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【書評/要約】読む力 最新スキル大全(佐々木俊尚) いかに読み、血肉にするか。即役立つビジネス書向け実践的読書術

【書評/要約】読む力 最新スキル大全(佐々木俊尚) いかに読み、血肉にするか。即役立つビジネス書向け実践的読書術
読む力 最新スキル大全」要約・感想
  • いかに読み、血肉にするか。ネットと本を駆使して、効率的に役立つ情報を血肉化する実践的読書術
  • 現代は、ネットで誰もが膨大な「知」に到達できる時代。だからこそ、「読む力」が決定的に重要。
  • スマホで情報収集はしやすくなった半面、多くの人は情報に飲まれ、集中力がなくなり、飽きっぽくなっている。情報を取捨する「読み方」、「情報整理の仕方」が極めて大事

★★★★★ Audible聴き放題対象本



目次

『読む力 最新スキル大全』ってどんな本?

現代は、ネットで誰もが膨大な「知」に到達できる時代。だからこそ、「読む力」が決定的に重要。

単に「良質な情報」な触れるだけでなく、
きちんと読み解き、理解を深め、「世界を見つめる力」を高めるられるか―
多彩な視点を身につけ、最終的に、それらを自分の「血肉」にできるか―

佐々木 俊尚さんの著書「現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全」は、インターネットをフルに駆使して「読む力」「知識」「視点」を身につけるための実践読書術

スマホからの情報が止むことのない現代では、「集中すること自体が難しい」と受け入れた上で、それを逆活用する「全く新しい読み方」を教えてくれます。

「学び」の本質は、さまざまな知識を自分の頭の中で「統合」して、血肉化していくことです。知識がたくさんあっても、統合されていなければ「雑学」や「ウンチク」 でしかありません。統合されてはじめて「教養」になる、それが腹落ちしてよくわかります。

非常に学びが多く、すぐにマネ・実践できるノウハウが満載の良書!読了後、即実践で確実に読む力がUPします。

こんな方におすすめ
  • スマホでの情報収取には熱心だが、集めただけで終わっている方
  • 収集した情報を整理するのが苦手。血肉化できていない方
  • 脳を効果的に利用する方法を知りたい方

まずは現代の知的生産に必須の「5つの大前提」を知る

現代の知的生産に必須の「5つの大前提」を知る:読む力 最新スキル大全

スマホで「気が散る」時代。集中するためにスマホを遠ざけろと言われても、なかなか難しいのが現状です。そこで、佐々木さんが提案するのは、細切れ時間を味方につけた「新しい読み方」です。

断片的な時間で、断片的な知識・情報を血肉に変えていくには、まず最初に、情報の収集の仕方を見直しす必要があります。以下は、その大前提となる5つのポイントです。

ポイント詳細
❶まずメディアを
「4つのタイプ」に分類する
横軸:表面的だけど広いメディアか、奥深く掘り込んだメディア※か
 ※Nスぺ・クロ現、東洋経済オンライン現代ビジネス
  シノドス、専門家のブログ・SNS
縦軸:中立的か、とがっているか(ものの見方が偏っているか否か)
❷大別したメディアから
「ニュースを読み解く流れ」
を作る
一記事で「全部わかった」と満足しない
いくつもの視点を作ることで、ようやく「ニューズの全体像」が見える
ニュースを読み解く流れを作る(アウトライン → 視点 → 全体像)
❸読む目的は
「たくさんの視点を獲得すること」と肝に銘じる
本当の意味で「知る」とは、その出来事について「たくさんの視点」を獲得し、「全方位からその出来事を見る」こと
知に向き合う謙虚さを持ち、自分とは異なる意見も「そんな考えもあるのか」と受け入れる
❹読むことで得た
「知識」「視点」を「知肉」に
する
まず、多くの情報に触れた上で
 ⇒「知識」や「視点」を獲得する
 ⇒「視点」から「概念」をつかむ
 ⇒「概念」を集めて「世界観」をつくる
 ⇒「世界観」から、自分のための「知肉」を育てる
❺無理に集中しようとする
のではなく、
あえて「散漫力」を逆活用する
スマホは我々の「第二の脳」だが、半面で、飽きっぽさ、集中力低下をもたらした
スマホを遠ざけるのではなく、受け入れ、散漫力を逆活用。如何に、知的生産に結び付けるかを考える

以下では、この5つの前提に沿った、読み方・学び方を紹介していきます。

【メディア】いかに情報を収集するか

【メディア】いかに情報を収集するか | 読む力 最新スキル大全

細切れ時間(短い集中力)で効率的に情報を収集するには、情報収集の改善が極めて大事です。

まず、「読むべきもの」を選別する

メディアの特性を知らないで情報に接すると、知らないうちに落とし穴にはまります

「SNSより新聞」と言われますが、あくまで一般論に過ぎません。まずは、隔たりが強いメディア・弊害のあるメディアを知り、避けることです。

本書では、「偏りが強いメディアを見抜くポイント」「SNS・新聞の落とし穴」「SNSとの付き合い方」「著者が読んでいる新聞」など、具体的なメディアとの接し方が紹介されています。

どう情報を収集するか:プッシュ情報とプル情報

情報の受け取り方には、❶勝手に流れてくる「プッシュ情報」と❷自分が能動的に集めていく「プル情報」の2つがあります。

プッシュ情報は世の中の動きを教えてくれますが、受け身すぎると情報洪水に押し流されます。「自分のためになるか」という明確な基準を持って「良質なプル情報」を自ら取りに行くことが大事です。

良質なプル情報収集にはRSSリーダーフィードリー(Feedly)を使いこなすと、情報収集力が格段にUPします。

Feedlyを使いこなすポイント
  • 読むレベル(必ず読む、忙しい時は読み飛ばす、暇なときに読む)別に3つに分類
  • 記事選択の予備段階になる「キュレーションサイト」を活用
  • カテゴリーに合わせて、フィードリーの表示を変更

本書ではさらに具体的に、使い方が紹介されています。

選んだ記事をどう読み、整理し、保存するか

記事の見出しを読む時間と、本文をじっくり読む時間を分けて読む とベターです。これらは「処理する頭が別」です。

また、効率的な情報整理のためには、本文をあとで読むためのアプリ「ポケット(pocket)」でタグ付け✕ブックマークして読めば、後で検索して活用することも容易になります。

すぐに役に立たない記事が「半年後に突然役に立つ」ことは多々あります。このような時に、Pocketに貯えたアーカイブで、短時間で情報にアクセスできます。「永久保存だ」と判断した記事は、「メモアプリ」にも保存 これで元サイトの記事削除を回避し、また、脳の記憶定着もよくなります。

おすすめメモアプリ:Microsoft OneNoteGoogle keepEvernoteNotion

情報から多様な視点を手に入れ、価値観・概念・世界観を作る

情報はただ収集しただけでは価値がありません。情報が持っている意味や価値観・概念を自分の中に蓄積していくことが大事です。ひとつひとつの情報が持っている意味は小さくても、チリツモで新たな価値観・世界観を作り出します。

このためにも、「情報整理」と「これらへの簡単アクセスの方法」を構築しておくことは極めて大事です

【本】「何を」「どう」読むか

❷本は「何を」「どう」読むか:読む力 最新スキル大全

本は、そのテーマのの全体像を知る最良の方法です。メディアとの使い分けが必要です。

本は「物事の全体像を知るガイド」

名著・良書は、「物事についての全体像を知る」うえで最も良質なガイドです。 1冊で「多様な視点」を与えてくれます。本書には、様々な飲み方ノウハウが紹介されています。

  • 電子書籍と紙の本の使い分け。保管の仕方
  • リアル書店の活用法
  • 本の紹介記事を活用法
  • いま読むべき本の選び方
  • 名著・難解な本・実用書・ビジネス書・自己啓発書を読むコツ 他

以下では、本書で紹介される「読み方のコツ」の中から、私が十分実践できていない2点を紹介します。

【本の読み方 コツ①】何にピンと来たかをより具体的に記録

「この内容は前に読んだ本にも出てきた」「これは△ニュースに関係している」といった気づきがあったときは、記録をとどめることが大事です。

ただ、書き留めるだけでなく、「何にピンと来たか」一言追記しておくと、記憶もよみがえりやすくなります。

【本の読み方 コツ②】抽象的で難しそうな部分こそ、丁寧に熟読

(次の切に関係しますが)人は抽象的で難しい箇所は、読み飛ばしがちです。しかし、この部分こそ熟読が大事。

上述した通り、名著は読破が目的ではありません。「名著の視点」を我が物にすることです。そのためには、著者が世界をどう認識していたか、しっかり理解するためにも、丁寧にじっくり読む必要があります。

例として、難解&長編な小説 ドルトエフスキーの『罪と罰』を、読みこなすコツがわかりやすく解説されています。大変参考になりました。

【情報の保存】いかに「血肉化」するか

【情報の活用】いかに「血肉」を育てるか:読む力 最新スキル大全

いくら読書に時間を費やしても、血肉にできなければ意味はありません。大事なのが「情報の保存の仕方」です。

「2つの保存先」を使い分ける

情報の性質によって、情報の保存先を変えると、情報を血肉化しやすくなります。「頭の中」と「頭の外=コンピューター」に分けることです。

情報の保存場所方法・効果
頭の中情報を「概念化」して蓄積しておく
頭の外(記憶媒体など)容量に限界がないのが最大のメリット
整理し、メモることで、その都度、必要な情報を取り出せる

「概念化」するとは、頭の中で乱雑な情報をつなぎ直して、1つの小説のように再構成することです。一方で、 人間の頭は記憶容量は小さく忘れます。だから、頭と頭の外(記憶媒体など)の2つを組み合わせて、保存します。

最近はなんでもググって片づける人が増えていますが、これでは、「情報を血肉化」することはできません。頭の中に血肉化された知識があって、はじめてクリエイティブな頭が機能します。

知識を血肉にする流れ

「知識の知肉化」とは、筋トレのように、「自分だけの活用方法を育てていく」ことです。

血肉化のステップ
  • 書籍を読む
  • 「さまざまな知識や視点」を得ることで「さまざまな概念」をつかむ
  • 「世界観」が見えてくる
  • 血肉へ

一つの情報・一冊の本だけでは、世界観は見えてきません。様々な情報に触れ、視点を獲得していくことではじめて、より深く広い「世界観」がつくられます。そして、その世界観が深まることで、仕事・生活に役立つ血肉となります。

知と知を結びつける:無意識の活用

読書を積み重ねていると、「知識が一つにながる瞬間」が時々訪れます。この知と知の結びつきこそ、世界観を深めるに大事です。

お風呂やトイレなどに入っているときに、「ひらめき・アイデアが降りてきた」ということがありますが、これは、自己意識のあずかり知らない「無意識の領域」で、複数の概念が結びついて、新たな考え(世界)が降りてきたということです。このひらめきを促すには、知識を頭に保存しておくだけでなく、「脳のノイズを減らしてクリアな脳」でいることが欠かせません。

「脳のノイズを減らしてクリアな脳にするための仕事術」「短時間の集中力で、細切れでも質の高い仕事をする方法」も本書では解説されています。

最後に

今回は、佐々木俊尚さんの『読む力 最新スキル大全』からの学びを紹介しました。

実は血肉化に最も効果的なのは、自分が好きなことを学びんで、それを仕事につなげることです本書も佐々木さん「好きなことを仕事に!」の集大成です。

本書には、「情報の入手・整理・保管・概念化・血肉化」だけでなく、仕事と生活の壁をぶち抜き、集中力UP・効率効率化・ストレス低下する方法についても、がっちり解説されています。

それを血肉にするには継続が必要ですが、まずは、マネから始めましょう。私も読了後、本書で紹介のツール・方法を早速取り入れました。今後、自分にしっくりくる方法を模索してみたいと思います。

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