性 → キャリア・介護・老後資産への不安
  • シニア → 年金・節約・生きがい

若者・働く世代・シニア—— 本作では、それぞれの「お金の悩み」を象徴する人物が配置され、
👉 どの世代でも“自分の話”として読める ようになっています。

きっと、あなたにも共感ポイントが見つかるはずです。

「お金」ではなく「生き方」の物語

著者を一躍有名にした『三千円の使いかた』と同様に、本作が描くのは、単なる節約や投資ではありません。

年収が違うと、思考・行動のベースが異なり、生き方も全く異なる。
6人の人生は、“お金と人生の多様性”の象徴です。
価値観の対比が物語全体の「月収」というテーマを強く浮かび上がらせます。

しかし、どの人物も、共通して、
どう稼ぐのか、どう使うのか。そして、その結果として、どう生きるのか—
という問いに直面しています。
「収入の多さ=幸福ではない」ではありません。

そのことは、読者に、自身の「今後の生き方」を考えさせます。

“説教くさくない”マネー教育

物語形式だからこそ、
マネーの専門用語が少ない。押し付けがない 👉 自然に気づきが得られます。

  • 専門用語が少ない
  • 物語形式
  • 押し付けない

例えば——
投資スタイルひとつ取っても考えさせられます。

【月収300万円/52歳】の投資スタイルは…

  • 決算書やネットの情報に時間をかけるなら本業優先
  • 投資は入金力で決まると考える
  • +30〜40%で利確する“中長期スイング”戦略
    • 安定企業株(高配当株、できれば4%以上)を購入し、配当の8〜10倍上昇で売る
  • 高配当株の長期保有についての見解
    • 5年後、10年後、その会社が潰れもせず同じ配当金を出してくれると信じているだろうか
  • 新NISAに関して
    • 正直、新NISAが始まってからでは遅い
    • 新規参入者が市場参入→新規マネー流入→株価が上がるのは事前にわかっていた

株式投資について、古参投資家投資家の視点がさりげなく物語に描かれています。

最後に

月収』は、6人の人生を通して現代社会そのものを映し出す物語です。
物語を通して描かれるのは、 お金の額そのものではなく、 その額とどう向き合うかという“生き方”の問題です。

  • お金が少なくても、希望を持てる
  • お金が多くても、孤独は消えない
  • 投資・節約・起業…… どの選択にも正解はない

だからこそ、この物語は読者に問いかけます—— あなたはどう稼ぎ、どう使い、どう生きるか?を。

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