- お経は“未来予測のコードブック”
仏教の経典は、実は人類の歴史に繰り返される災厄のパターンを記録した「未来予測の鍵」。 - 仏教×歴史×科学で読み解く“災厄の兆し”
お経に記された災いの記述が、近年の異常気象や地震と重なる。800年周期や鬼門思想といった視点で未来の危機を予測。 - 不安を煽る本ではなく、心を整える指南書
2025年や2028年に起こりうるリスクを指摘しつつも、本書の真のメッセージは、「自身の行動と心を整え、冷静に困難な時代を生き抜く仏教の知恵を学ぶ」こと。混迷の時代にこそ読みたい一冊。
★★★★☆
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『仏教コード』ってどんな本?
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「2025年7月に大災害が来る」と話題になった、たつき諒の『私が見た未来 完全版』。メディアに取り上げられ、旅行客のキャンセルや航空便の減便など、社会的にも波紋を広げましたが、結果的に何も起きませんでした。
こうした“予言ブーム”はいつの時代にもありますが、重要なのは「当たるかどうか」ではなく、「リスクに備え、冷静に対応する知恵を学ぶ」ことではないでしょうか。
そんな視点で読んでおきたいのが、仏教の経典をもとに未来を読み解く、異色の一冊――
三木大雲著『お経から読み解く未来予言 仏教コード』です。
仏教の教え、宇宙のサイクル、800年周期で繰り返される文明の変化などを、科学的な知識や古文書と照らし合わせながら、現代や未来に起こりうる出来事を解説しています。
学術書ではないので論拠は薄いですが、仏教の考え方を学び、人生のリスクにどう向き合うかを考えるうえで役立つ1冊です。
お経は「未来の暗号解読書(コードブック)」だった!?

お経は「過去の記録」=「未来の予測ツール」になる
お経は人類が繰り返してきた災厄・苦しみのパターンを記した記録。
つまり、「過去の記録」=「未来を予測する鍵(コード)」である。
もっと簡単に言うと、お経は「人間の苦しみと、それを乗り越えるための知恵」をまとめたもの。それは、2000年以上前の時代に書かれたにもかかわらず、現代の私たちにも通じる「時代を超えた生存マニュアル」だというわけです。
例えば、お経には以下のような記述が見られます。
- 空が赤く染まる(赤気)
- 大地が揺れ、家が崩れる(地震)
- 風が炎のように吹き荒れる(火災・大嵐)
- 人々が食料を奪い合う(飢饉)
- 血のような雨が降る(疫病や天災の比喩)
現代の気候変動や地政学的リスクと驚くほど重なる描写に、三木住職は「未来を知るヒントがここにある」と気づいたのです。
仏教的「予言」の本質は「因果論」
歴史を見ると、人間は同じ苦しみを何度も繰り返しています。仏教では「すべての出来事は因(原因)と果(結果)で成り立つ」とされます。災厄や混乱も、突然起きるのではなく、「因果の流れの中にある」というのが基本的な考え方です。
現代社会の課題も、お経の教えに照らし合わせると、その原因と結果がわかります。
お経の教え | 現代の現象 |
---|---|
無明=無知・目先の欲 | 環境破壊・戦争・格差 |
貪・瞋・痴=三毒 | 政治腐敗・人心の荒廃 |
因果応報=結果は自ら招く | 自然災害・社会不安 |
四苦八苦の繰り返し | 精神疾患・孤独・暴力 |
八正道(調和の道) | 知恵・道徳・自省の必要性 |
つまり、お経とは単なる宗教文書ではなく、「人間社会のサイクル」と「その解決策」を記した時代を超える生存マニュアルなのです。
「未来のコードブック」から読み解く警告

三木大雲住職は、以下の要素を組み合わせて、私たちに危機への備えを促しています。
- 実際に起きた異常な自然現象(例:北海道の赤いオーロラ)
- 歴史の周期(約800年ごとに文明が大きく変化するサイクル)
- 仏教の方角思想(鬼門・裏鬼門)
- 宇宙と文明のサイクルモデル「四劫(しこう)」
- 仏の教えが力を失う時代「末法思想」
これらを総合すると、特に以下の時期に注意が必要だと住職は説きます。
2025年: 裏鬼門にあたる四国・南九州に災害の可能性
2028年: 食糧危機の可能性
具体的な推論の流れはこうです。
- 2002年に北海道で「赤いオーロラ」という異常な自然現象が発生。
お経ではこの現象は「赤気」。過去の災害の前触れ - 「赤気」の9年後の2011年、東北(鬼門)で東日本大震災が発生。
これを「予兆の成就」と捉える。 - 鬼門の次は「裏鬼門」(西南方向=四国・南九州)が危ない
過去の災害周期から危ないのが14年後。2025年に災害が及ぶ可能性を警告。 - 800年周期説から2028年に食糧難のリスク
800年ごとに人類の文明が大きく揺らぐ(変動・崩壊・再編成)歴史的サイクルがある。
原因:自然災害・疫病・宗教・思想の変化・技術革新・情報革命・人口構造の変化
+
文明崩壊手前の「四劫の住劫期※」起こるとされる飢饉や戦争、疫病の「小の三災」から、2028年に食糧難のリスク
🖊️ 800年サイクルで起きたこと
- 800年前(約1220年代)→ 鎌倉時代の戦乱・天変地異・モンゴル襲来(元寇)、飢饉と疫病
- 1600年前(400年代)→ ローマ帝国滅亡、仏教伝来、中国・朝鮮半島で飢饉多発。日本に渡来人が流入(新文化)
【補足解説】仏教的世界観:四劫と末法
仏教では、宇宙や文明には「始まりから崩壊までのサイクル」があるとされ、これを「四劫(しこう)」と呼びます。
このサイクルは永遠に繰り返されるとされていて、現代もまた「ある段階の途中にある」とされます。
四劫の4つの段階 | 意味 | 概要 | 現在の位置付け |
---|---|---|---|
成劫(じょうこう) | 誕生 | 宇宙・世界・文明の誕生 | 過去 |
住劫(じゅうこう)※ | 維持 | 文明の繁栄 | 過去 |
壊劫(えこう) | 崩壊 | 文明の方かい 欲や怒り、無知が広がり、戦乱・災害が増える | 現在! |
空劫(くうこう) | 空白 | 文明のリセット | 未来? |
また、仏教では釈迦の入滅から500年ごとに「正法」「像法」「末法」という3時代に分けて考えます。日本では1052年から「末法」に入ったとされ、今は「仏の教えが実践されない時代」=精神的に荒廃した時代とされます。
三木住職はなぜ、警告するのか
現在の状況は、
- 異常気象、異常災害、パンデミック、AIの進化といった、これまでの常識を超えた現象
- 歴史の800年サイクルが転換点にあること
- 宇宙と文明のサイクルである「四劫」では、文明の崩壊期「壊劫」にあること
- 仏の教えが効かなくなる「末法思想」の時代であること
これら「お経=未来のコードブック」の因果論の要素がすべて「今、この時」に重なっていると、三木住職は警告しているのです。
住職が本当に伝えたいのは、「不確実な未来に対し、ただ怖がるのではなく、自分の心と行動を見つめ直し、整えるべき時期だ」という仏教的な教えです。
現代人が直面する孤独、ストレス、争い、環境破壊といった問題の根源も、お経の中にはすでに「因」として記されています。つまり、「答えはすでにある」ということ。仏教の教えは、災厄への備えだけでなく、日々の人間関係や心の整え方、生き方のヒントとしても役立ちます。
最後に
今回は、三木大雲さんの『仏教コード』からの学びを紹介しました。
「科学と仏教は相容れない」と思われがちですが、本書では、仏教の教えと量子論・宇宙論・医学との接点にも触れられています。実際、お経に記された内容が、現代科学で次々と裏付けられているという点も読みどころの一つです。
未来への不安が高まる今だからこそ、時代を超えた“智慧の書”であるお経に目を向けてみて下さい。