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【書評/感想】オックスフォード留学記(彬子女王) 笑いあり、失敗あり、ストレスあり。飾らない体験記が話題に。お人柄がにじみ出る!

【書評/感想】オックスフォード留学記(彬子女王) 笑いあり、失敗あり、ストレスあり。飾らない体験記が話題に。お人柄がにじみ出る!
赤と青のガウン オックスフォード留学記あらすじ感想
  • 生まれて初めて一人で街を歩いたのは、日本ではなくオックスフォードだったー。常に護衛がいる生活から一転。単身英国海外留学。そこで、彬子女王が経験したことはー
  • 笑いあり、失敗あり、苦悩あり。飾らない留学記から彬子女王の人柄がにじみ出る
  • 内容が面白いばかりか、文章力が秀逸!リアルに情景が浮かぶ、人を惹きこむ面白さ。感情表現も豊か!

★★★★☆ Audible聴き放題対象本



目次

『赤と青のガウン オックスフォード留学記』ってどんな本?

著:彬子女王 / Audible聴き放題対象本

2024年4月、文庫本発刊で話題となった『赤と青のガウン オックスフォード留学記』。単行本は2015年の発売で時間が経過していますが、SNSの投稿がきっかけでたちまち人気に。

本好きの私も、本作がメディアで取り上げられていることは知っていましたが、著者に「彬子女王」とあるのを見て、勝手にビリギャル系お姉さんの猛勉強記とご認識。本の紹介文を読むことなく、そのままになってしましました。

そして、2024年10月、再びこの本を再びAudibleで目にします。そして、本の紹介案内を読んで…..

著者は、三笠宮寛仁親王殿下のご令嬢・彬子女王殿下。

まさか、本当の日本のプリンセス執筆の本であると知り、仰天。

恥ずかしながら、私は天皇直族家系ではないご子女を「女王」と呼ぶことを知りませんでした…。大河ドラマ「光る君へ」にハマり、また、藤原家と天皇家の壮絶なバトルを知り、「天皇家の国史、面白すぎる!」と関連書を読み漁っていたのに、現代皇室のことをまるで知りませんでした。

本との再会を再開に、早速『赤と青のガウン オックスフォード留学記』のページをめくってみたら、面白い!彬子女王の飾らない日常にお人柄と品がにじみ出ている素敵なエッセイ。クスクスとした笑いあり、そして、感動あり!

何より素晴らしいなと思ったのが、その文章力。とてもすっきりした文章で読みやすく、リアルに情景が思い浮かぶ!人を惹きこむ面白さがある!しかも、喜び・戸惑い・パニックなど感情表現が豊か!

ご聡明さ・お人柄がにじみ出ている文章に、あぁ、本当の育ちの良さって、品の良さも文章ににじみ出るんだなぁ..と思った次第です。女王殿下という肩書なしでも、おすすめのエッセイです。

こんな方におすすめ
  • 日本の女王様の素顔が垣間見たい方に。皇族と庶民の違いを知りたい方
  • 海外留学の体験気を読んでみたい方
  • 面白いのに感動する、美しい文章に触れてみたい方

『赤と青のガウン オックスフォード留学記』あらすじ

生まれて初めて一人で街を歩いたのは、日本ではなくオックスフォードだった。

はじめて護衛なしの生活。喜びも失敗も苦しみも赤裸々に

本作は、彬子女王殿下がオックスフォード大学マートン・カレッジに5年ご留学されていた時代の留学記。

女性皇族では、始めて博士号を取得。皇室の方は通常はどこに行くにも護衛付きとなりますが、長期滞在が必要となる海外留学の場合は、費用・護衛の生活など負担が重たいことから、護衛はなし。

いつもそばに誰かがいることが当たり前の生活の中で、ひとり留学で悲しい思いをされたり、はじめて、ひとりでATMでお金をおろしたり、格安チケットの飛行機を自ら手配しやらかしてしまったりと、普通の一人の学生として、のびのびと暮らすご様子が、赤裸々に語られます。

  • 留学したものの英語は苦手。英語が聞き取れず孤立。新入生が集うバーに入れず自室で涙したこと
  • 郊外の空港で皇族用の外交旅券を出したら「本当にプリンセスなの?」と疑われたこと
  • 研究テーマが、日本美術研究である理由
  • 博士論文執筆が大変で、ストレス性胃炎になったこと
  • はじめて宮内庁へ「猛抗議」したこと
  • 父である「ヒゲの殿下」寬仁親王殿下に留学を申し出たときのこと

その一方で、エリザベス女王からお声がかかり、バッキング給電でティータイムをご一緒するスペシャルな体験も。

さらに、オックスフォード マートン・カレッジで最も恐れられるジェシカ教授の元、泣きながら、そして、時にストレス性胃炎に苛まれながら、頑張って博士号を取得しようと努める様にも心打たれます。特に、エッセイラストは、ウルウルさせられます。

人とのつながりを大事にする姿勢。読んでいて心温かくなる

本書を読んでいると、彬子女王殿下が、人とのつながりをとても大事にしている様子が、伝わってきてとても温かい。幼い時から常に人が周りにいる環境で育ったからこそ、ひとり単身単身留学で生活することの心細さ、大変さを知った女王。だからこそ、「人とのつながりを大事にしたい」と、心から感じて日々を過ごされている様子が伝わってきます。

「非日常」から得た学びが、人を大きくするー

人は、特に”非日常”を経験することで、日々の何でもない日常の中にある「ありがたさ」に気づくことが多々あります。いつも傍らにいて見守ってくれている人の存在などの存在はまさにそうです。これは読書にも当てはまります。

「体験記」を読むという行為は、読者にとっては非日常の体験。どんな本にも学びがあります。いろんなことを気づかせてくれる読書の時間を大切にしたいと思います。

皇室系図

全く私にとって関心のなかった皇室。あまりに無知でしたので、本書を機に歴代天皇系図を確認をしておきます。

大河ドラマ、歴史映画なども、天皇の存在は欠かせません。現在の令和の今上天皇は、初代神武天皇から数えて126代目です。

歴代天皇系図

歴代天皇系図
画像:皇室の伝統を守る国民の会

皇室の構成図(令和6年4月1日現在)

合わせて、皇室の構成も確認。彬子女王様は…

まず、昭和天皇のご兄弟が3人いらして、秩父宮高松宮三笠宮の3つの宮家に。
その末弟に当たられるのが三笠宮崇仁(たかひと)親王
その息子でいらっしゃるのが、”ひげの殿下”として親しまれていらした憲仁(のりひと)親王殿下
そして、本書の著者・彬子女王は、ひげの殿下のご長女でいらっしゃいます。

ふむ🤔。本書を読んで、はじめて知りました。

最後に

今回は、彬子女王の『オックスフォード留学記』のあらすじ、感想などを紹介しました。

本当に読んで楽しく、そして、いろいろと感ずるところがある本です。読めば、良い本だったことにうなずける蓮です!

著:彬子女王 / Audible聴き放題対象本
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