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【書評/要約】医師のつくった「頭のよさ」テスト(本田真美) 自分の認知特性を知ることが、能力&収入UPの鍵

【書評/要約】医師のつくった「頭のよさ」テスト(本田真美) 自分の認知特性を知ることが、能力&収入UPの鍵
医師のつくった「頭のよさ」テスト」要約・感想
  • 社会で必要とされる能力は、「認知特性」を意識すると伸びる
  • 認知特性とは、情報を理解・整理・記憶・表現する「方法」。6つのタイプに大別できる
  • まずは自分の「認知特性」を知り、自分に潜む「能力」を知ること。それが、能力UP・収入UPの鍵

★★★★★ Kindle Unlimited読み放題対象本



目次

『医師のつくった「頭のよさ」テスト』ってどんな本?

Kindle Unlimited対象本

もっとできる人材になりたいー と、能力アップに努める真面目なビジネスマンは多いですが、闇雲にスキルアップに努めていませんか?自分を知らずに自己研鑽に努めても、非効率です。

自分の能力を効率的に高めるためには、自らの「認知特性」を知ることが大事と述べるのは、医師の本田真美さん。

私たちは、日々、視覚・聴覚などの感覚器を用いて外界からの情報を受取り、情報の整理・記憶・表現を行っていますが、人それぞれインプットの仕方に得手・不得手があります。これが認知特性です。同じ情報でも、会話をすぐに理解する人、文章の理解が得意な人がいますが、これらは「認知特性」の違いです。

今回紹介の『医師のつくった「頭のよさ」テスト』、は、自分の認知特性を知り、仕事に活かすためのアドバイス本。タイプ判定テストで自分を知り、より効果的に能力を高める方法を知ることができます。

なるほど!と思う知識がいろいろ。キャリア選択・軌道修正にも重宝する1冊です。

本作をおすすめしたい方
  • 自己を理解し、より適切なキャリアを築きたい方
  • 自己改善に努めたい方
  • 文章の理解が苦手、話を聞いて理解するのが苦手 などの悩みがある方

能力に影響を与える「認知特性」

インプット能力の良し悪しを決める「感覚」| 【書評/要約】医師のつくった「頭のよさ」テスト(本田真美)

人には、得手・不得手があります。これは、情報のインプットの得意・不得意が大きく関わっています。

人にはそれぞれ「認知特性」がある

認知特性とは、ひと言でいうと、「外界からの情報を頭の中で理解したり、整理したり、記憶したり、表現したりする方法」です。

同じことを聞いても、誰もが同じように理解するわけではありません。同じ結論を持っていても、同じように表現するわけでもありません。人にはそれぞれ生まれ持った思考や認知の好みがあるのです。

私たちは、外界からの情報を視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚、固有覚、平衡感覚、内臓感覚などの「感覚器官」を通じて受け取ります。これら感覚は「外界からの情報の読み取りセンサー」です。このセンサーの性能は人それぞれであり、このセンサーが優れていると、良いインプットを元に、情報を理解⇒整理⇒表現することができます。

例えば、聴覚の場合、感覚が鈍いと話がうまく聞き取れません。一方で、過敏すぎると、音が気になって集中力に障害を及ぼします。つまり、インプットのための「感覚性能」の良し悪しが、学習・仕事にも影響を及ぼすわけです。

認知特性は6つのタイプに分けられる

では、認知特性にはどのようなものがあるでしょうか。
「目」と「耳」どちらのセンサーがどのように強いかで「6つ」に大別できます。

優位性タイプ特徴
視覚優位者❶2次元写真タイプ写真のように二次元で思考するタイプ
・3歳以前の記憶を持つ(通常は言語的な因果関係がわかる4~6歳)
・例)写真家や画家、デザイナー
❷3次元映像タイプ空間や時間軸を使って三次元で考えるタイプ
・人の顔を覚えたり、表情を読み取るのが得意
・例)建築家やパイロット、外科医、テレビカメラマン
言語優位者❸言語映像タイプ文字や文章を映像化してから思考するタイプ
・言語機能の左脳とイメージの右脳の両方がバランスよく使える
・例)コピーライターや絵本作家、雑誌の編集者
❹言語抽象タイプ文字や文章を図式化してから思考するタイプ
・紙に書いてある文字を見た方が理解が進む
・例)作家、教師、金融関係者、心理学者
聴覚優位者❺聴覚言語タイプ文字や文章を、耳から入れる音として情報処理するタイプ
・会話の理解が早い
・例)弁護士や教師、落語家、アナウンサー、作詞家
❻聴覚&音タイプ音色や音階といった、音楽的イメージを脳に入力するタイプ
・例)音楽家

一瞬で理解するタイプ、順番に把握するタイプ

日常生活を送る上で、人は「同時処理」と「継次処理」の両方を使っています。たとえば、長文を読解して設問に答えるような場合、本文全体の意図をざくっとつかむのが同時処理、物語を場面ごとに順番に把握していくのが継次処理です。

同時処理は視覚優位者向き、継次処理は言語優位者、聴覚優位者が得意です。それは、視覚は一瞬にして多くの空間情報を大雑把に把握するのに対し、聴覚や言語は時間を、連続的に流れた情報として把握するものだからです。

能力にはこれ以外にもいろいろあり、それぞれ本書で詳細解説されています。
ワーキングメモリー、言語操作能力、数操作、推論力、空間認知力、視覚認知力、聴覚認知力、一般常識、処理能力、手先の巧緻性、粗大運動能力、柔軟性、秩序性、創造性、社会性、衝動性、遂行機能、継続力、時間感覚

自分の認知特性を知ることで、能力・収入はのばせる

自分の認知特性を知る| 【書評/要約】医師のつくった「頭のよさ」テスト(本田真美)

外界センサーの感度、及び、認知特性は子供の時に形成されます。大人が伸ばそうと思っても限界があります。しかし、自分の認知特性を知れば、得意を活かしてスキルを伸ばすことができます。

本書には、あなたが6つの認知特性どれに該当するかを判断するテストがついているので、それでテストするのがベターです。

自分の認知特性を知るメリット

自分の認知特性を知るメリットは計り知れません。理由は、「自分のやりやすい方法」「成功しやすい方法」が判断しやすくなり、行動までにかかる時間も短縮できるからです。嫌い・苦手なことに直面したときも、自分が得意なアプローチ方法に変更したり、得意な能力で補ったり、あるいは、日常的な訓練で能力の底上げを図ることもできます。

自分の認知特性と合わない仕事についている人は、転職、あるいは、部署移動などで軌道修正をした方が、結果的に、能力が活かせ、収入もアップする可能性は高いでしょう。

先天的な認知能力に、後天的な能力を組み合わせる

感覚が発育するのは子供の時です。感覚&認知特性の発達は、子どもの発育期にどれだけ役立つ刺激・経験したかが影響しています。故、大人がこれから「認知特性」特性を高めようと努力するのは非効率です。

代わりに行うべきは、後天的に伸ばすことができる「能力」を伸ばし、認知能力と合わせて総合的に能力を伸ばすことです。なお、能力は1つではなく、2つ以上、身に着けて、それらをハイブリッドで活かせる活躍の場を探すと、人から一目置かれる存在になりやすいです。

後天的な能力
  • 記憶力
  • 継続力
  • 秩序性
  • 柔軟性
  • 創造性
  • 社会性
  • 時間感覚 など

さらに能力を強化する「脳の強化法」

神経心理ピラミッド  画像引用:Hagkum

ここからはさらに能力を高める方法、能力を落とさないために大事なことを紹介します。

能力が発揮されるのは、心身の健康があってこそ

そもそも論ですが、能力を発揮できるのは、「心身の健康があってこそ」です。無理は禁物。脳はストレスに反応するとコルチゾールを分泌。これが脳細胞を攻撃し、脳の一部を阻害します。

上図の「神経心理ピラミッド」は、下層の機能に問題があると、上位機能もつまづくことを表すものです。神経疲労が最下層にあり、メンタルがやられていると、全ての能力がドミノ倒しで低下することを示しています。

やる気がすべて

神経心理ピラミッドは、心身に問題がなければ、結局は「やる気がすべて」ということも表しています。能力があっても、「意欲」がなければ、何事もなすことはできません。

やる気を生み出すには「ご褒美」「報酬」が必要であり、「外的動機づけ(報酬・評価)」や「内的動機付け(好きを仕事になど、働く喜び)」でモチベーションを上げる必要があります。

モチベーションを上げるおすすめ本は以下で多数紹介しているので、ご参考に。

脳の働きをロスさせない:整理整頓・姿勢など

脳はすぐに余計なことにハックされ、集中力がなくなります。脳がハックされると脳のリソースが奪われ、能力は機能低下します。

デスクが汚い、書き味のわるいペンを使っている、周囲がうるさい、姿勢が悪いなどは、いずれも、脳のリソースが奪われます。このようなちょっとしたことを改善するのが非常に大事です。何より、即効性があります。

運動で脳を強化

運動は様々な能力を必要とします。運動神経がいい人は、スピード感、リズム感、バランス感覚などに優れ、体の大きさ、力の入れ方、動き方などのボディイメージをしっかりとつかんでいます。トップアスリートは頭がいい人が多いですが、これも様々な「感覚が発達」していることが影響しています。

さらに、運動は仕事・勉強だけでなく、心・自己肯定感など、様々な好影響を及ぼします。詳細は以下の記事をご参考に。

最後に

今回は、本田真美さんの『医師のつくった「頭のよさ」テスト』からの学びを紹介しました。

本書では、紹介した能力以外にも、以下ような能力について解説されています。

ワーキングメモリー、言語操作能力、数操作、推論力、空間認知力、視覚認知力、聴覚認知力、一般常識、処理能力、手先の巧緻性、粗大運動能力、柔軟性、秩序性、創造性、社会性、衝動性、遂行機能、継続力、時間感覚

まず最初の一歩は「自分を知る」ことです。是非、本書のテストで「真の自分」を知りましょう。

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