- 本は軽やかに読むべし!
特定な分野に閉じこもることなく、興味に基づいて自由に読書することで、思いがけない発見が得られ、ものの考え方・発想も豊かになる - ググれば情報が得られる時代、知識ばかりを身につけても思考力は磨かれない。新しい発想をもたらすのは「乱読」
- 「忘却」は大事。知的メタボになるな。食事と同じように、知識にも消化・吸収・排泄(忘却・整理)が必要。本もバランスよく消化・吸収・整理し、よりよく記憶に定着させよ
★★★★☆
Kindle Unlimited読み放題対象本
『乱読のセレンディピティ』ってどんな本?
あなたは、ご自身の読書スタイルを意識したことはありますか?
早く本を読むための「速読」、1冊の本からより多くを学ぶための「遅読」、時短してスキルアップするためになるだけ要点だけがまとまった「サルでもわかる系ビジネス書の読書」、読書する時間がないので「本の要約サイト/書評ブログみておしまい」 等、人それぞれ、様々な本の接し方があります。
今の私の読書スタイルは、「多ジャンル乱読×速読✕耳で読書」な自由な読書が主流であり、「インプット読書<アウトプット読書」に重きを置いている、といったところでしょうか。
さて、前置きが長くなりましたが、今回紹介の『乱読のセレンディピティ』は思いがけないことを発見して楽しむ乱読の提案本。著者は、200万部を超える大ベストセラー『思考の整理学』で知られる、著者・外山滋比古さんです。
「セレンディピティ(serendipity)」とは、「予測していなかった偶然によってもたらされた幸運」あるいは「幸運な偶然を手に入れる力」のこと。
勉強・スキルアップ目的などにより、特定な分野に閉じこもることなく、
興味に基づいて自由に読書することで、
思いがけない発見を楽しみ、
ものの考え方・発想を豊かににする
私もかつては、「今はやりのビジネス書」「金融本」に凝り固まった読書をしていました。しかし、いつのころからか、自由な読書に切り替えたことで、視野が広がり、多ジャンルの情報が知識としてつながるようになりました。
そして、何より、本が楽しくなりました。おかげで、新しい「発見・気づき」で脳がワクワク喜ぶ「幸せな毎日」が実現しています。
現代人は、忙しいを理由に本当に本を読みません。書評ブログを書いていて、日々それを実感します。しかし、こんなに安く、手軽に読書できる時代なのに、残念でなりません。
多くの人に、『乱読のセレンディピティ』を感じてほしい!それを願って、本書の要点をまとめます。
【結論】外山流、セレンディピティな乱読 6ヶ条
最初に結論です。本書で外山さんは、セレンディピティな乱読法として、以下の方法をすすめています。
- 本は手当たり次第に読み、面白くなければ途中で投げ出せ!
- 偶然手に取った本からひらめきが生まれる
- 偶然手に取った本からひらめきが生まれる
- 難しい本をじっくり丁寧によみ、知識ばかりを身につけても思考力は磨かれない
- なめるような丁寧すぎる読書では、言葉の意味の流れが止まってしまう
- 知識を持つだけなら、人間はコンピューターにかなわない
- 人間だけができる活動が「思考すること」だ
- そのためには、思考の飛躍が必要。「乱読」はそれを助ける
- せまい専門分野の本ばかり読んでいると、頭はいつしか不活発になり、クリエイティヴでなくなる
- 自分の力で本を選べ
- あふれるほどの本の中から何を求めて読むかを決めるのも「知的活動」になる
- あふれるほどの本の中から何を求めて読むかを決めるのも「知的活動」になる
- 忘却は重要な効果を持つ
- 記憶は忘却の力を借りて代謝をおこし、再生される(少しずつ変化する。記憶の新陳代謝)
- 知識をすべて蓄えていると頭の中がいっぱいになってしまう
- 本を読んで、大事だと思ったことは自然と心に刻まれる
- 心に刻まれなかったことをノートに書き留めても、結局はあまり意味がない
- 朝の頭は1日でもっともよい状態。
- 睡眠により得られる「忘却による浄化」で、頭が最もよく働く
以下では、上記を補足する内容を紹介しいます。
なぜ、「乱読」をすすめるのか
「乱読」という言葉にイメージを持たない方は多いと思います。しかし、外山さんの見解は異なります。
外山流、乱読の定義
外山さんの乱読の定義(私が勝手にまとめたものですが)は次のようなものです。
- 軽やかに読む。風のようにサラリと読む
- 堅苦しく考える読む本を考える必要なし。名著・良書にこだわる必要もなし
- 特にじっくり読む必要もなし
- 最後まで読む必要もなし。読み捨で構わない
日本人は真面目で、しかもせこい。そのために、「本代の元を取ってやろう」という気持ちがあり、そのため、最初から最後まで、じっくり読もうとします。「つまらない」「自分に合わない」と思っても、真面目に最初から読んでしまう。
でも、「つまらない」「自分に合わない」読書から、「得られるもの」って多いでしょうか?多分、時間もコストと考えれば、つまらない本は読むのをやめた方がコスパがよくなります。軽やかに、読めばいいのです。
乱読のよさに気づくこと自体が、セレンディピティ
気の向くまま、軽やかな読書で本を読むと、駄作を選んでしまうこともあります。しかし、「駄作」は読むのをやめてればいいし、また、「駄作」を読むことでも、得ることはあります。反面教師になったり、良書の良書たることを再認識したり…
外山さん曰く、「乱読のよさに気づくこと自体が、思いがけない発見=セレンディピティ」です。
「真面目な読書」の弊害
真面目でスキルアップに熱心なビジネスマンは、狭い分野の本ばかり読みがちです。
このような読書ばかり続けていると、
表情は難しくなり、
頭はいつしか不活発になり、
模倣的になり、自分で考えることをしなくなる傾向がある と、外山さんは述べます。
知識ばかりを身につけても思考力は磨かれません。新しい発想をもたらすのは「乱読」です。アイデアがおりてくるのは机の前ではなく、お風呂やトイレに入っている時だったり、頭が軽やかになっている時です。読書にも軽やかさが必要です。
「書評」は当てにするな
本を選ぶときに、新聞・雑誌・書評を利用する人は多いでしょう。選ぶきっかけにしてもいいですが、自分の力で本を選ぶことは大事です。あふれるほどの本の中から何を求めて読むかを決めるのも、知的活動だと認識しましょう。
個人的な意見としては、「書評」だけ読んで、知識を得たと思うのもNGです。旅行記を読んでも、実際にその場を旅行するのとは全く違います。得られる深みがまるで違います。読書も同じです。
忘却も大事。消化し記憶の新陳代謝を
ググればわかる時代に、知識や情報を詰め込むための多読は意味がありません。外山さんは、知識を取り込みすぎて、使うこともない状態を「知的メタボ」と呼んでいます。
忘れてもいい
知識は有用です。しかし、消化し切れない知識をいつまでもかかえこんでいると、頭は不健康な肥満状態になります。故、忘れること、「自然忘却」を必要以上に恐れる必要はありません。
ものを食べると、人は食べ物を消化・吸収し、その残りカスは体外へ排出します。食べるだけ食べて、消化も排泄もしなければ、不健康です。また、同じ食べ物ばかり食べるのも問題があります。これは知識(記憶)も同じです。
記憶はいつまでももとのままであるのではなく、忘却によって、少しずつ変化する。
しかも、よりよく変化する。
上記は外山さんの言葉です。忘れても、何かの情報を読んで思い出したり、他の情報と合わさって、変化する。こうして、そんなことを繰り返しながら、自分の知識として、長期記憶化される。
そもそも、その時の自分にとってその情報が大事ではなかったから。そう考えると、本がもっと軽やかに読めますね。
よい忘却で頭&思考をUpdateする「良質な睡眠」
忘れることは避けられなくとも、「よい忘却で頭・思考をアップデート」することはできます。そのために必要なのが「良質な睡眠」です。
一日のうちで、朝がもっとも頭のよく働くのは「朝」。それは、朝は睡眠で頭が掃除=忘却&整理された状態だからです。睡眠は疲れを取るだけのものではありません。脳のゴミを取り去るのにも大事なのです。
このメカニズムを知るには、以下の2冊のブルーバックス本が超おすすめです。
ワタシ流、乱読のすすめ
私は、かなりな乱読です。ただし、通常、乱読しようとすると「書籍代」がかかります。
しかし、これを圧倒的に安く実現してくれるのが、Amazonの2つの読み放題サービス『 Kindle Unlimited』と『Audible』です。どちらも次のようなメリットがあります。
- 月額定額制。お金の心配なし(はじめてなら体験プランあり)
- 読みたいと思ったら、即読書開始可能(「読みたい気持ち」をしぼませずに読書)
❶で、「この本、私に合わない」と思ったら、罪悪感なく、読書を中断する軽やか読書が実現します。また、❷も極めて大事。人の気持ちは瞬間湯沸かし器。「紙の本」が宅配で届くのを待ったり、ましてや、図書館などで予約したりすると、読みたい気持ちはしぼみます。
只今、以下のキャンペーンを開催しているので、是非、上手に利用してください!
最後に
今回は、外山滋比古さんの「乱読のセレンディピティ」を紹介しました。
当ブログでは、たくさんの「読書本」を紹介しています。以下も参考にしてみて下さい。
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