- 忙しい方、読書初心者でも読了できる!Audible(オーディブル)で聴き放題で読めるおすすめの短編小説・短編集・連作小説を紹介
- 現代小説と世界的文豪名著、それぞれ読了に必要な時間にわけて、おすすめ小説を紹介
- 通勤・通学・家事などの時間に「自己研鑽」が可能
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短編小説・短編集の魅力・メリット
本を読みたいのに、時間がない—— そんな人にこそおすすめしたいのが、短編小説・短編集。
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短編だからこそ味わえる読書体験
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- 物語に入り込み、そのままラストまで駆け抜ける。
- 👉 「読み切った」という満足感が段違い
- 作家の“本気”が詰まっている
- 短編はごまかしが効かない世界。
- 限られたページの中に、構成・伏線・余韻すべてが凝縮
- 👉 読めばわかる、「上手い作家は短編がすごい」
- すぐに“心を揺さぶられる”
- 結末がすぐ訪れるからこそ、ラストの衝撃や余韻がダイレクトに刺さる。
- 👉 「もう1話読みたい」が止まらなくなる
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- 短いからこそ、気軽に挑戦できる。「普段読まないジャンル」が意外と刺さることも。
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本ページで紹介の短編小説の種類
- 短編:1話完結、サクッと読める
- 短編集:複数の短編をまとめた1冊
- 短編連作:1話ごとに読めて、全体でつながる構成
読了後の満足感を高めたい方 👉「短編集」か「短編連作」がおすすめ
読了数を増やしたい方👉「短編単体」がおすすめ
芥川賞は短編多し。目安は1冊3時間半~。5時間超で作品数が一気に広がります。
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“生き方を考えさせられるしんどい系”の作品が多めのラインナップになりました。
2026年5月のおすすめ:新着・読まれている作品
55歳からのハローライフ
Audible聴き放題🔗MY書評
失業、離婚、定年、介護、孤独——。55歳という年代だからこそ見えてくる、“人生の積み重ね”の差を生々しく描いた連作短編集。登場人物はどこにでもいる普通の中年たち。だからこそ、その悩みや不安が驚くほどリアルに迫ってくる。
「未来の自分」を重ねてしまう小説
登場人物たちの問題は、決して他人事ではない。「このまま歳を重ねたら、自分はどうなるのか?」——そんな不安を自然と考えさせられる。30〜40代ほど刺さるかもしれない。
さらにぜひ味わってほしいのが、原田美枝子 によるAudible版のナレーション。落ち着いた語り口が作品の空気感に驚くほど合っていて、登場人物たちの孤独や温かさがより深く胸に沁みる!
作品:55歳からのハローライフ
著者:村上龍
時間:11時間42分
コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―
KindleUnlimited読み放題Audible聴き放題
🔗MY書評
じんわり沁みる、やさしくて温かい物語
日常の中の何気ない場所であるコンビニが、人と人をゆるやかにつなぐ「居場所」として描かれる。ささやかな気遣いや会話が積み重なり、登場人物たちの心を少しずつほぐしていく。
不完全な人たちのリアルが、じんわり心に刺さる
不器用で悩みを抱えた登場人物たちが、無理のない距離感の中で関わり合い、静かに前を向いていく姿が印象的。劇的ではないが、共感と温かさがじんわり広がる。読後には「人って悪くない」と思える余韻。日常に埋もれがちな優しさやつながりの大切さに気づかされる一冊。
作品:コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―
著者:町田そのこ
時間:10時間 31分
復讐は合法的に
《第21回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉》
弁護士資格を持つエリス。理不尽な被害に遭いながらも、泣き寝入りするしかなかった人々が、エリスの緻密に設計された“合法復讐”で救われていく。とりわけ印象的なのは、元恋人への復讐の鮮やかさ。「そこまでやるか」と思わず唸る周到さで、相手を社会的に追い詰めていく展開は圧巻。
単なる勧善懲悪にとどまらない復讐劇
子悪党から、法すら届かない権力者まで、厄介な標的にも真正面から挑み、合法の枠内でねじ伏せていく痛快さがある。
一方で浮かび上がるのは、世の中には「法では裁ききれない悲劇」で溢れるということ。爽快感の裏にある、「背筋が冷えるような怨み」があることはを忘れてはいけない。
BOXBOXBOXBOX
《第62回文藝賞受賞作、第174回芥川賞候補作》
宅配所でベルトコンベアを流れる箱を仕分ける作業員・安。単調なルーチンの中で、彼は箱の中身を想像することで退屈を紛らわせていた。しかしその想像は次第に膨らみ、「中身を確かめたい」という欲望へと変わっていく。ついに箱の中を覗くことに成功したその瞬間から、現実はわずかに歪みはじめ、不可解な出来事が静かに連鎖していく——。
“誰でもできる仕事”が人間の内面をじわじわ侵食していく過程の不気味さ
代替可能な作業に埋没することで、自分という輪郭が曖昧になっていく感覚が生々しい。個としての輪郭が失われていく感覚や、その異質な世界に包まれる圧迫感は安部公房の『砂の女』『箱男』に通じる。
作品:BOXBOXBOXBOX
著者:坂本湾
時間:2時間36分
カフェーの帰り道
成瀬は都を駆け抜ける
Audible聴き放題🔗MY書評
舞台は膳所を離れ京都へ。京都大学に進学した成瀬あかりが、新しい環境の中でも“自分らしさ”を貫きながら成長していく姿を描く。成瀬の新たな挑戦が始まる—
空気を読まないマイペースさはそのままに、人との出会いを通して学び続ける成瀬の「ぶれない強さ」が物語の核。変わらない自分軸と、しなやかな成長が清々しい。
母の視点とラストが生む、深い余韻
母・美貴子が語り手の章が成瀬の原点を浮かび上がらせ、母の愛に静かな感動を覚える。最終話はシリーズ全体を包み込む温かな感動で締めくくられる!
作品:成瀬は都を駆け抜ける
著者:宮島未奈
時間:6時間5 分
現代小説(1話数分のショートショート)
君が面会に来たあとで
裏社会に生きる人々の“心”に迫る全30篇のショートショート集
売春、賭博、薬物、詐欺、殺人——
歌舞伎町を中心とした闇の世界で生きる人々を描く超短編集。1話わずか数分ながら、どれも濃密。アウトローな人生が次々と展開されていく。
闇の中にある“人間のリアル”が胸に刺さる
違法カジノや人身売買、覚醒剤中毒者の狂気など、非合法の世界に生きる人々の息遣いが生々しく伝わる。
しかし、本作の魅力はそれだけではない。
その奥にある、孤独と愛情、人間らしさ——それらがリアルに迫ってくる。
表題作では、拘置所での面会を軸に、切実でまっすぐな純愛が描かれる。
闇と優しさが同時に胸に残る、余韻の深い短編集。
作品:君が面会に来たあとで
著者:Z李
時間:5時間 17分
ボッコちゃん
星新一ならではの名作短編集。
2倍速なら1話3〜5分で読めてしまうショートショート集で、短いながらも確かなストーリー性と強いオチが魅力。日常の延長線上にあるようなSFは、ユーモアと不穏さが同居し、予想を裏切る結末と鋭い風刺によって、人間の欲望や愚かさを容赦なく浮かび上がらせる。
中ではもおすすめの2作品
ボッコちゃん:バーで働く美しいロボットの物語。会話能力は乏しく、ほとんどオウム返ししかできないが、客たちは彼女を人間だと思い込み、惹かれていく。シュールさが秀逸。
最後の地球人:人口爆発を解決するために他の生物を駆逐した人類が、思わぬ形で破滅へ向かっていく物語。現代社会への鋭い風刺を含んだ、ラストにふさわしい一編。
最後は会ってさよならをしよう
Audible聴き放題🔗MY書評
X(Twitter)の1投稿で完結する超短編の物語。恋愛、ミステリーなど内容いろいろ。
たった140文字でも、ほろっと涙があふれそうになったり、想像もしないラストが待っていることに驚かされる😲 「厳選された言葉」「構成力」があれば「涙を誘う小説」「度肝を抜かれる小説」も書けるのだと、ただただ、神田澪さんの筆力・構成力に魅せられた!
時間がなくて小説なんて読めないと思っている方は、是非!
作品:最後は会ってさよならをしよう
著者:神田澪
時間:3時間14分
5分後に意外な結末 ベスト・セレクション
気軽に読めて、ラストにどんでん返しの短編集。
数ページのお話なのに、本当に起承転結があるストーリーが並ぶ。途中から、ラストが見え隠れするストーリーもあるけど、大どんでん返しで、ほろりと涙するお話もある。
小説はページ数がないとかけないものではないことを教えられる。
本作はシリーズ化されており、ベストセレクション:全五巻。赤・橙・黒・白のカラーにちなんだストーリーも楽しんでみて。
作品:5分後に意外な結末 ベスト・セレクション
著者:桃戸ハル
時間:5時間7分
現代小説(1時間半以内)
最後は臼が笑う
ナベちゃんのヨメ
なるへそ
パッとしない子
教え子で人気絶頂の男性アイドル 佑が、番組収録で母校を訪れる。10数年前、佑とその弟を授業した教師 美穂は、そのことで同僚や佑ファンの娘に羨ましがられてた。しかし、再開はゾッと背筋が凍るようなものだったー。
短編なのに非常にインパクトがある作品。佑が先生に言い放つ言葉は、ナイフのように読者の心をも抉る。
教師/生徒、どちらの視点で読むかで感想は大きく異なるはず。ただ、本作のテーマは他人事では決してない。何気ない言葉が一生相手を傷つけて怒らせてしまうことがあり、感情次第で記憶も作り上げられる。読者は最後までドキッとさせられっぱなし。
犬にきいてみろ
神保町奇譚 花咲舞シリーズ
舞台は、神保町の一見客お断りのこだわりの寿司屋。東京第一銀行の花咲舞と上司・相馬健が舌鼓を打っているとき、上品なご婦人と出会う。婦人は、5年前に病死した娘の口座がつい最近まで”動いていた”という。一時3400万円まで増えた残高。しかし、1か月前には残高ゼロになっていたという。娘に何が起こったのか?舞が幽霊口座の謎に挑む!
幽霊通帳の口座が、半沢直樹が勤めていた産業中央銀行である点がニクイ。テンポよく、話が展開。時間をかけずにミステリーを楽しみたい方におすすめ!
作品:神保町奇譚 花咲舞シリーズ
著者:池井戸潤
時間:1時間2分
無限大ガール
鉄道員
現代小説(3時間以内)※文学賞受賞作・人気作
ハンチバック
Audible聴き放題🔗MY書評
背骨が極度に湾曲する重度障害を抱える主人公・釈華。親の遺産で経済的な不自由はないが、日常のあらゆる場面で介助を必要とする。行動の制約や身体的苦痛、社会からの疎外感と向き合う姿が、当事者視点で描かれる。
「健常者であること」は一種の特権——本作はその現実を強く突きつける。トイレや入浴すら自力では行えず、他人に身体を委ねることが、どれほど自己肯定感を侵害するか、読者にもその痛みが伝わる。「障害者の性」にも踏み込み、「普通の女性のように妊娠し、中絶する」ことを望む釈華が選んだ行動も強烈。
短編ながら多くの問いを残す作品
ラストの解釈は大きく分かれるが、社会・宗教・フェミニズムにも問題を投げかける。
ギフテッド
《第167回芥川賞候補作》
ホステスとして生きる「私」は、重い病に侵された母を引き取り、静かに看病の日々を始める。母はシングルマザーとして娘を育てながら詩を書き続けたが、その才能が報われることはなかった。死の気配が濃く漂う生活の中で、「私」は少し前に自ら命を絶った友人の記憶と向き合っていく。
テーマは、“親から子へ受け渡されるもの=ギフテッド”才能なのか、傷なのか、呪いなのか。それらを抱え、人はどう生きるのかを鋭く問いかけてくる。
作者自身、慶應卒・東大修士卒という経歴を持ちながら、AV出演やキャバクラ勤務を経験しており、その実感が文章に生々しく滲む。綺麗事ではない、生と欲望と孤独。身を削るように書かれた熱量が伝わる。
時をかける少女
放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件
夜の学校。プールに放たれた金魚。だれが、なんのために?4年1組の辻堂天馬・柚木陸・神山美鈴、通称「ミステリトリオ」が先生の依頼で動き出す!
ミステリーで定評の人気作家 知念実希人さんが本気で書いた 9才から大人まで楽しめる本格ミステリー。大人が読んでも十分楽しい。というか、「9歳から」という案内がなければ、大人のミステリー小説と言ってもいい内容!ストーリーは明解なのに、謎解きも十分楽しめる。小学生 名探偵・辻堂天馬君をはじめ、キャラクターも魅力的。次はどんな活躍をしてくれるのだろう?と次も楽しみになる!
作品:放課後ミステリクラブ 1金魚の泳ぐプール事件
著者:知念実希人
時間:2 時間
放課後ミステリクラブ 2 雪のミステリーサークル事件
子どもから大人まで楽しめる本格ミステリー
ある雪の日、純白の校庭に突然現れた巨大なミステリーサークル。誰が、何のために、そしてどのようにして作ったのかー
4年1組の辻堂天馬、柚木陸、神山美鈴の「ミステリトリオ」が先生の依頼でこの謎を解明しようと動き出す。
大人でも楽しめる本格的なトリックが盛り込まれており、ミステリーの入門編としても最適。子供向けとしては、推理力やチームワークを学べる要素があり、子供たちの成長や友情が描かれる。物語の終わり方も心温まる。子供と一緒に楽しみたい。
作品:放課後ミステリクラブ 2 雪のミステリーサークル事件
著者:知念実希人
時間:2時間22分
チーズはどこへ消えた?
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「チーズ」とは「幸せ」の象徴。良い仕事、愛情あふれる関係、お金、所有物、健康、または精神的な平和などのメタファー。「幸せ」を手に入れるために大事なことがわかるAmazon史上最大の大ベストセラー。
作品:チーズはどこへ消えた?
著者:スペンサー・ジョンソン
時間:1時間53分
迷路の外には何がある?
Audible聴き放題🔗MY書評
最後まで、行動できなかったヘム。同じ小人のホーにもにもついていけず、後悔・怒り・嘆きで身動きが取れないまま。しかし、飢死を覚悟し新しいチーズを探す旅を決心する。旅の中で他の小人と出会ったり、自問自答を繰り返しながら、凝り固まった考え方を解きほぐし、やがて迷路の外へ出ることに成功。そしてー。
ホーが迷路の壁に残したメモ「従来通りの考え方をしていては新しいチーズは見つからない」は、読者の心をドキリとさせる。
子供にもわかる優しいストーリーで、本当に大切なことを教えてくれる自己啓発小説。
作品:迷路の外には何がある?
著者:スペンサー・ジョンソン
時間:1時間51分
頂きはどこにある?
Audible聴き放題🔗MY書評
谷間に住む不幸な若者。彼は、まだ見ぬ世界をもとめて必死で山の頂きへと登り、そこで不思議な老人に出会う。老人が教えてくれたのは、「山と谷の対処法」。仕事と人生における良い時期と悪い時期を思いどおりに操る方法とは?
わかりやすい寓話を通じた3つの教えは、人生にとってとても大事な教え。本作でも『チーズはどこに消えた?』同様、酢pp行動できないあなた、壁にぶつかり動けなくなってしまったあなたの心を揺さぶる大切な教えが語られる!
作品:頂きはどこにある?
著者:スペンサー・ジョンソン
時間:2時間43分
現代小説(5時間以内)※文学賞受賞作・人気作
ババヤガの夜
Audible聴き放題🔗MY書評
バイオレンスの中に、理解しがたくも深い人間ドラマ
暴力の世界で生きる用心棒の女・依子と、暴力団会長の娘・尚子。守る者/守られる者として始まった関係は、やがて暴力に抗うための“共存”へと変わり、二人は命がけの逃亡を選ぶ。
暴力について回る、男尊女卑と支配構造を描く
暴力という忌避されがちな題材を通して、本作は犯罪小説の枠を越え、男たちの支配欲や女を所有物として扱う社会構造を鋭く描き出す。
暴力を否定しながらも頼らざるを得ない人間の矛盾と、夜の世界を生き延びるための歪で切実な絆。神話〈ババヤガ〉の二面性が重なり、単なるバイオレンスを超えた文学的深みを残す。
サンショウウオの四十九日
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読後に「生と死」を深く問い直す哲学的作品
《171回芥川賞受賞作》
一見すると一人の人間のように見える結合双生児の姉妹・杏と瞬。さらにその父親もまた、胎児内胎児として兄の身体から取り出されて生を受けたという、特異な生い立ちを持つ。物語はその父の“片割れ”ともいえる伯父の死から始まる49日間を描く。
伯父は死んだが、父は生きている——
その事実を前に、「二人で一つの身体をもつ姉妹」は、自らの存在そのものを見つめ直さざるを得なくなる。もし片方が思考を失ったとき、自分はどうなるのか、と。
「自己とは何か」「意識とは何か」「死とは何か」
物語は静かに、読者にこの問いを突きつける。まさに芥川賞らしい、深く思考を揺さぶる一冊。
作品:サンショウウオの四十九日
著者:朝比奈秋
時間:4時間37分
8番出口
Audible聴き放題🔗MY書評
ゲーム発の小説
2023年発売のインディーゲーム『8番出口』を原案に、映画監督・小説家として数々のヒットを生み出してきた川村元気が自ら小説化。
地下通路の無限ループに囚われた主人公。異変を見逃さず進むか、引き返すか。選択を繰り返すうちに焦燥・疑念・絶望が、読者をも精神的ループへと誘う。現代社会の閉塞感や人生の選択を象徴的に描き出す。無限ループする地下通路が“現代の縮図”
小説でしか味わえない“心の迷宮”
映画やゲームでは表現しきれない、主人公の疲弊・焦燥・猜疑心といった心理描写が小説の大きな魅力。
変な家
神さまのおつげ
蛇にピアス
Audible聴き放題🔗MY書評
心抉られる、《芥川賞受賞作》
身体改造、セックス、暴力、依存——。刺激的な題材を扱いながら、その核心にあるのは “痛みだけが存在を証明してくれる” という若者特有の切迫した渇望。若者の破滅衝動がリアルに読者に迫りくる。
わずか128ページとは思えない密度さ
淡々と乾いた筆致。しかし、それが、ルイの内側に巣食った「破滅の衝動」を生々しく浮き立たせ、読者の胸を深く刺す。映画が強烈なビジュアルで迫るのに対し、原作は若者の内面を容赦なく抉る。
タイトルの「蛇」が象徴するものは何なのか—。自身に「虚無感」を抱いている人に読んでほしい。
推し、燃ゆ
Audible聴き放題🔗MY書評
むらさきのスカートの女
Audible聴き放題🔗MY書評
《弟161回芥川賞受賞作》
〈公園でクリームパンを食べる「むらさきのスカートの女」。 〈わたし〉は彼女に強く惹かれ、日々その行動を観察し続ける。何者なのか——その謎を追うはずが、読み進めるほどに違和感は反転していく。 気づけば焦点は、“観察される側”ではなく、“観察する〈わたし〉”へと移っていく。
日常の延長に潜む狂気を、静かに浮かび上がらせる筆力
淡々とした語りの中で、〈わたし〉の執着は静かに輪郭を持ち始める。 「あれ、異常なのはどちらなのか」——その揺らぎが読者の感覚を侵食し、気づけばページをめくる手が止まらなくなる!
作品:むらさきのスカートの女
著者:今村夏子
時間:3時間 57分
コンビニ人間
Audible聴き放題🔗MY書評
《第155回 芥川賞受賞作》
大学卒業後も就職せず、18年間コンビニで働き続ける36歳未婚の古倉恵子。 “普通”のレールから外れた彼女は、マニュアルに従うことで自分を保ってきたが、新入りの白羽からその生き方を否定され、揺らぎ始める——。
無意識に従っている「無意識」にハッとする「普通」という言葉の曖昧さと、その背後にある同調圧力を可視化。コンビニという徹底的にマニュアル化された空間を通して、社会が個人に求める“正しさ”や“役割”を浮き彫りにする
恵子の選択は、社会の基準から見れば異質かもしれない。だがその姿は、「誰のための人生なのか」という根源的な問いを突きつける!読み口は軽やかなのに、深い問いのある作品。
乳と卵
《弟138回芥川賞受賞作》
夏子のもとに、豊胸手術を望む姉と、その娘が訪ねてくる。姉の娘は半年前から言葉を話さず、会話と沈黙が交錯する中で、容姿への執着や将来への不安、言葉にできない感情が浮かび上がっていく——
女性の身体とアイデンティティを描いた物語描かれるのは「女性の生きにくさ」「母と娘」、そして「胸と生理」。読みどころは、圧倒的な関西弁の力と身体感覚のリアリティ。関西弁の会話はリズムと熱を帯び、登場人物の内面をむき出しにする。美しさとは何か、女であることとは何かという問いを、正面から突きつけてくる点も印象的。明確な答えを示さないからこそ、読後も思考が続く。
おらおらでひとりいぐも
《第158回芥川賞》《第54回文藝賞》W受賞作
夫に先立たれ、ひとり暮らしを送る74歳の桃子。 静かな日常の中で、過去の記憶や感情と向き合いながら生きる彼女の内面には、東北弁で語りかけてくる“もうひとりの自分”が現れる。 その声との対話を通して、老いと孤独を抱えながらも、自分なりの生を見つめ直していく。
Audibleでこそ味わいたい、“声”の物語
東北弁のやわらかな響きが、孤独の中に温もりとユーモアをもたらす。 老い・死・記憶という重いテーマを軽やかにすくい上げながら、“ひとりで生きること”の寂しさと豊かさ、その両方を静かに肯定する一作。
作品:おらおらでひとりいぐも
著者:若竹千佐子
時間:4時間25分
おいしいごはんが食べられますように
Audible聴き放題🔗MY書評
《第167回芥川賞受賞》
多様な価値観が入り混じる現代社会を舞台に、“食べること”を通して職場の微妙な人間関係を描いた話題作。タイトルや表紙からは穏やかな物語を想像しがちだが、読み進めるほどに、その印象は大きく裏切られる。閉鎖的な職場空間に漂う空気、人間同士の温度差、言葉にならない圧力や歪んだ感情があまりにも生々しく、じわじわと不気味さが迫ってくる。
著者は露骨にメッセージを語るわけではない。しかし、“食”への向き合い方を通じて、働き方や生き方そのものを静かに問いかけてくる。「あなたは、本当に自分の意思で生きている?」——そんな声が聞こえてきそうな、読後に多くを考えさせられる一冊。
作品:おいしいごはんが食べられますように
著者:高瀬隼子
時間:4時間11分
蹴りたい背中
《弟130回 芥川賞受賞作》
高校に入学したばかりの長谷川初実は、周囲に馴染めず孤立した日々を送っている。 そんな中、同じく浮いた存在であるオタク気質の少年・にな川と、近づきながらも噛み合わない奇妙な関係を築いていく——
“居場所のなさ”と“他者へのざらついた感情”を切り取る鋭さ
何気ない会話や視線の揺れの中に、他者への嫌悪と依存、そして抑えきれない衝動がにじみ出る。 「蹴りたい」という言葉に凝縮された歪んだ感情の強度が強烈で、読む者の記憶に刺さる。淡々とした語りの奥に潜む痛みが、自身の思春期のほろ苦さを呼び起こす。
火花
東京都同情塔
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153回芥川賞受賞
舞台は、“犯罪者に寄り添う”ことを理念に設計された未来の更生施設〈同情塔〉。建築家の主人公は、その設計に関わる中で、「人を理解すること」や「共感を強いる社会」のあり方に違和感を抱いていく。理想と現実の乖離のなかで、同情という概念そのものが揺らぎ始める—
“やさしさ”にある暴力性”を突きつける
共感や配慮が称賛される現代に対し、それが制度として押し付けられたときの息苦しさを鋭く描く。芥川賞で初めて、一部をAIで作成した作品としても注目を浴びる。無機質さと人間らしさが交錯する不思議な読後感が残る。
現代小説 短編集
藍を継ぐ海
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可燃物
米澤穂信が仕掛ける、警察ミステリー短編集
舞台は群馬県警。捜査を担うのは、上司に疎まれ部下にも敬遠されながら、その実力だけは誰も否定できない異端の刑事・葛警部。 感情を排した冷徹な観察眼で、日常に潜む“わずかな違和感”をすくい上げ、事件の本質へと切り込んでいく。
派手さではなく、“違和感を見抜く力”で読ませる本格ミステリー
過剰なトリックや複雑な設定に頼らず、日常の延長線上にある謎を、精緻なロジックで解体していく。その端正な語り口と無駄のない構成が、読者に純度の高い推理の快感をもたらす。一話ごとの密度が高く、サクサクよめる短編でありながら読後の余韻は深い。
ツミデミック
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コロナ禍にのまれ、それでも必死に生きていこうと、もがく人たちの業は罪なのか―。第171回直木賞受賞作
緊急事態宣言・外出自粛でバイト・仕事激減、経営難、変わる人間関係…。コロナ禍、社会様式が大きく変化したことで生まれた犯罪。本作は、コロナ禍で生きる人々の6つの「罪」を切り取り描く犯罪小説 短編集。
多くの人は、自分は「犯罪」「罪」とは無縁だと考えがち。しかし、専業主婦やフリーターなど普通のまじめな人々も”ふとした弾み”、”環境の変化”で犯罪者になってしまうことがある。変化の激しい現代では大きな災害も「一時の不運」として簡単に風化しがち。しかし、長い人生、「突然襲った不幸」をきっかけに犯罪者になってしまうリスクは誰しも持っている。自分も「罪」を犯すリスクがあることを意識して読みたい。
富士山
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🔗MY書評
サファイア
人間の不思議で切ない出逢いと別れを描く。
湊かなえ作品というと、イヤミス(=嫌な気持ちになるミステリー)と思いがちだが、本作は異なる。一話一話、話が濃厚。それぞれの作品を長編化しても、1冊の小説になりそうで、ちょっともったいない気も。
7編の中でも、私の推し作品は「サファイア」と「ガーネット」。この2作のみ連作(ただし、独立して読んでも問題なし)。「サファイア」は旅先で偶然出会った男女の恋の物語。しかし、男性が事故に巻き込まれなくなってしまう。しかも、事故と思われた男性の死の背景には、彼が関わったかもしれない悪徳商法が関与している可能性が…。続く「ガーネット」は、彼の死を乗り越え、作家として成功を納めた彼女の側のお話。舞台設定がよく考え抜かれており面白い。読みながら、ハラハラしたり、イヤーな気持ちになったかと思えば、いい話になったりと、読者は感情を揺さぶられる!
満願
山本周五郎賞受賞、このミステリーがすごい!、週刊文春ミステリー・ベスト10、ミステリが読みたいで史上初の3冠を達成
人間の不可解な心情の謎や闇がテーマの短編小説が6編収録。『満願』はその中の1編。人を殺めた静かに刑期を終えた妻の本当の動機を描く。その他、恋人との復縁を望む主人公が訪れる『死人宿』、美しい中学生姉妹の官能と戦慄の物語『柘榴』、ビジネスマンが最悪の状況に陥る『万灯』など、切実に生きる人々が遭遇した奇妙な事件を描く。
緻密な謎解き、岐路に立たされた人間の心の機微などが巧みに表現。ミステリー初心者はもちろん、上級者にもおすすめ。
汚れた手をそこで拭かない
Audible聴き放題🔗MY書評
本作が短編集だと知れば、収録作品の一つがタイトル作なのだろうと推測するだろう。しかし本作は違う。さらに、ジャンルとしては、ミステリーに該当するが、いわゆる謎解きミステリーとも異なる。
本作で取り上げられるのは、保身、自分可愛さなどで生じる人間の醜い部分「汚れ」。生きていれば、誰もが少なからずついてしまうような人間の汚さ。著者はそんな人間の小さな汚さを、鋭い視点で描き出す。
その汚れ、どこで拭けばよかったのだろうかー。読了後、読者はそんな問いを自問せずにはいられなくなる。キレイさっぱり、人の醜さを流し落としてくれる水道などない。この難題、あなたは、どう事故処理(自己解決)する?!
作品:汚れた手をそこで拭かない
著者:芦沢央
時間:6時間58分
#真相をお話しします
本屋大賞ノミネート。日本推理作家協会賞。
SNSやインターネットがもたらす情報の真偽、そしてそれに伴う人間関係に潜む心理を描く。YouTuberになりたい小学生4人組を描く「#拡散希望」、和やかなリモート飲み会があることをきっかけに一転する「三角奸計」、パパ活している娘を気にしつつもマッチングアプリで女性と会う父親を描く「ヤリモク」など、現代のネット社会がテーマ。伏線回収がとてもスムーズ。
読みながらなんとなく結末が想像できそうかなと思たところで、もう一段、仕掛けが用意されている点が憎い!
作品:#真相をお話しします
著者:結城真一郎
時間:5時間 51分
どうしても生きてる
生きづらい人生に葛藤しながらも生き抜く人々姿を描いた、全6編の短編集
押し付けられる正しさ、ルール、諦め、非正規雇用、負け組…
人生には、自分ではコントロールできないことで溢れている。そんな「ままならない人生」でも折り合いをつけて生きていくしかないという、著者のメッセージを感じる1冊。時に、心にグサッと突き刺さったり、胸がぐっと苦しくなったりした言葉が、作品の随所に並ぶ。
どの作品も痛い。特に、いわゆる「ゆとり世代」と言われた世代にずしりと来る。正直、読んでいて辛くなる。しかし、それでも先を読みたい、主人公がどう心の折り合いをつけ、最後を迎えるのか知りたい。そんな想いで一気読み。
個人的に最も痛みを感じたのは『そんなの痛いに決まってる』。誰もが、もがき、生きているー。そう、生きるって、大変なのだ。
令和元年の人生ゲーム
《直木賞2024年ノミネート作》
ポップな装丁と軽やかなタイトルとは裏腹に、描かれているのは現代社会のリアル。作者・麻布競馬場が描くのは、賢さゆえに選択肢を見失いながら生きる“Z世代”の若者たち。
「意識の高さ」と「生きづらさ」が同居する、今という時代の断面を切り取る
4つの連作短編に共通して登場する沼田の価値観や言動は、一見奇妙でありながら妙に現実的で生々しさを持つ。そこにはZ世代という括りを超え、誰の中にも潜む“イタイ側面”を暴き出す鋭い観察眼がある。読み進めるほどに、「これは他人の話ではなく、自分の話かもしれない」と感じさせる一冊。
作品:令和元年の人生ゲーム
著者:麻布競馬場
時間:7時間47 分
むかしむかしあるところに、死体がありました。
え~、そうなっちゃうの!?昔話の特徴をつかんだ改変話。人間が持つおぞましさ、汚さを面白く描く。なぜ、殺人は起きたのか?短編なのに、トリックが絶妙。面白くて、サクサク面白く読める!
作品:むかしむかしあるところに、死体がありました。
著者:青柳碧人
時間:7時間48分
残月記
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吉川英治文学新人賞&日本SF大賞 をW受賞作
ダークファンタジー×愛×ディストピア
「月」で日常が一変する恐怖を描く、3つの作品集。
3つの物語は全て空想の異世界。しかし、リアルとアンリアルが絶妙に重なり合い、自分がダークな月の世界に迷い込んだ錯覚に陥いる。シリアスで恐怖や絶望など暗いテーマを扱いながらも、美しい月が神秘的な世界を描き出す。死現実の社会問題や、人はいかに生きるべきかといった哲学的な要素もあり、読者を考えさせる。
完成度の高い作品!著者の無駄のないしなやかな作風が、ディストピアなダークファンタジーの世界をより際立たせる!読了後、月の見方が変わる!
四つ話のクローバー
夜に星を放つ
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慟哭は聴こえない
「デフ・ヴォイス」=「ろう者の声」と向き合う社会派ミステリー
耳の聞こえない両親の間に生まれた耳の聞こえる子供「コーダ」として育った主人公・荒井尚人は、手話通訳士。第一弾ですが、第三弾は連作短編集。主人公・新井が出会った4つの事件を描く。
緊急時、聴力がなければ、助けを必要としても、110番や119番もできない。周囲の人に声をかけて説明することができない。 知ることが、相手を理解することにつながる。ろう者(聴覚障害者)の方を取り巻く環境を知るためにも、読んでおきたい。ミステリーとしての面白さだけでなく、ヒューマンドラマとしても深い感動。シリーズは4巻まであり。
東京奇譚集
「奇譚」とは「きたん」と読み、世にも珍しい不思議な物語・言い伝えという意味。本作は、あっと驚くというよりも、村上春樹さんらしい独特な不思議な世界観に包まれる作品。東京での見慣れた日常の中に潜む不思議を切り取った5つの物語。自分の近くでも起こっているかもしれないと思わせる。ナレーターのイッセー 尾形さんの声がとても作品にマッチしている。
物語の中には、村上春樹さん自身の体験を綴ったお話も。次で紹介する村上春樹作品にもつながるが、「品川猿」は名作。話の着想も面白いし、何と言っても猿の雰囲気がいい!
一人称単数
ぼっけえ、きょうてえ
戦慄と悲哀の、遊郭怪談をつづった4編の短編集。
岡山の遊郭で醜い女郎が、寝つかれぬ客に語り始める身の上話を描く。残酷で孤独な彼女の人生には、ある秘密がー。明治、大正時代が舞台。差別や迷信が残る時代背景がさらに恐怖を掻き立てる。
タイトル『ぼっけえ、きょうてえ』は、岡山地方の方言で”とても、怖い”という意味。方言がリアリティを押し上げる、タイトル通りの和風ホラー。方言は、文章で読むと少し読みづらいが、オーディオブックならサラリと耳に届く。寝苦しい真夏の世、怪談を楽しんでみてはいかが。
作品:ぼっけえ、きょうてえ
著者:岩井志麻子
時間:6時間34 分
あいにくあんたのためじゃない
第171回直木賞候補作
現代社会を鋭く切り取る“毒とユーモア”が魅力の作品。作品に共通するのは、自業自得・自己責任・自己防衛…で、 助け合いの精神が薄れた現代。そんな生きづらい世の中で、支え合う人々を描く。
確かに、今の暮らし・人生は、自分の選択の結果。「君が選んだ人。まずは自力でなんとかせよ」という暗黙の圧力が常に襲い掛かる。しかし、人生や山あり谷ありで、しかも、天変地異、パンデミックなど、自分ではどうにもできない苦難もつきまとう。
そんなとき、窮屈な思いで生きている時、誰かと手を取り合えるとラクになる。そんなことを、思い出させてくれる作品が並ぶ。コロナ過での助け合いなど、そうだったよね…とじ~んとくる作品も。
作品:あいにくあんたのためじゃない
著者:柚木麻子
時間:7時間57分
現代小説 短編連作
月収
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少年と犬
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岩手から熊本まで、犬はなぜ3000kmを旅したのかー。
涙なしでは読めない感動作
痩せこけ、ケガを負っても南へ向かう一匹の犬・多聞。
岩手から熊本まで3,000kmを旅した犬と、旅で出会った〈男〉〈泥棒〉〈夫婦〉〈娼婦〉〈老人〉〈少年〉との心の交流・深い絆を描く6編の連作感動作。
南に向かう道中、多聞はまるで彼の使命であったかのように、「救いが必要な人々」と出会い、一時を共にする。弱く、愚かな人間が、無償の愛と忠誠心で応える犬に、いかに救われ、支えられ、心やさしくなれるのかが描かれる
誰もが涙する感動作。2025年3月、高橋文哉と西野七瀬の主演で劇場公開
人魚が逃げた
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《本屋大賞2025 5位》
NSで「王子」と名乗る謎の青年を軸に、人生の節目に立つ5人の男女が銀座で交差する心温まる物語。アンデルセンの『人魚姫』をモチーフに、それぞれの現実と小さな奇跡がやさしく重なり合っていく。何気ない日常の中に潜む“物語”が、少しずつ姿を現していく構成が魅力!
現実と幻想が溶け合うような優しい世界観と巧みな伏線回収が秀逸5つのエピソードがラストでひとつにつながり、まるでファンタジーのような余韻を残す。繊細な心情描写と、心に残る言葉の数々が、読者の温かな感動をもたらす。読み終えたあと、「世界は物語でできている」と感じさせてくれる!
リカバリー・カバヒコ
《本屋大賞2024 7位》
築マンション近くの公園にある、ペンキの剥げたカバの遊具「カバヒコ」。自分の治したい部分と同じ場所に触れると良くなる——そんな噂を頼りに、生きづらさを抱えた人々が集まってくる。成績に悩む高校生、孤立する母親、挫折を感じる子どもや大人たちの人生が、やさしく交差していく。
特別な奇跡ではなく、人の痛みに寄り添うことで生まれる“回復”を丁寧に描く。誰もが感じる悩みや孤独が、読者の心にもそっと寄り添う。読み終えたあと、「少しだけ前を向く勇気」をもらえる一冊。
作品:リカバリー・カバヒコ
著者:青山美智子
時間:6時間29分
コーヒーが冷めないうちに
ある喫茶店を舞台にした連作短編集
その喫茶店には“コーヒーが冷めるまでの間だけ過去に戻れる”という不思議な席がある。訪れた人々はそれぞれの後悔や想いを胸に、もう一度会いたい相手のもとへと向かう。
過去は変えられない。それでも「人が時間を遡る意味」を問う
会いたい人と再び会う喜び。しかし、どんな行動をしても現実は変わらない。それでも、登場人物たちは再会を通じて、失ったものではなく“今あるもの”に気づいていく。派手な展開はないが、静かに心を揺さぶる。読後、大切な人との時間を見つめ直したくなる一冊。
作品:コーヒーが冷めないうちに
著者:川口俊和
時間:7時間7 分
満月珈琲店の星詠み
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人生の壁にぶつかった人々の前に現れる不思議なカフェを舞台にしたハートフルストーリー。挫折や失恋、仕事の悩みを抱えた人々が、満月の夜にだけ開く「満月珈琲店」に導かれ、優しい猫の店主に迎えられる。極上のコーヒーとスイーツ、そして“星詠み”によって、彼らの心は少しずつ癒されていく。
疲れた心にそっと寄り添うやさしい世界観
占星術を通じて自分自身を見つめ直し、前に進むきっかけをもらえる構成が魅力。カフェの温かな空気や美味しそうな描写も心地よく、読んでいるだけでほっとする。日常に疲れたときに手に取りたい、癒しの一冊。
シャイロックの子供たち
章ごとに異なる行員の状況・立場・心情などを描くことで、銀行の闇・人間の闇を描く。絡まる事情と人間関係。事件の真実は一体どこにあるのか?
映画・ドラマエンタテイメン色が強すぎる。小説の方が圧倒的に深くて面白い!池井戸作品の面白さは、登場人物たちそれぞれの物語(背景・心情)と練られた人間関係、さらに、ラストへ向けた伏線回収の妙。
“シャイロック”とは シェークスピア の戯曲「ヴェニスの商人 」に登場する強欲な金貸しのこと。強欲金貸しの子供とは?これが意味するところは何なのか、考えながら読みたい!
作品:シャイロックの子供たち
著者:池井戸潤
時間:10時間8分
かばん屋の相続
キッチン常夜灯
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地雷グリコ
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“運”を排し、“思考”で勝つ——極限の頭脳戦ゲーム
グリコ、じゃんけん、だるまさんがころんだ——誰もが知る遊びを、独自ルールで再構築。偶然に左右されるはずのゲームは、「読む力」と「揺さぶる力」がすべてを決める知的勝負へと変貌する。
ロジックの快感と青春の熱が交差
過剰な暴力や陰鬱さに頼らず、軽やかな空気の中で展開される高度な頭脳戦。 射守矢真兎の推理と心理戦は、常に一手先を読む緊張を強いる。 「次に何を出すか」「相手はどこまで読んでいるか」——その思考の連鎖に、読者も否応なく引き込まれていく!
緻密な論理とキャラクターの関係性が噛み合い、ミステリーとしての切れ味とエンタメ性を高い次元で両立!
謎の香りはパン屋から
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《このミス大賞2025 大賞受賞作》
パン屋を舞台に、大学生バイト・小春が日常の小さな“違和感”を解き明かしていく連作ミステリー。パンの香りや商店街の風景が五感に届く、心地よい読み味が魅力。
大事件は起こらない。小さな事件や、友人・お客さんのちょっと奇妙な行動・不可解な発言から人間ドラマに迫る。
読後の余韻が“ほんのり甘い”作品
難しすぎず、軽すぎもしない“ちょうど良いミステリー”。ラストでは「ああ、そう繋がるのか」と優しい納得感が得られる構成。
作品:謎の香りはパン屋から
著者:土屋うさぎ
時間:6時間37 分
逆ソクラテス
本作は、世間の慣習や先入観に立ち向かっていく、純粋で機知に富んだ小学生たちの活躍を描いた5つ短編集。一人の生徒を「ダメな奴」とレッテルをはり貶める生徒を救うべく、生徒の見方を変えさせる手を打つ小学生、運動ができるか否かでクラス内の力関係が決まってしまうクラスなどが、軽快なテンポで描かれる。
5作品のタイトルは、表題作のほか「スロウではない」「非オプティマス」「アンスポーツマンライク」「逆ワシントン」など哲学的。各タイトルの意味を考えながら読みたい!
祈りのカルテ
春期限定いちごタルト事件
小鳩くんと小佐内さんは高校生。恋人ではないが、ある目的のために手を組む“互恵関係”。今日もひっそり、慎ましく「小市民」を目指す。しかし平穏な日常とは裏腹に、二人の周りには不思議な謎が次々と現れる。消えたポシェット、意味不明な絵、なぜか絶品のココア……。
目立ちたくないのに、なぜか解けてしまう——
さりげなく鮮やかな推理と、どこか愛らしい“名探偵ぶり”がクセになる。シリーズは春夏秋冬、季節のスイーツとともに展開。アニメも魅力的だが、原作は心情描写の繊細さが際立つ。とくに小佐内さんの内面は、原作でこそ真価が味わえる。
作品:春期限定いちごタルト事件
著者:米澤穂信
時間:6時間16 分
天久鷹央の推理カルテ
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2025年1月~TVアニメ放送開始。現役医師が描く本格医療ミステリー。シリーズ全18巻
主人公は、一癖も二癖もある天才女医・天久鷹央(あめく たかお)。27歳にして、天医会総合病院、統括診断部の部長を務める彼女は、明晰な頭脳と圧倒的な知識で、あらゆる疾患を看破する!ちっちゃいのに、言葉づかいが偉そう(そこが面白い)
圧倒的な知能を持つも、アスペルガー症候群で、人間関係。通常の医師のような診断はせず、原因がわからない事件・難問・奇病に食指が動き、それらを次々と解明していく。
正確には連作ではないが、次々に事件を説いていくスタイルで各話読み切り風に読んでいける。テンポよくストーリーが進行するが、医師が手がけるミステリーだけにしっかりと練られたストーリー。文句なく、面白い!
作品:天久鷹央の推理カルテ
著者:知念実希人
時間:8時間7分
死神の精度
千葉には「命を奪うのはかわいそう」といった哀れみはない。調査判定のほとんどは「可=死」。しかし、音楽を少しでも長く堪能するために、人間界への派遣期間をフルに利用し調査に当たる。電話苦情係、ヤクザ、老婆など、6人の調査を綴ったちょっと不思議な短編集。
オチはそれぞれ面白い。最も読ませるのは最終話『死神対老女』。老婆は千葉が死神だと見破る。そして、死を受け入れ、悔いなく死ぬためにと千葉に不思議な依頼をする。著者の「人は必ず死ぬ。悔いなく生きろ」というメッセージが伝わってくる。しかも、ラストで最終話のために、残りの5話があったのだとわかり、作家の構成力に感服させられる!読了感、高い1冊。
女のいない男たち
読むほどに村上春樹独自の世界観に引き込まれる、読み応えのある作品集
・52歳にして初めて一人の女性を愛するあまり死に陥った医師の物語『独立器官』
・空き巣に入ることに快感を感じてしまった主婦『シェエラザード』・
妻との別居中にバーを開店し、やがて自分が何か不思議な流れの中にいることを悟る男性『木野』
・タイトル作品、昔付き合っていた女性の夫から、彼女の訃報を伝える電話『女のいない男たち』 等
妻の不倫を知りながら咎めることなく死別した俳優と無愛想な女性ドライバーの交流を描く『ドライブ・マイ・カー』は、2022年にアカデミー賞の国際長編映画賞を受賞。映画化もされた話題の作品。
N
読む順番によって720通りの読み方ができる!?
実験的な施策が施された、本格ミステリー。6つの短編は独立しているようで、どこかでつながっていて、読む順番で味わい方も変わる!さらに、さらに章ごとに上下反転で印刷。新体験の読書がここに。
収録策は、理科教師を描く『名のない毒液と花』、高校生を描く『落ちない魔球と鳥』、亡くなった10歳の少女のお話『笑わない少女の死』、男女を描く『飛べない雄蜂の嘘』、看護師を描く『消えない硝子の星』、事件を追う女刑事を描く『眠らない刑事と犬』。
タイトルだけでは全く関係のなさそうなお話が、クロスする世界観を楽しんで!
儚い羊たちの祝宴
もう一度生まれる
麦本三歩の好きなもの
三歩は大学図書館に勤めるちょっと天然な女の子。同職員と楽しく働いている。作品で取り上げられるのは「三歩の愛するモノ・好きなモノ」。仕事も大好きな本に囲まれているから好き。この気持ちに、本好きの私も共感!
本作では特別なことは何も起こらない。でも、好きなものを語る人ってとても楽しそう。なぜ好きかを語る人には愛が溢れる。現代人は嫌なことばかりに気を取られ、愚痴や文句ばかり言いがちだけど、好きなものを語る方が人生は楽しい!大事なことを気づかせてくれる優しい小説。
作品:麦本三歩の好きなもの
著者:住野よる
時間:6時間2分
アイネクライネナハトムジーク
妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOL……。
人生は、いつも楽しいことばかりじゃない。でも、いろんな場所で奇跡は起こる。情けなくも愛おしい登場人物たちが仕掛ける、不器用な駆け引きの数々。明日がきっと楽しくなる連作短編集。
作品:アイネクライネナハトムジーク
著者:伊坂幸太郎
時間:8時間50 分
烏百花 蛍の章 八咫烏シリーズ外伝1
Audible聴き放題🔗MY書評
異世界「山内」の壮大な歴史の流れの中、主要人気キャラクターたちは、どんな風に育ち、一方でどんな関係を結び、事件の裏側でなにを思っていたのかー。本作は、第1幕 1~6巻のサイドストーリーをまとめた短編集。本編では描かれなかった、魅惑のストーリーが描かれる。
立場と身分に悩む明留と澄尾を描く「しのぶひと」
浜木綿の生い立ちと幼少期の若宮との出会いを描く「すみのさくら」
金烏代皇后の配下のひとり・松韻を描く「まつばちりて」
雪哉の産みの親である冬木と育ての親である梓を描く「ふゆきにおもう」
雪哉と若宮の夏の面白エピソードを描く「ゆきやのせみ」
澄尾と真赭の薄のエピソードを描く「わらうひと」
どの短編もいい!本作を読むと本編のストーリーに深みが増す!ヒューマンドラマとして面白い
作品:烏百花 蛍の章 八咫烏シリーズ外伝1
著者:阿部智里
時間:7時間14 分
文豪小説(1時間半以内)
小さき者へ
刺青
高瀬舟
桜の森の満開の下
D坂の殺人事件
舞姫
伊豆の踊子
白痴
地獄変
絵師の良秀と彼の娘、大殿様。良秀は優れた絵師だが、実際に見たものしか描けない性分。ある日、大殿様から地獄の絵を描くよう命じられるが、良秀は燃え上がる牛車の中で焼けていく女性の姿を描くことができない。
そこで、大殿様に「実際にその光景を見たい」と頼むと、大殿様はそれを承諾。その夜、良秀は大殿様に呼び出され、牛車の中で燃える女性を目の当たりにする。しかし、その女性は良秀の娘であった。取り乱す良秀。しかし、次第にその光景に魅了され、恍惚な表情を見せる。そしてー。
芸術のためにどんな犠牲もいとわない男を描いた作品。しかし、それはどこまで許されるのかー。考えて読みたい。
文豪小説(3時間以内)
山月記
李陵
春琴抄
桜の樹の下には
銀河鉄道の夜
高野聖
檸檬
シャーロック・ホームズの冒険
本作は、12編を含む短編集。「ボヘミアの醜聞」「赤髪組合」「花婿失踪事件」他を収録。短編集で最初の1冊としても読みやすい。シリーズ最初の1冊に最適。
作品:シャーロック・ホームズの冒険
著者:アーサー・コナン・ドイル
時間:2時間2分
文豪小説(4時間以内)
変身
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🔗MY書評
星の王子さま
童書でありながら、人生の本質を静かに問いかける世界的名作
砂漠に不時着した飛行士と、他の星からやってきた“王子さま”との出会いを通して、愛や友情、そして人間の価値観がやさしく描かれていく。王子さまの純粋で少し不思議な言葉は、時に哲学的であり、道徳的でもある。
「大人になるほど見失ってしまう大切なもの」に気づかせてくれる
バラとの関係、キツネとの対話などを通じて、“見ること”ではなく“感じること”の重要性が浮かび上がる。シンプルな物語の中に深い人生観が込められており、読むたびに新しい発見がある。大人こそ読むべき、永遠の名作。
蟹工船
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最後に
今回は、あなたの本選びに役立つAudibleで聴き放題のおすすめ小説を紹介しました。
この記事が読書の一助になれば幸いです。人生を豊かにする「読書」を、是非、初めて見てください。














































































